8.リアルアクティブカードバトル『AMAZING』!!
――終末都市『トリニティ・ゼロ』の地下軍事施設に転送された20名のゲーム戦士たち。
一斉送信されたメールと、ゲーム開始を告げるカウントダウンがゼロになった瞬間、サバイバルゲームの火蓋が切られた。
今回のゲームは4つのステージで構成されたサバイバルアタック。
その初陣となる1st STAGEは、己の身体能力とカードデッキを駆使して戦うカードゲーム『AMAZING』を用いたバトルだ。
「そういや剣。『AMAZING』をプレイしてどれくらいになるんだ?」
「もう1年以上ですね。公式リリース直後に始めたんで」
「なら是非とも、そのイロハを教えてもらいたいね。俺はまだ実戦経験がないんだ」
「マジすか!? なんだか俺が先生みたいですね」
研究室内に転送された、ダブル主人公の剣とキッド。
キッドはFPSゲーム『A.I.M.S』一筋で腕を磨いてきたため、カードゲームに関しては全くの素人だ。剣は17歳、キッドは25歳。年齢は離れているが、このステージにおいては剣が「先輩」となる。
「キッドさんって配信者ですよね? 初心者講座の動画とか出さなかったんすか?」
「それがさ、トレンドだと実戦よりカードパックの開封動画の方が伸びるんだよ。昨日も最新パックを箱買いして、チームの皆で動画を上げたばかりでね」
「箱買いって……今、パックだけでも高騰してるのに。相当高かったでしょう?」
「そこはもう、リスナーの皆様の熱い応援があってこそだよ☆」
(うわ、絶対投げ銭で買ったな。ずるいわ……)
金欠に悩む高校生の剣は、思わず心の中で毒づいた。
▶▶▶ NEXT▽
「それじゃキッドさん、まずは基本からいきますよ」
剣に促され、キッドは見よう見まねで召喚機『スキャンブレス』を左腕に装着し、電源を入れた。
―――キュォォオオオオン!
デジタルサラウンドの起動音が響き、中央のブルークリアなコアからホログラムが展開される。そこにはキッドのステータスが詳細に表示されていた。
「これがキッドさんのHP、ここがカードを使うためのエネルギーゲージ。ほんで、画面のイラストが初期手札の5枚です。出したいカードをタッチすれば、デッキから実体化して排出されます」
「お、おう……?」
情報量の多さに困惑するキッドに対し、剣は「習うより慣れろ」とばかりに自分のブレスを操作した。スロットから1枚のカードが勢いよく飛び出す。
「基本は俺たち自身で戦いますが、仲間となるモンスターはこの『ユニットカード』で召喚するんです。こんな風に……!」
剣がカードをスキャナーに装填し、発動ボタンを押し込む。
―――カチャッ、ピキュゥゥウウン!
『ユニットカード、【スピードブレーダー】!!』
「うおっ、喋った!?」
召喚機から流れる音声にキッドが飛び上がる。
既に室内はVRフィールドと化しており、眩いエフェクトと共に一体のユニットが剣の前に姿を現した。
◎――――――――――――――――――◎
<ユニットカード>
【スピードブレーダー】EG:①
AP:50 DP:50 AS:5
属性:無 種族:ナイト
効果:[スピードアタック]
(召喚直後の待機時間を無視して攻撃可能)
◎――――――――――――――――――◎
逆手のロングナイフを構え、疾風のごとく戦場を駆ける特攻騎士。剣がブレスのコマンドを入力するたび、ユニットは鋭い動きを見せる。
「すげー!! カードゲームって夢あるなぁ! 俺も早くやりたい!」
(……まるで子供みたいやな。でも、なんかええなぁ……!)
無邪気にはしゃぐ大人・キッドの姿に、剣は苦笑しながらも、かつて自分がゲームにのめり込んだ時の純粋な気持ちを思い出し、彼への親近感を強めていた。
「じゃあ、どうします? キッドさん」
「俺もカードを出して実戦してみたいね。どこかに敵はいないか……?」
キッドが呑気に周囲を見渡した、その時だった。
エントランスの重厚な扉が跳ね上がり、銀の装甲とマスクに身を包んだ男たちがなだれ込んできた。
「あ、すみませーん! 俺たちの対戦相手を見かけませんでしたか? AMAZINGの……」
――ジャキッ!
問いかけるキッドの言葉を遮り、男たちはアサルトライフル『AK-47』の銃口を一斉に向けた。
「………100%、俺らの敵ですわ」
「剣くん、へールプ……!!」
危うし、剣とキッド。謎の武装部隊を前に、1st STAGE敗退の危機が迫る!
――本日のゲーム、これまでッッ!!




