狩りの時間
39話
深夜、俺は目を覚ました。
昼間寝過ぎたからだろうか。前の時と似ていた。ラワ村の時だ。
見張り役のオルビスは・・・寝ていた。
(オルビスは寝てしまったから、我が見張っておる)
そこにはアバがいた。今は大きくなったり小さくなったりはしていない。
(聞こえますか・・?)
(聞こえておる)
(僕は1人で森に魔法の練習をしに行きますのでよろしくお願いします)
(わかった!日暮までには戻るんじゃぞ!)
(あの・・・)
俺の質問にアバは答えなかった。というか、心の中に問いかけられる気もしなかった。
どうやらこれは一方通行の電話のようなものなのかもしれない。
俺は森へ方向を向けた。
見張りとはなんなのかを考えながらユガイとオルビスが布団がわりに持ってきてくれた大きな葉を被せた。
俺は森の中に入った。見張りについてはアバに任せてある。
そうして俺は歯磨きをした時に行った川に向かった。
その川は夜でも刻々と流れていた。
「なんか・・・・いいな・・!夜空とセットの星と熊・・・・・!」
俺は違和感を覚えた。
「熊・・・?」
そう、そこには俺の身長を大きく超えるクマがいたのだ。
知らぬが仏。
俺はさっさと帰った。寝ている場所に光源はない。気づかれないはずだと思い安心して眠った。
◇
翌日、俺は目を覚ました。昨晩の綺麗な夜空と一転明るい太陽があった。
「おはよう!!」
ユガイさんに挨拶をされたので挨拶返しをした。
「オルビスは・・・?」
「オルビスは森で狩りをしているぞ!」
「・・・・手伝ってきます!」
「ふんふん!いい心がけだ!鍛錬は大事だからな!!」
昨晩に続き今朝もだと流石に申し訳なくなってくる。
ユガイによるとオルビスは昨晩俺がいた川の方面と逆に行ったらしい。では俺はその逆を回る。
一つ気になることがあった。昨日の熊だ。昨晩見た時はオルボスがいた方角にいた。オルビスは遭遇しても大丈夫だと思うが俺は違う。細心の注意を払って進む。
と、思っていると狼がいた。昼にいるのは珍しい気がした。
『スノウル』
遠くから気づかれずに狼の尻側から魔法を放った。
成功した。が、遠くから放ったせいで致命傷にはなっていないようだった。
狼が向かってくる。
『スノウズ』
『フレイム』
『スノウズ』
俺は魔法を三段に分けて放った。一つ目の『スノウズ』で地面を雪でコーティング、そしてその後『フレイム』で全部溶かして水へ、そして最後に『スノウズ』でみぞれのようにさせて滑りやすくする。そこに『スノウル』を撃ち込みまくるのだ。
案の定狼は引っかかった。
『スノウル』
俺は撃ち込みまくるつもりだったが一発でくたばった。
弱肉強食だ。日本でも行われている。例えばギャンブルだ。強い奴が勝って弱い奴が負ける。そういうものだ。俺はただそれを行ったにすぎない。
さてそこで俺は1つ疑問が思い浮かんだ。
“狼をどうやって運ぶか“だ。
狼は重いし、血が垂れている。殺した諜報人がいうのも悪いが持ちたくない。
本来は血抜きをするのかもしれないがどうやるかわからない。
だが待たなければ何も状況は変わらない。俺は渋々持った。
服は新しくこの旅に行く前にエルフィデスで買ったものだ。現世の服は馬車にある。だから汚れていのかというと言いはずがないが、ハードルは低い。
体に嫌な感じがする。血がまとわりついていく。怖さはないが不思議な感じだ。
俺は狼を持って馬車がある場所に戻った。
「どうしたんだ!?」
「狼を・・・」
「処理の方法を教えてやる」
ユガイは短刀を準備した。
「オルビスから借りてて良かった!ではこう!するんだ!」
狼の腹を切り裂いた。
すると内臓がドバドバ出てきた。
しかし俺は恐怖はなかった。前も言ったかもしれないがこの世界に来た時にそういう感情を無くしてくれたのかもしれない。だが、無闇には殺さない。必要な分だけだ。
「これをこうして・・・・できたぞ!!」
ユガイは血に濡れることなく終わらせていた。
「わかったか?」
「わかった気がします」
「だったら良かった・・・服を洗いに行ってこい!血がついてるからな!!」
ユガイは俺を川に行くよう示した。
「分かり・・・ました」
俺は川へ向かった。
ちなみにアバはまた大きくなったり小さくなったりしていた。
こんにちは。もし良かったら他のエピソードも読んでいたただけると幸いです。




