試験Ⅱ
35話
広い空間にやってきた。
「ここが臨時の試験会場だ!では何を使いたい!!」
「なに・・ですか?」
「例えば肉弾戦、剣や魔法!支援などいろいろある!」
「・・・剣で」
「剣か!わかった、ちょっと待ってろ!」
俺は剣を選んだのはやったことがあるからである。この世界のことではなく日本で、家で剣道もどきをしていたのだ。もちろん部活ではなく、護身用だ。でもまあ力任せに振っていただけだったので技術はない。
「手加減を・・・」
「なに言ってるんだ?やるからには本気だ。だが本気を出したらまずいからな。怪我をさせてしますかもしれんしな!ちょっと弱くしてやる!」
(これ・・・死んだな・・)
俺は悟った。
「では行くぞ!」
猛進してきた。名前は知らないがこの筋肉は強そうだ。
「ファーーーーーーーーー!」
筋肉は切ってきた。綺麗なフォームだ。ただ一つ、奇声を除いて。
それを俺はかろうじて見る。
魔法を撃ってそれを追い続けてきた成果なのかもしれない。いい副産物だ。
「これを捉えるとはな!Dランク冒険者でこれを捉えられたものはいなかっただろう!さすがだ!」
そいつはまた突っ込んでくる。スピードが速い。
当初、俺は普通に試験を受けて普通に受かった未来を目指していた。Cランクに上がるのは簡単だと思っていた。
今もそれを目指している。
だが今、普通にしようと手を抜いたら死ぬ未来が頭の中に常時流れ込んでしまう。俺は死にたくない。魔法は使わないが剣は精一杯使う、そのことを決めた。
俺は剣で受け止めながら試験ってなんなんだろな、と思っていた。
「試験って!なんですか!」
「そうか!行ってなかったか!!試験は!俺の攻撃を一定の時間避けること、そして俺と打ち合えるかだ!」
「ありがとうございます!!」
「ちなみに、あとは避けるだけだ。避けろ!!」
俺は命を賭して避けた。これは自分の本気だ。
その筋肉はそのまま続けるのではなく一度試験を中断した。
「素晴らしい!!お前!剣は使ったことあるのか!?」
「・・・実戦では使ったことはありません・・竹刀では少しありますけど・・」
「素晴らしい!お前、弟子にならないか?!」
「・・・・・え?」
「オルビスには言っておく!お前には剣術の才能がある!ここで潰すわけにはいかない。俺は本気じゃなかったとはいえ、最初は受けるのに精一杯だったが、今はもう普通に受けている!すごいことだ!」
「オルビスに聞いてみないと・・・分かり・・」
「そうだよな!オルビスとパーティーを組んでいるんだもんな!ちょっとついてこい!オルビスと話すぞ!」
「あの!試験はどうなって・・?」
「合格だ」
「・・・よかった・・・」
「後で受付で手続きをしてくれ!DからCに上がれるはずだ」
「ありがとうございます!」
「ああ!では行くぞ!」
◇
オルビスの元へ向かった。何やら話混んでいるようだった。
「戒様!終わりましたか?どうでしたか?」
「あの・・・」
「オルビス!俺はこいつの師匠となる!」
「・・・・はい?」
「要は、俺とパーティーを組むことになった!」
「何を言っているのかわからないですが・・?」
「この戒という男を俺はもらうぞ!!」
「・・・・無理です」
「なぜだ?」
「戒様は私の・・・です!渡すわけには行きません!」
「だがもう決まったことだ!」
「教える必要があるんだったら私が!オルビスが教えます!」
「俺しか教えられないことがあるだろ!例えば体術だ!」
「私はお前よりも剣が上手いです!」
「ハッハーオモシロイ展開に!!」
ハイなやつが興奮していた。ドM、ドSならぬ、ド・傍観者、略してドボーなのかもしれない。
「なあ、戒!お前も俺の弟子になりたいだろ!」
「・・・・・・?」
「ほら!戒様も嫌がっているじゃないですか!」
「なあ!俺だろ!」
「私ですよね!」
「「どっちですか!!」」
「・・・もう3人でパーティーを作っちゃえば・・」
「こいつとですか!?」
「あいつとか!?」
「・・・そうです」
(なんでこの世界を楽しむためにここにきたのに・・久しぶりに起きたやってみよう・・だったのに・・なんでこんな面倒くさくなったん・・だ)
「まあ、それでいいです」
「俺も教えれればそれでいい」
「では、これで・・僕は行きますね・・」
「ランクアップの申請が終わったらギルドの前で待っていてください!戒様!もうすぐ終わるので」
「・・・わかりました」
そうして俺は当初の算段とは違うめんどくさいポイント1アップという所業を食らいこの場を去った。
うお!と思っていただけたら嬉しいです。




