魔法バレ
32話
俺はただ襲われている人がいないことを願うしかなかった。
しかし、期待に反しすぐに悲鳴が聞こえてきた。
「行くぞ」
「はい・・・・!」
少し走ったらすぐに現場はあった。
「助けてあげろ、じゃないと死ぬぞ」
「・・・咲夢さんは・・?」
「いや、今はお前がやる時だ。早くしないと殺されるぞ」
「・・・・・っ!」
俺は迷った。ここで魔法を撃ってしまえば今後言い逃れができなくなってしまう。だが今目の前で助けを求めている人がいる。
『スノウズ』
『スノウル』
俺は撃った。人を救うことは何よりも大事だ。・・・俺と同い境遇な人を増やしてはいけない。俺はただそう思ったのだ。
救われた人はどうやって助けられたのか混乱していたが、空に一礼をして去っていった。神の仕業と思ったのだろう。それは俺にとって都合のいいことだ。今後も神の仕業を使おうと思う。
「決まったな、お前はなんなんだ?」
「・・・・・・・・え?」
「え?じゃない。その魔法はなんだと聞いているんだ」
「皆さんも使っているはずです。こんな魔法なんて・・」
「一度女王に聞いたんだ。お前のスキルを、白銀がよく喋るからな。だが・・はぐらかされた。さらにだ、お前は知っているか?スキルを持っている人間は『スノウ』『レサーチ』以外のスキルだと絶対に剣術系のスキルにしかならない。そう決まっているんだ。だがお前は使った。明らかに剣術系ではない魔法を」
「・・・・そうですか・・?」
オルビス、そして目の前にいる咲夢さんしかこれまでスキルを使っている人を見ていない。まああの魔族はわからないが・・。確かに皆、剣術系のスキルを使っていた。斬撃を飛ばす魔法、そして今見た剣を大きくする魔法だ。
「なんなんだ!!」
「・・・・・・・・俺は・・あるスキルを持っています」
「あるスキル・・・?」
「うわああああああああああ!!」
遠くから悲鳴が聞こえた。
『ソウビグ』
その瞬間、剣は襲っている人の首を切っていた。
「さて、なんのスキルだ?」
「殺したん・・ですか?」
「え?さっきの男のことか?そうだ、殺した。しょうがない。悪人だったんだ」
「・・・っ!!」
俺は意味がわからなかった。だが、この世界では普通なのかもしれない。俺が間違っているのかもしれない。だが俺は現実を直視できなかった。
俺はなんとか吐き気と動悸を隠し、話した。
「俺は・・・成長を早めるスキルを持っています・・」
「成長を早めるスキル・・・か」
「そう・・・です」
「教えてくれて感謝する」
「あの・・これも広めてほしくないんですが・・」
「分かっている。気になった事を解決できた。それだけで俺はお前に感謝する。では残っている人を・・・助けるか。・・・・・って、いないな」
周りにはもう助けを求めている人の声も聞こえなかった。
「では・・・・さようなら・・」
「いや、ついて行く。気になったからな、まだ遠くからは悲鳴が聞こえるしな」
「・・・・はい。もういいです」
俺は一気に急加速して逃げようと思ったが相手は勇者、無理だった。
俺達はそのまま助けにまわった。まあ、ほとんど俺がやったのだが・・。
「戒様〜〜!!」
「花梨ちゃん〜〜〜〜♡」
遠くから声が聞こえた。
「どうやら時間は早いものだな・・ではまた会おう」
「さようなら」
俺はきちんとお別れの挨拶をしてオルビスのところへ向かった。
次は33話です。




