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最後の転移者  作者: 犬座いい
親勇の道のり
33/33

アバ救出作戦

33話

「戒様!怪我はないですか?」


「大丈夫です」


「そうですか!よかったです!」


「・・・・花梨ちゃ〜ん!怪我はない???」


遠くから声が聞こえる。咲夢さんの方も無事仲間と合流したのだろう。


「戒様、ある程度助けましたが・・・アバが見当たりません!」


「アバ・・が」


「どうしましょう・・・」


「それは・・・助けないといけないな・・」


「そうですよね!いきましょう!と言いたいところですが・・どこにいるか・・」


「僕にいい案があります」


「案?」


「まだ近くに敵はいるはずです。それを利用します。まず、敵に魔法を撃って僕たちが攻撃する。使う魔法は相手を殺す、戦闘不能にしない魔法です。それを最大限多く撃つ。そして相手を撤退させて場所を見つければ・・・大丈夫だと思います」


「・・・やりましょう。それしかもう残ってませんですし・・」


俺たちは敵を探した。ほとんどが斬り殺されて、殴り殺されている。


だが進んでいくと路地裏に敵はいた。


「誰もいないな・・・お前を殺す。覚悟はいいな」


「ヒィィィィ」


『スノウズ』


どこから魔法が飛んできたのか混乱していた。


「くそっ!スキル持ちがきたか!!」


敵は逃げていった。


作戦は成功だ。俺たちはその後をつければいい。


「オルビス、行きますよ」


「了解です!戒様!」


          ◇


ついていきかなりの時間がたった。敵は途中で仲間と合流して進んでいった。今はエルフィデス内だとは思われる森林にいる。高い木が並び光が見えない。


進んでいくと一件の小さな家があった。


その周辺で敵の仲間らしき人たちがその家を護衛しており、敵もその中に入っていった。


だが、そこまでその家に入るとは思わない。

人2人がやっと寝れるか寝れないかのスペースだ。


「・・・・なあ、見たか?あの白い狐」


「・・・おれぁ見たぜ、ありゃ・・・綺麗だったなぁ。っていうかおめぇが見せてくれたんじゃねぇか」


「そうだったけなぁ〜?毛皮を剥ぎ取りてぇがニッソ様が売り飛ばすっていってたからな」


どうやら話を聞くところによるとアバがここにいるのは確からしい。


「オルビス、先陣をお願いします。敵にバレずに・・・お願いします」


「わかりました」


『ハウト』


『ハウト』


オルビスは魔法を展開した。


敵は気付かぬ間に死んでいた。


「殺し・・・・・ですか・・」


「しょうがないんです・・これは命をかけた戦いなのですから・・」


「そうですか・・・そうですよね!すいません、失礼なことを聞いて・・」


「では行きましょうか」


俺たちはその家(小屋?)に入った。


          ◇


そこはもちろんただの家ではなかった。

下につながる階段があり、そこがないと思ってしまうほど深そうだった。


「・・・そうですよね、行きましょう、オルビス」


「・・はい」


俺たちは進んだ。階段が少し言ったところで途切れ、スロープ状になっていた。通路の左右には魔族のような、角が生えている生き物の彫刻が彫られており、不気味だった。


「・・・・・・おめぇ・・逃げてきたのか?」


遠くから声が聞こえた。俺たちは一層警戒しつつ声が聞こえる部屋の方まで歩いていった。


「だったら・・殺さなきゃなぁ」


「やめてくだせぇぇニッソ様ァァァァァ」


『ガリス』


「うわあああぁぁああがああ」


「死にましたね」


「死にました」


「アバ、どこにいるんでしょうね」


「戒様、あれを・・」


そこにはアバがいた。


「オルビス、僕がいってきます」


「1人で・・ですか・・」


「僕、昔から空気に溶け込むことができるので・・もしバレたら援護お願いします」


「オッケーです」


「では行ってきます」


俺はこっそり進んだ。


部屋の構造、アバの居場所は確認した。

あとは俺次第だ。


当然失敗するかと思われたこの作戦は見事に成功した。

ニッソは依然ガッハッハと笑っている。肺活量が高いのかもしれない。もし日本に生まれてたら声優とか大声を出す仕事とかに向いていただろう。


「オルビス、っっっ成功です」


「よかったです、これでやっともふもふが!!!・・・・あ」


「おい!そこにいるんは誰だぁ!!」


静まり返った。


「出てこないってことは敵ってことかぁね」


衝撃音が聞こえ、俺たちは咄嗟に頭を下げた。


上を向いた時、衝撃音の正体はすぐに分かった。剣だ。ニッソは剣を投げたのだ。


「いたいたぁぁ」


「オルビス!お願いします」


『ハウト』


「なぜ、なぜだ?!スキルを・・お前、冒険者ランクは・・・?」


「Aランクです」


「そうか!そうだよなぁ!・・オルビス・・か・・なぜお前がここにぃぃいる!!」


一瞬、ニッソの目に焦りが映った。


「戒様、よろしくお願いします」


「・・・え?」


「私はここからでる時の魔力を温存しなきゃいけません・・・お願いします!」


「・・・・・分かりました」


俺は渋々了諾した。やりたくはなかったが今の最善はこれだと判断した。めんどくさくならないための最善なのだ。


『スノウル』


相手もスキルを使う。やられなきゃやられる。俺は最大限のスキルを展開した。


「っく・・お前もスキル持ちかよぉぉ!俺ぁついてねーな」


ニッソはそういいながらも剣で雪を切っていた。俺の『スノウル』は『スノウズ』に早さを加えたものだ。切れるはずがない。だが切れている。


『スノウズ』


『スノウル』


俺はエルフィデスの街中でやった作戦を実行した。


だが効果はなかった。


「あぁあぁ!!そんなもんかぁ?!」


『スノウズ』


俺は床に魔法を撃った積もっていく。


『フレーム』


ここは洞窟内だ。火は通常酸素を使う。だが一か八かかけてみた。手の上にある魔力の導線が繋がっている場合、火は酸素ではなく魔力によって燃えるということに。


雪の表面を一回溶かしてまた雪を降らせる。それを爆速で繰り返す。これまで何度も魔法を撃ったせいか、魔法を展開するときにかかる時間はそれほど掛からなくなっていた。


「オルビス・・・!聞こえますか。合図をしたら全力で外に出てください!!」


「分かりました!」


『ブレーズ』


「やった!成功した!オルビス!今です!」


俺も全力で走った。ここから出ないと酸素不足で死ぬからだ。


俺たちの後ろで青白く燃えている炎がニッソの体を覆っていた。


「アッツ!なんなんだ!この色は!!」


体にもろに着炎した青白い炎に対して疑問を投げかけ、のたうち回っていた。


その炎の色も赤に変わっていった。


『スノ・・』


「ダメです。戒様、あいつを助けたらまた同じようなことが起こります!」


「そう・・ですか」


俺は炎を消そうと思ったがオルビスに止められた。オルビスが言っていることは正しい。だが、初めて人を殺したのだ。ただただ虚しかった。


          ◇


洞窟から階段を登り外に出た。


その瞬間洞窟は崩れた。気圧差かは知らないがニッソも無事では済まないだろう。


「これで・・・よかったんです。これで・・」


俺たちはアバを救い、エルフィデスに戻った。

遅れました

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