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最後の転移者  作者: 犬座いい
思旅の冒険者
28/33

再開

28話

そうして俺たちは村長の家に着いた。


「冒険者殿・・・名前はなんですか?」


「・・・広井戒ですが・・・」


「広井殿・・申し訳なかった・・」


「・・・・・・・え?」


「お仲間を傷つけてしまって・・」


「知ってたんですか・・・・?」


「知っておった・・・あの霧の正体・・・・知ったのでしょう?あの山の秘密を・・・」


「・・・・はい」


「少し昔話をしましょうか・・・これは儂の祖父から聞いた話です・・あれは80年前・・・・・この村に勇者様が来たんです。まあ今になっては誰も覚えていないですが・・その時も今と同じような状況だったらしいです」


「同じような・・・・」


「はい。霧が濃く、いつまで経っても消えなかったといっていました。しかしただ一つ違うことがありました。山の頂上に大きな狐がいたんです。その目は赤く充血し、この世の生物とは到底思えなかったと聞いています」


(前に見た・・・狼と同じ感じかもな・・)


「勇者様はその狐を封印しました。なぜ倒さなかったのか、私にはわかりません。しかしあの山のどこかに封印された狐がいることは確かです。その狐が封印されたその瞬間に霧は消えたらしいです」


「・・・・そうですか・・ではなぜ・・住民に知らせなかったんですか・・・・?」


「・・・住民の皆さんに怖い思いをしてほしくなかった。というのが本音でしょうか・・私はただわかった気持ちになっていただけだったんですかね・・あの時は勇者様がいました。しかし今はいない。数日後エルフィデスの女王が重大な発表をすると言っていましたが・・・でも今は勇者がいないことは確かです」


「そうですか・・・」


「ともかく申し訳なかった。私の責任です」


「・・・ありがとうございます。だけど大丈夫です。オルビスさんは生きていますから・・謝るのでしたらオルビスさんに謝ってください。それと住民の方に。僕には全く関係はないのですから」


「そうですか・・・あなたは優しいですね・・」


「・・ただ、八方美人なだけですよ・・・・・では・・・行きますね」


「はい・・申し訳ございませんでした・・」


俺は家に帰った。


この間でかなり状況が変わったらしい。


「広井さん・・オルビスさんが・・引き篭もりました・・」


「・・・・・・・はい?」


「オルビスさんは目を覚ましました。だけどそのあとすぐ・・部屋に鍵をかけました」


「今も・・・ですか?」


「はい。オルビスさんは寝ている時、寝言を言ってました・・パパ・・ママと・・」


「・・・・ありがとうございました・・あとは僕が引き継ぎます」


「・・・・・お願いね・・・」


オルビスは辛い状況だ。誰とも会いたくないのだろう。俺はわかってしまうからこそオルビスを救いたい。


思い立ったが吉日。即行動だ。


俺は2階に急いぎオルビスに話しかけた。


「・・・・・今から独り言を・・話します。僕は両親を・・・なくしました。あの事件があった時から・・・・・・・僕は普通に楽しく過ごしてました。それはもう幸せで、毎日が楽しかったです。・・・・・けどあの事件は起きました。僕はその時学校に通ってました。犯人不明、死因不明で僕の両親の人生は幕を閉じました。今思い出しても・・・吐き気が出ます・・・。でも僕には頼れる人がいた。叔母、叔父、祖父、祖母・・そして坂本優斗・・が。・・・オルビスさん、頼ってください・・!僕、広井戒の事を・・・・・・・・明日・・僕は村を出ます。その時までに答えを決めてください・・」


部屋から音がした。泣き声だか、俺に何か喋りかけているのかはわからない。伝わったかもわからない。それでもいい。あとはオルビス自身の仕事だ。


俺は階下に行きマセルさんに伝えた。俺がなすべきことはした。少々辛い事を言ったかもしれない。だけど、人の本音に踏み込むには本音で話さないと伝わらない。ただそれだけのことだ。


          ◇


翌日、俺はオルビスがいる部屋の前まできた。


「オルビスさん・・答えは決まりましたか・・・?」


「・・・・はい」


部屋から声がした。


「・・行きます。私は・・・行きます」


ドアが開いた。


そこには寝ずに考え続けて泣き続けたようなオルビスが立っていた。髪はぐちゃぐちゃだった。しかしその目は前よりももっと前を見据えた、現実と向き合う事を選んだ決意の眼差しをしていた。


「行きますか・・」


「・・・・・はい・・!」


そうして俺たちは再開した。

かなり遅れました。

別の作品も並行しているのでよければ読んでくださると嬉しいです。


早めに投稿しました



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