調査開始
23話
オルビスが起きる前までに家に帰らないといけない。オルビスに変な気を使わせたくないのだ。
「まじか…」
俺は家に戻った。だがそこではすでにマセルさんが朝食の準備をしていた。
「お疲れ様です…どうしよ…」
もしバレてしまったら結局オルビスにバレてしまうことにつながるかもしれない。
(バレずに布団の中に戻る方法…か…)
一旦、家を一周してみた。
裏口はなかった。
空いている窓もなかった…。
これはレースだ。
オルビスがノンレムかレム睡眠かはわからないが眠りから覚める時間の方が長いか、俺が何か方法を見つけて布団に入るのが早いか。
ただ、俺は家に入る方法を見つけていないという点で大きくオルビスに遅れをとっていた。
「どうにかして……あ!」
ふと思い出した。オルビスが寝ている部屋の窓を開けっぱなしにしていたことに。
だが、そう簡単に捉えられるものではない。俺は兎じゃないのだ。ノミでもない。2階までジャンプできたら世界記録更新だ。
「いや…魔法…」
俺が今持っている魔法は『スノウ』『フレーム』とその亜種たち。
「いや…いけるかもな…」
俺の作戦はこうだ。
俺の魔法、『スノウズ』を連発し、雪を貯める。そしてそれを2階ほどの高さまで積もらせ、、その後部屋の中に入る。そして雪の足場は『フレーム』で溶かす。証拠隠滅までも組み込んだ最高のプランの完成だ。
だがそこには単純でこのプランの根幹を揺るがす問題がある。
雪をそこまで積もらせることができるのか
この問題である。
『スノウズ』
俺は展開した。
それは飛ばすことに特化させなければ30秒ほど続き、3センチほどの雪が貯まった。
時間的に考えておそらく1時間が限界だろうか。
「ステータスオープン」
ステータスを開いた。レベルは29ほどまで上がっているが、肝心なのは残りの魔力量だ。総合は780。個人は……100。まじか……。
『スノウズ』を10回しか撃てない。30センチしか…ない。
この計画は消えた。練習さえ…魔法の練習さえしていなければ…。
もう思い切って玄関から進んでみることにした。正面突破だ。
玄関から入り、まずダイニングがある。その横にキッチンがあり、後ろに階段がある。
変にコソコソしていては怪しまれるかもしれない。
堂々と歩くんだ。
「……」
(え…いけるかも)
俺の完璧な作戦によって無事俺はミッションを達成した。
2階に上がり俺が本来“寝ている”場所にたどり着いた。
(オルビスは寝ているみたいだ)
布団をこっそりめくりその中に体を忍ばせた。
◇
目を覚ました。
「広井様…朝です」
オルビスがドア近くに立っていた。
(寝ちゃったか…まあ…あんなに夜まで起きてたんだから当たり前か)
眠気はなかった。これがレム睡眠の力なのかもしれない。「眠気を奪いま〜す」的な感じでレム睡眠を売り出したら即完売間違いなしだ。まあ…レム睡眠に実体はないのだが…。
階下に行くとマセルさんが朝食を作り終わっていた。
「おはようございます♪」
朝食には目玉焼き丼があった。
「……最高じゃん」
ぼそっと声に出してしまった。
幸い周りに聞こえておらず、
耐えたぜ
その言葉が1番似合う男に一瞬だけなった。
見た目から分かってはいたが、普通に味は美味しかった。黄身が綺麗に半熟で最高だった。
「皆さん!いつぐらいまで滞在するんですか?」
「霧がなぜ生まれたのか…確かめます」
「ありがとうございます♪」
マセルさんは安心したような気に変わり、前にしたギルドの行程のようなものを始めた。身分確認だろう。
「オルビスさん、広井さん!よろしくお願いします」
では開口1番に「行ってきます!」と言いたい所だが、1つ気になってしまったことがあった。昨日、マセルさんが話していた“村長”のことである。
まあ…知らぬが仏だ。少し早く除夜の鐘を聞いたことにする。無常感が大事なのだ。
調査対象の山は昨晩から今朝にかけて行った魔法練習の時に見えた通り、かなり近そうだった。歩いて20分だろうか…って遠いか…
俺たちは森に行った。霧が視界を狭めたが、オルビスは魔法で霧を構成する水滴を飛ばそうとしていた。
だが、霧は一瞬消えたもののすぐに戻った。
オルビスは無駄だと感じたのか魔法を放つのをやめた。
「広井様…霧の発生源を見つけましょう」
俺たちは山を進んだ。
初日は山の周りを見るだけだった。
霧の発生源だ!と思ったらただの木だったりを繰り返し、調査初日は終わった。
今日はAM7時40分に投稿しました。
誤字があったら教えてください。
明日は投稿できるかわかりません(五分五分かも)
最後の修行を変更しました。




