帰還の途
14話
気がついた
夕暮れの中、木々が揺れていた
「っは…魔族…」
ヴェリトはいなかった。
その代わり目の前に大きな空間があり、木々が薙ぎ倒されてできているようだった。
「え…そうだっオルビスさんはっ」
オルビスはそこに眠っていた。傷はある。
だが致命傷まではいかないと思うのでおそらく気絶だろう。
といっても、早く誰かに見せた方がいいに決まっている。
俺は残りの力を全て使い果たす覚悟でオルビスを村に運んだ。
そこからはどんちゃん騒ぎだった。
診療所に早急に運ばれて治療が行われた。
俺の方はというと村にオルビスを届けた時、気絶した。頭で何も考えれなくなり立っている事すらどうでもよくなった。
これがよくアニメである魔力が枯渇した状態なのかもしれない。略して魔枯である。
◆
オルビスはその日の夜に目覚めた。
俺が枕元にいる中オルビスは話した。
「ありがとうございます…」
「魔族の時、どうしてあれほど気を乱していたんですか…」
「……」
「…………私の親は…両親は魔族に殺されました」
「……」
俺は何も答えられなかった。
オルビスはその後何も答えなかった。答えたくなかったのだろう。
そうして俺は部屋を後にした。
俺はまだベッドで寝ているオルビスを除いて夕食をした。ゴロン村の受付嬢であるラリーという人に留めてもらった。そこにはゴロン村に駐在している医者、ドットもいた。その人たち全員で夕食をした。
美味かった。
なんかラリーとドットがいい感じになっていたのは見なかったことにする。
◆
オルビスはその後、いつも通りのように活動できるほど復活し、夕方ゴロン村役場に入っている冒険者ギルドに依頼の完了、ヒールリーフとスライムの魔石を届けた。
その後すぐに出ていた馬車に乗り込んだ。
「オルビスさん…」
「1つお願いしてもいいですか」
「オルビスさんが魔族を撃退した時のことはなるべく…絶対に他の人に言わないでください」
「あと…オルビスさんは足が滑って崖から落ちたという感じにしてください」
結局のところオルビスは魔族を撃退していない。俺が撃退したのだろう。
だが俺が撃退した、とオルビスに知られてしまうとめんどくさいことが起きることがあるかもしれない。
オルビスだったら「言わないでください」といえば解決すると思うだろう。しかしオルビスがうっかり口を滑らせることがないと言いきれない。
オルビスの性格からして言わないとは思うが…
都合のいいことにオルビスは俺が戦っている間気絶をしていた。
だからこそオルビスが倒したと平然という感じに話すことによってオルビスにそう思わせるのだ。
「はい…」
オルビスは少し怪訝な顔を浮かべながら俺のお願いを了承した。
すっかり夜が暮れた中、そうして俺たちはまた道に浮かぶ蛍のような馬車の中で寝て、エルフィデスに戻った。
久しぶりです。この話を境に結構話を進めたいと思います。といってもまだまだあるんですけどね…
次の話は結構時間が開くと思います。
誤字あれば知らせてください
今日は12時です。




