魔族
12話
その時、体に嫌な風が吹きつけた。オルビスはそれを全く感じていないのかにズカズカと村への帰路を進む。
「いたいた!」
俺たちは声が聞こえる方向へと体を向けた。
すると俺たちがスライムを倒した方向から誰かが歩いてくるのが見えた。
「やっと人間がいた!最近少なかったんだ…」
森の奥から現れたのは角を生やした人間のような生き物だった。
「広井様…逃げて…ください。魔族です」
「村の方向に全力で逃げてください…」
突然突拍子のないことを言われ混乱でその場から動けなかった。
「逃さないよ、人間」
『シールド』
オルビスが咄嗟に言っていたことから俺たちの前にいる生物は魔族らしい。そいつは魔法を使った。すると俺たちと魔族を囲った大きい結界のようなものが現れた。
俺は試しに結界に触ってみた。しかしそこに壁があるかのようにそこから出れなかった。
俺はオルビスが俺と初めて会った時に言っていた、魔族と人間は戦っているという話を思い出した。ということは俺たちの目の前にいる魔族は敵ということだ。
要は、終わったということだ。閉じ込められている。そして相手はAランクというなんか強そうなレベルであるオルビスがこんな焦っている相手なのだ。もう一度言う。終わったということだ。
「広井様…わたしのそばから絶対に離れないでください。この魔族の集中を逸らしてシールドを解除します」
『ハウト』
オルビスはさっきのスライムに使ったスキルをもう一度使った。
しかし魔族もそうそうやられていなかった。
『フェアデンス』
オルビスが放った斬撃は魔族の体に届いた。しかし傷1つついていなかった。
魔族が放ったスキル『シールド』、『フェアデンス』は、俺の『スノウ』と同じ、任意発動型だろう。前に確認した個人ステータスに書かれていた魔力は任意発動型である『スノウ』でしか減らなかった。常時発動している『ブースト』(『隠蔽』は任意発動型だが、前に確認した時魔力を消費しない魔法だった)は体内にある魔力を使わないのだろう。ということはこの魔族は常に魔力を使っている状態だろう。
だったら長引くようにすれば勝ち筋があるということだ。
「オルビスさん、長引かすことができれば勝てるかもしれません」
しかしオルビスの耳に俺の言葉は届いていない。
オルビスは目がきまっていた。何故かはわからないがその目にはさっきとは違い、殺意が湧き、魔族以外何も見えていないオルビスがいた。
オルビスは今度はスキルを使わずに突っ込んでいった。
オルビスはさっき使ったスキルの斬撃以上のスピードだった。しかし魔族には何も効いていない。
「人間、お前たちがどんなに強くても私、ヴェリトには勝てない。お前の剣では俺のスキルを破れない」
『シールド』 『ラウンド』
ヴェリトと名乗る魔族が展開し、俺たちが囚われている原因である『シールド』をもう一度展開した。しかしそれは最初の『シールド』とは違う片手に収まるほどの小さい球体ができた。その球体の素材は俺たちが囚われている壁のようなものと同じかんじだった。『ラウンド』が関係しているのだろうか。と考えると、『ラウンド』は他のスキルを物理的に丸くするスキルだろうか。
しかし俺は疑問が芽生えた。俺の『スノウ』のように概念でスキルを進化させたらいいのではないか、と。
「なかなか強いな、だが動きが直線的だ」
そう言ってヴェリトはその球体をオルビスにぶつけた。オルビスは飛ばされた。
しかしオルビスはまだ突っ込んでは倒されるを繰り返していた。
「やめてよ、人間。もういいや」
そう言ってヴェリトは『シールド』『ラウンド』で球体を展開した。しかしそれは前回とは違いとても小さくなっていた。その球体がオルビスの腹を突き破り血が舞った。怪我で動けなくなり倒れてしまったオルビスにヴェリトは向かっていった。
世知辛い社会ですが一緒に頑張りましょう。
誤字がありましたら、御指摘お願い致します。
無報告で投稿しない日があるかもしれません




