依頼
11話
「薬草採取は…ここら辺でいいです…」
俺たちはゴロン村から少し歩いた森に着いた。ゴロン村からはそれほど離れていないが冒険者でなければできないと言えるほど、道は荒れていなかった。
(まあある程度には荒れていたが…)
オルビスによると依頼というものは依頼者が能力的、精神的に不可能な事だという。確かに、冒険者ギルドに行く道で若者は少なく多くが高齢者といった歳をとっているように見えた人が多くいた。だから俺たちに依頼を出したのだろう。
「ここにありました。薬草採取…今回はヒールリーフですね…」
「もう見つけました。これです…」
そういってオルビスの真下にある草を摘んだ。
「これはですね、葉が特徴です。ヒールリーフはハート型の葉です。比較的見つけやすいです…今回の依頼内容はギルドカードに書いてある、ヒールリーフ100枚です…頑張りましょう」
俺たちは順調に葉を集めていった。
程なくして無事俺たちはヒールリーフを集め終わった。
「では広井様、スライム退治に向かいましょうか」
俺たちは森の奥に進んだ。
オルビスはスライムを探しているようで周りをキョロキョロしていた。
すると突然、
肌が震えるような不吉な風が通った。
そんな俺を気にする様子もなくオルビスはズカズカと歩いていった。
するとオルビスが急に立ち止まった。
「広井様…スライムがいました」
そこには半透明な丸い生き物のようなもの2体いた。異世界アニメで知っている。これがスライムだ。実際に見てみるとその半透明な液体は筋肉なのかというよくわからない疑問をもった。
「依頼には1体と書いているのですが……まあいいです。では1体は私が倒しますのでよく見ていてください…」
『ハウト』
オルビスは3秒ほど経った後、腰に刺さっていた剣を抜き、振るった。
すると、剣から斬撃が出て、スライムを仕留めた。
綺麗に2等分されたスライムは中から半透明の液体を垂れこぼして死んだ。おそらくスライムは転移前の日本の生活でいう水風船みたいな構造だったのだろう。スライムから半透明の液体だけではなく小さい固形のようなものが出てきた。それはだんだんと色づき始め、白くなっていった。
「広井様!これがスライムの倒し方です。そこに落ちている固形は魔石といって依頼達成の証拠になるので拾い忘れないでください…」
そうして俺の番が来た。
「広井様は…『スノウ』をお持ちになっているんですね…『スノウ』…」
「では広井様、私の剣をお使いください…」
あまり外面に表情を見せないオルビスが珍しく表した反応から見るに『スノウ』は戦闘に向かないスキルらしい。神が言っていた通りエルフィデスの国民が全員持っているスキルだったら戦闘系ではなく生活系のスキルと考えるのが妥当だ。だから俺は期待されていない、そして哀れみを相手に感じさせている。それは女王が俺が転移した時に言った言葉から、オルビスの今の態度から分かる。
しかし俺はそんなことどうでもよく、悪く名前が広まり目立つのだけは避けたい。
だが、俺は今は大丈夫だと言い切れるほど安定した異世界生活をしている。
だからこそ俺はオルビスの態度に対しては怒りは感じていなかった。
オルビスは俺に対して剣を渡した。
「では…1度剣を振ってみてください」
「っふ」
俺は少し意気込んで振ってみた。
「初心者にしては…上手いです…」
「ではそのままスライムを切ってみましょう…」
「中途半端に切るとスライム逃げ足が早いのですぐ逃げられるので気をつけてください」
これが体術400の実力なのだろうか。
そう思いつつ俺はスライムを切った。スライムを殺す抵抗というものはあまりなかった。そもそも生き物なのかもわからず、そこまで動いてなかった、そして転移前の日本で水風船にはよく触れていて、よく割っていたからだ。しかしそれでも精神抵抗が全くなかった。ここの世界に来る時に耐性がつけられたのだろうか?
「では…魔石を拾ってゴロン村に帰りますか」
オルビスの言葉を聞き、スライムの魔石、ヒールリーフが入った袋を持って歩き出した。
時々、投稿が毎日ではなくなるかもしれないですが安心してください。
誤字あったら教えてください




