三十三、グラン対デスバッド
甘くてトロッとしてて、こんなに美味えのに変な奴らだな・・。
確かに下にいる奴は蝙蝠のクソ塗れだから汚ねぇけど、壁の奴ならそんなに汚れてねぇし食べられるーーーーおえっ、今の奴はちょっと苦かったな。次からは止めとこう。
っと、分かれ道だ。蝙蝠がいる道だったな・・、にしても、カナタとニケ以外の奴と一緒に居ると面倒だな。
今の竜の力だけじゃ半分の半分くれぇしか力出ねぇし、強ぇのと戦う時困るんだよなぁ。デスバッドとか言うのは、確かBランクの中でも強い魔物なんだよな?
オッさんが仲間と一緒でも倒せねぇってことは、Aランクの冒険者ぐらい強いのか?
ネオ・・じゃなくてポルトスぐらい強いと血鬼血相無しじゃ多分勝てねぇけど・・今は一人だし本気でやってもいいから余裕だな。
にしても、吸血蝙蝠か・・さっきからウゼェなっ!弱えからほっといてもいいんだけど、こんなに群がってこられると前が見えねぇ。
・・・丁度いい練習台だな。
「竜之吐息!!」
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「いやぁ・・グランが居てよかったぜ。俺にはこんな洞窟に入る勇気は無い」
「ボクも本当に嫌だったのにゃ。グランには感謝しないといけないのにゃ」
「そういやガルーさんの話によると、あの大量に居る吸血蝙蝠の大きさで、奥に居るデスバッドの強さが分かるんだよな?あれってそんなに大きいのか?」
グランが入って行った洞窟にぶら下がる蝙蝠の大きさは、脚も含めた長さが三十〜四十センチほど。
ガルーは岩に寄りかかり腕を組んで以前の経験を思い出すように語る。
「俺がBランクになったばかりの頃、師匠やメイナ達と一度だけデスバッドの巣に入った事がある。そん時に居やがった吸血蝙蝠はあいつらの半分くれぇの大きさだったな」
「半分?ってことは、今回の奴はそん時に倒したデスバッドの倍くらい強いってことなのか?」
「まぁ大体そんな感じだろうな。当時の俺達は師匠の手を借りずに何とかデスバッドを倒したんだが、それを考えると依頼の難度はB−ってとこだったんだろうぜ」
「ちょっ、B−の倍強いって、それ今回の依頼難度、B+どころじゃないんじゃねぇのか!?」
「大丈夫だにゃ。B−の倍強くてもせいぜいBかB+くらいの強さしかないのにゃ。Aランク冒険者はBランク冒険者四人よりも強いのと同じ理屈で、ランクが高くなるほど力の差は大きくなるのにゃ。
吸血蝙蝠もよっぽどのことがないと上位の生物に襲い掛かったりしないし、グランが負けることは無いのにゃ」
現在グランと吸血蝙蝠達が絶賛戦闘中であることは、誰も知らない。
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「ーー竜乃吐息!!ーーーーはぁ・・はぁ、はぁ。やっぱり・・連発は・・はぁ、疲れるな・・」
グランの口から放たれるエネルギー波は、前方から迫る吸血蝙蝠の悉くを消し去り、影すら残さない。
だが、夥しい数の蝙蝠達が尽きることは無く、進む度に新たな吸血蝙蝠達が現れ、グランに襲い掛かり続ける。
そして放った竜之吐息の数が十を超えた時、グランは息を切らして移動速度を落とし、遂に歩き始めてしまった。
「ちょ・・調子に乗って使い過ぎた・・はぁ、はぁ。
ま・・まだまだ威力も弱いし・・・、一発一発、タメに時間がかかり過ぎだ。
はぁ・・もっと早く撃てるようにしねぇといけねぇし・・威力の割に・・はぁ、無駄なマナの消費が多過ぎる」
自身の技を分析しつつ上がった息を整えるグランへ、また新たな吸血蝙蝠達が迫る。
人目を気にせずに済む今だからこそ技の練習に励んではいるが、そもそもグランにとって吸血蝙蝠など取るに足らぬ相手。大技を使う必要が無いどころか、全てを無視して歩こうと、グランが吸血蝙蝠によって殺されることは無いのだから。
竜化による鱗や、それが無くとも体にマナを纏う闘気を使えば、この程度の相手に傷付けられる事は無く、仮にそれらを使わず吸血牙を突き立てられようと、グランは立ち所に傷を再生してしまう。
何より吸血鬼に備わる種族スキルの一つに“血液操作”というものがあり、これは“自身の血”を手足のように操作する力なのだが、この力は修練を積めば体内にある血液すらも操作が可能となる。
血鬼血相で分かる通り、グランは己の内に流れるマナ及び血液を操作することが可能であった。
これを成せる吸血鬼から吸血蝙蝠が血を吸うことなど一滴足りとも出来はせず、これらの理由により、グランはどれだけの数の吸血蝙蝠に襲われようと決して命を落とすことはない。
もっともそれは、グランのマナが残っているという条件下での話なのだがーーー。
「練習はこの辺にしとかないとヤバいな・・、ちょっと補給しとくか」
グランは口を開けて普段は吸血に使っている牙を竜化によって太くすると、その先から血を滴らせる。
元々そういう構造なのか竜化の影響によって巨大化しているお陰か、まるで水道を捻ったような速度で吐き出される血は、あっという間に必要量が捻出され、グランの目前に浮遊する。
「血小刃」
グランが血に向けて手を翳し唱えると、迫り来る吸血蝙蝠に向かいアメーバ状に漂う血の塊から複数の小さな刃が放たれる。
無数にいる蝙蝠の一匹一匹に狙いを定めている筈も無いが、空間を隙間なく埋め尽くす大群を前にしては、狙いなど定めずとも外れる理由が無い。
高速の刃は蝙蝠の凡ゆる箇所に命中すると、其れ等悉くを切り裂いて進み、更に背後に控える蝙蝠を捉え、傷をつけ、ある時は体を二つに割り、群れを突き抜けた刃は壁に当たる目前で方向を変えて群れへと切り返す。
数十の赤い刃は複雑な螺旋を描いて次々と蝙蝠に致命傷を与えると、その度に少しずつ肥大化し、ものの一分程で周囲の蝙蝠を全滅させてしまった。
その頃には血の刃は当初の倍ほどの大きさになっており、グランはそれをアメーバ状に戻すと、次は糞尿と吸血蝙蝠の血が混ざり合う地面へ向け、広げるように血を撒き散らす。
そして数秒後、撒き散らした血を操作すると、糞尿や泥の中から分別された血液のみが持ち上げられ、それは地面に撒き散らされる前と比べると、どういう理由か、約三倍程の大きさへと変貌を遂げていた。
グランはその全てを己の中へと吸い戻すと、両手を合わせて呟く。
「ふぅ〜、ごちそうさん」
カナタの真似をするようにそう言うと、グランは何か気になることがあるのか、周囲に散らばる吸血蝙蝠の破片を眺めて考えるような表情を浮かべ、ゆっくりと奥へ歩きながらブツブツと独り言を並べ始めた。
「どういうことだ?こんなに弱え奴らから血を奪っただけなのに思ったよりーーというか、滅茶苦茶マナが回復した・・・。
確かおっさんは吸血蝙蝠はここに集まって来る魔物を襲うって言ってたよな・・。
俺に襲い掛かって来たみたいに魔物を襲って血を吸ってるってことだ。
ならこいつらも俺みてぇに血と一緒にマナを吸い取ってんのか?
そんで奥のデスバッドはマナを溜め込んだ吸血蝙蝠を食ってやがる・・・。長生きした奴ほど強いってのはそういう理由か、俺が種のタネを吸うみてぇにマナとは別の何かを吸い取ってやがんのかもしれないな・・・。
だとしたらデスバッドってやつ、俺が思ってるより強いんじゃないか?
・・・一応、もうちょい回復しといた方がいいか」
グランは吸血蝙蝠を襲いつつ、洞窟奥を目指す。
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「例外?吸血蝙蝠が上位の生物にも襲い掛かる時があるってことか?」
「そうだ。普段なら吸血蝙蝠はデスバッドにとって戦闘要員じゃなく、単なる食料だ。巣に踏み込んだ強え生き物は巣の奥まで誘き寄せて自分で狩るんだが・・」
「要はそうならない・・・、いや、したくても出来ないことがあんのか。
考えられるのは例えば・・寝てる時とか、あとは出産とかか?」
「後の方が近ぇっつうか、まあ両方合わせて正解みてぇなもんだな。吸血蝙蝠の力に頼らなきゃいけねぇ時があるとすりゃ、そういうこった」
「にゃは〜、出産の話はボクも初めて聞いたのにゃ。だけどデスバッドは一つの巣に一体しか居ないはずなのにゃ。出産を終えたデスバッドはどうするんだにゃ?」
「どうもこうも、デスバッドは一体だけさ。そもそもデスバッドって種族にゃ繁殖機能は無ぇらしいからな」
デスバッドに繁殖機能が無い。今し方、自分でデスバッドの出産の話をしていたと言うのに、何を言い出すのかとカナタはポルトスを見るが、見られたポルトスも訳が分からず、肩を竦めてガルーを見る。
「簡単なこった。デスバッドは出産するんじゃ無く、自分が新しい種族に生まれ変わるんだよ。
手下の吸血蝙蝠を長年食いまくって力を貯めたデスバッドは、自分を繭で覆って休眠に入るらしい。その間だけは、巣の吸血蝙蝠はいきり立って攻撃的になるんだとよ」
「生まれ変わる・・?つまりそれって、進化する・・ってことか?」
「まあそういうこったな。今回に限ってそんな可能性を引くわきゃねぇが、そういう時は蝙蝠が攻撃的になって、奥に行くほど蝙蝠共のサイズがデカくなるらしいぜ?
そんでデスバッドが居なくなったあとは、一番デカい吸血蝙蝠が次のデスバッドになんだとよ」
「確か、千年生きたデスバッドは吸血鬼を凌ぐだったか?ならそれは、進化したデスバッドは吸血鬼を凌ぐって意味で合ってんのか?」
「ああ、だろうな。だがこの洞窟の中でデスバッドが進化するとすりゃ千年に一度ってことになる。それが今の訳がねぇ。
それにデスバッドが進化するほど成長してりゃ、配下の蝙蝠のデカさはあんなもんじゃねぇはずだしな」
ガルーが洞窟内にブラ下がる吸血蝙蝠を指してそう言うと、カナタもポルトスも「そりゃそうだ」などと笑って、千年に一度のタイミングを今引くわけが無い旨の話に納得する。
だがこの時、カナタ達は忘れていた。
今この迷宮に入り込んでいる、異分子達の存在を。
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「どうだった?」
「ダメなのです。二人組は勿論、いつも居るはずの強い魔物ほど姿が見えないのです。予言のこともあるですし、嫌な予感しかしないのです」
「同感だな・・。早く見つけなくてはならんが、絶対に深追いはするなよ。それと、ラミス様から決して離れるな」
「分かってるです。レオもゼノス様が来るまで死にやがるなです」
「ふっ、当たり前だ。それではまた後でな」
「はい、なのです」
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何だあいつら・・・、一、ニ、三・・・六匹か。
アイツ等だけ何であんなにデケェんだ?
さっきからちょっとずつ蝙蝠がデカくなってはいたけど、アイツ等だけデカ過ぎだろ。カナタよりデカいんじゃねぇか・・・?
グランは妖精ソフィアから預かったと言う賢者の加護を使い、目の前の大きな蝙蝠を鑑定する。
すると、グランの脳内に表示されたのは、意外な文字であった。
種族ーーー吸血大蝙蝠?
吸血蝙蝠が進化したのか?流石に特級魔法は持ってないみてぇだけど、さすがに吸血蝙蝠よりは強いな・・。おっさんより少し弱いくらいか?
まぁ問題ねぇっつうかラッキーだな。あいつらが居るならもう少し無茶してもマナは大丈夫そうだ・・・って、・・・あれ?何かその奥にもっとデケェ奴居るよな?
おっさんよりデケェのがぶら下がってるけど・・・、種族、種族・・・。
ーーーー?
・・デス・・バッド?
あれ?確か一番奥に居るんじゃ無かったか?
まだ奥ありそうだけど・・・・、まっ、いいか。
あいつを倒して牙か羽を持って帰りゃいいんだよな。
さっきから見てると、こいつら多分目は見えてねぇんだ。
血小刃を使った瞬間、刃を獲物と間違えて突っ込んで来る奴やずっと追いかけてる奴も居たくらいだ。
ならーーー、さっきよりデケェのを適当に飛ばしときゃ、向こうから勝手に突っ込んで来て終わりだろ。
取り敢えず軽めのやつ三本くらいでいいか?
「血刃」
先ほどの血小刃の大凡五倍程の大きさ、丁度日本刀の刃のような三日月型の赤い刃が三本放たれる。
吸血蝙蝠達はグランの思惑通りその刃を侵入者だと勘違いしたのか、刃目掛けて飛来し、自ら切断される個体が多く見受けられ、血刃を受けた蝙蝠達は軽く両断されてしまう。
三本の刃は目の届く範囲内に六体存在する吸血大蝙蝠へ向かい、そのまま軌道を変える事なく突き進むと、洞窟にブラ下がったままの大蝙蝠へ直撃するーーー。
「んっ?」
意外な事に三本の血刃が迫った大蝙蝠は、その何れもが回避でも刃を追いかけるでも無く、薄い羽で体を覆いその場に留まり続けたのだ。
血刃に直撃された大蝙蝠は羽を斬り裂かれ、胴体からは多量の出血が見られる。だがそれを代償とし、グランの作った三本の血刃を霧散させて見せた。
そして、深手を負った三体を含めた六体の大蝙蝠は天井からぶら下がったまま大きな眼を見開くと、羽の隙間から顔だけを出してグランを見る。
「なっ、何だよ・・・」
大蝙蝠達はグランを見て眼を逸らそうとしない。だがそれ以上何も行動を起こそうとする訳でもなく、ただただグランを見据えているのだ。
実力差は明白。やろうと思えば六体の大蝙蝠達を瞬殺出来るであろう。しかし、その奇妙な光景を前にしたグランは何故か動く気にはなれず、戸惑いを浮かべ、そしてすぐにあることに気がついた。
「お前ら・・怖ぇのか?」
大蝙蝠達は、何かに怯えるように小刻みに震えて居たのだ。その恐怖の対象は、グランなのか、其れとも・・・。
グランは、大蝙蝠の背後に控える巨大な蝙蝠、デスバッドへ眼を向けたーーー。
「ギュオアアアアアアアアアア!!!!」
その時デスバッドは、体の半分にもなろうかというほど大きな口を開くと、洞窟中に響くような金切り声をあげ、洞窟中に充満する糞尿が発酵した臭いを掻き消すほど強烈で醜悪な悪臭を振り撒いた。
「くっっせぇええ!!な・・何だ・・っ!?」
その臭いがグランの嗅覚を刺激した時、周囲から無数の羽音が聞こえ始める。
その正体はデスバッドの発する声と匂いに釣られた吸血蝙蝠の大群。洞窟中に居る吸血蝙蝠達はグランの横を通り抜けると、真っ直ぐに大きく開いたデスバッドの口を目指し、次から次へと、ただ開いているだけの口に吸い込まれるように、自らが飛び込んで行くのだ。
デスバッドは口の中いっぱいに蝙蝠達を頬張ると口を閉じ、何重にも重なる牙でそれらを挽肉にして飲み込むと、再び口を大きく広げ同じ動きを二度繰り返す。
そうして大量の蝙蝠達を飲み込んだデスバッドは、大きな羽を広げると、未だに周囲を飛行する吸血蝙蝠を巻き込みつつ洞窟の天井から鉤爪を放して飛び立ち、大きな羽音と突風を巻き起こして負傷した三体の大蝙蝠の元へ飛び寄った。
ただ震える大蝙蝠の背後にぶら下がったデスバッドは、一匹ずつ羽で覆うようにして大蝙蝠を掴むと、大きな口から涎のように血を滴らせて大蝙蝠を頬張り飲み込む。
周囲の大蝙蝠はただその光景を黙って眺め、自分が餌になるのをその場で待つのみで動く気配は無い。デスバッドは無心で大蝙蝠を頬張り続け、グランは敵が敵を減らしてくれるのだから願ったり叶ったりだとばかりに、黙ってそれを見守る。
グランの目的はデスバッドだけであり、邪魔な雑魚魔獣に戦いを邪魔されずに済むのなら、それに越したことはないのだから。
そしてーーー食事を終えたデスバッドは、大きな羽を広げると、グランへ向けて威嚇するような声をあげた。
「キュラアアアアアアアアアア!!!」
「おっ、やるか!ーーー血鬼血相」
威嚇を受けたグランはそれを開戦の合図とし、身体に赤い血脈を浮かべ腰を深く落とすと、翼を広げて何かをしようとしているデスバッドへ向けて踏み切った。
超高速で飛び出したグランの右肩から先には太い血脈が集まり、螺旋を描くように末端に向かって伸びるそれは拳を赤く染めている。
グランは赤い拳を強く握り締め、デスバッドへと向けたーーー。
「血竜鬼拳!!」
拳は空気を切り裂き赤い衝撃波を発生させると、その凄まじい速度により、大きく広がる衝撃波を追い越し、広げた布へ拳を当てたように、既に闘気を纏った腕に衝撃波をも纏わせる。
デスバッドはその速度を前に反応することすら出来ず、赤く染まる闘気はガラ空きの腹部を撃ち抜いた。
「えっーーー!?」
デスバッドへ当たった赤い拳に、グランは思わずそんな声を漏らす。
攻撃が命中したことは想定内。
だが、問題はその感触だった。グランはデスバッドをそれなりに強い相手だと想定していたからこそこの技を使用したと言うのに、まるで障害物など無かったかのように、いとも簡単に腹部を弾き飛ばしてしまったのだ。
拳に纏っていた赤い衝撃波が遅れて前方へ広がり、穴の空いたデスバッドの胴体全てを消し去ってしまうが、それでも尚、衝撃波は衰える事なく突き進む。
そして湾曲した洞窟の壁に衝突すると大きな破壊を巻き起こし、遂には分厚い岩盤の先にあった、この洞窟の終着点となる部屋を露出させてしまった。
「何だ・・・?こいつくれぇならおっさん達でも倒せたんじゃ・・・」
グランは首から下を失うデスバッドを見ると、その牙を抜き取りズボンのポケットに入れる。
釈然とはしないものの、依頼完了に必要な素材を無事に手に入れたグランは、その場を後にしようと立ち上がるがーーー。
背後から只ならぬ気配を感じ、咄嗟に振り返る。
すると、晴れた砂埃の先にある部屋の中、そこには全身が黒い、背に翼を持った人型の生物が佇んでいたーーー。




