↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放された無能令嬢、魔界で最強の王となる  作者: 川合 佑樹


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
50/56

第50話

 ヴァレリアはセラーナを背に守り、迫る異形の魔獣たちを睨みつけた。


 七体――いや、八体か。


 翼を生やしたもの、鋼の鱗をまとったもの、複数の頭部がねじれ合ったもの。


 どれもが、かつての魔族の亡骸を無理やり縫い合わせ、歪んだ姿に変えられた怪物だった。


 最初の一体が動いた。


 地面を蹴り、鋸状の角を振りかぶって突進してくる。


 ヴァレリアは短剣を逆手に持ち替えた。


「魔王様、私の後ろに!」


 告げると同時に、彼女は横薙ぎに刃を振るった。


 ズシャアアッ!


 角が根元から斬り飛ばされ、巨体が横倒しになる。


 だが、切り口から黒い霧が噴き出し、散らばった肉片がジワジワと集まり始めた。


 傷が塞がり、鱗がより厚く、硬く再生していく。


 他の魔獣たちも一斉に動き出す。


 点だった攻撃が、面へと変わっていく。


 空から降下する翼持ちの二体が爪を振り下ろし、地面の四体が左右から挟み撃ちに。


 隙のない連携――一つの生き物のように、互いの動きを補い合い、逃げ道を塞いでいく。


 ヴァレリアは炎と氷の双刃槍を再び呼び出し、連続で突き刺す。


 槍が通るたび、魔獣の体が爆ぜ、灰のように散る。


 だが、散った肉片は再び集まり修復される。


 それどころか、破壊された部位がより強固に、鋭く再生していく。


 爪は長くなり、鱗は厚さを増し、動きは速くなる。


 ヴァレリアは分析した。


「アンデッドに魔族の脳を埋め込むことで、隙のない連携を生ませているのか……。それに破壊するたびに強化されていく……一撃で葬るしかないが……」


 彼女はちらりと、セラーナの顔を見た。


 青ざめた頰、震える唇。


 それでも、セラーナはヴァレリアを信じる瞳で、見つめ返していた。


 ヴァレリアの胸に、熱いものが込み上げる。


「ここまでの屈辱……勇者戦以来だ!」


 歯を食いしばり、声に怒りを乗せて叫んだ。


 セラーナは力強く言った。


「私のことは気にせず好きにやって!」


 ヴァレリアの目が力強く輝いた。


「心配をおかけして申し訳ありません。押し通ります!」


 瞬間――ヴァレリアの速度が一段階上がった。


 ドゴンッ!

 一度の動作で二つの打撃音が響くほどの速さ。


 短剣が残光を引いて閃き、槍が炎と氷の軌跡を残す。


 空から降下する翼持ちの一体を、ヴァレリアは地面を蹴って迎撃。


 槍の炎側を突き刺し、爆発的に焼き払う。


 着地と同時に、横から迫る二体を短剣で両断。


 さらに空へ飛び上がり――空からの攻撃よりも速く。


 破壊した一体の巨体を足場にし、もう一体の頭部を槍で貫く。


 落下の勢いを活かし、地面に叩きつける。


 ギャゴオオオアン!


 衝撃波が墓地を薙ぎ、残りの魔獣たちが地に伏せた。


 魔核を砕く感触が、確かにヴァレリアの手に伝わっていた。


「魔核は砕いたはずだ……」


 だが――ジワジワと、破壊された部位が集まり始める。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。