↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放された無能令嬢、魔界で最強の王となる  作者: 川合 佑樹


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
14/56

第14話

 二人は訓練場へと向かった。


 広大な円形の場は、魔王城の地下にあり、強固な結界で囲まれている。


「では、今から炎の簡易魔法を放ちます。杖に魔力を込めてみてください」


 セラーナは戸惑った。

「魔力を込めるって……どうすればいいのかしら」


「魔王様は一度港で魔法を放った経験がございます。あれを思い出してみてください」


「あれが……魔法だったの……」


 セラーナは目を閉じ、あのときの感覚を思い出した。

 港で触れた魔族の胸元から熱いものが流れ込んだ瞬間。


 体の中から湧き上がる力。

 それを、杖に送るイメージで――。


 淡く青い光が杖を包んだ。


 バオオオオンッ

 次の瞬間、訓練場一帯が青紫の魔力に覆われた。

 結界が軋む音が響く。


 空気が重く、肺にまとわりつくような圧迫感。


 ヴァレリアの頬を汗が伝った。

「これほどとは……! 魔王様! 魔力はもう送らずとも問題ありません!」


 セラーナは慌てて魔力を止めた。

 青紫の光が霧のように消え、訓練場に静けさが戻る。


「成功したのかしら?」


 ヴァレリアは息を整えながら、興奮を抑えきれない様子で答えた。

「はい。あの紫色の魔力領域内では、魔王様以外の魔法の行使が出来なくなります。本来、身の回りを守る程度の領域を作れれば上々だと思っていましたが……さすが魔王様。訓練場いっぱい、いやそれ以上に展開できるとは! これで魔法使いどもは一掃できますね!」


 セラーナは、乾いた笑いを漏らした。

「ははっ……ははは」


(この力で、誰も傷つけずに済む方法があるなら……いいけれど)


 彼女はそっと杖を胸元のポケットにしまった。

 その仕草は、どこか不安を押し隠すようだった。


 そのとき、訓練場の入り口から軽やかな声が響いた。

「魔王様、そろそろお出かけになる時間が近付いてまいりました!」


 リオが駆け寄ってきた。


 セラーナはこぶしを握り締めた。


 これから戦争の爪痕を、この目で見に行くのだ。


 覚悟を決めて、彼女はリオに温かな表情を向けた。

「ありがとう、リオ。行きましょう」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。