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8話 アンノウン もう一つのアナザーストーリー

8月、お盆を過ぎた頃。

俺は吉良と共に東京にいた。

初の建築コンペに参加するためだ。


吉良の家は金持ちの御多分に洩れず、東京に不動産を持っており、

俺もそこにお邪魔している。


ここは、浜田省吾の「MONEY」に出てきそうな、ばかっ広い

南麻布の古い外国人向けマンションで、リビングの壁には、

ここぞとばかりに

モデルガンが格好良くディスプレイされており、

俺はワルサーP38を手に取ってみる。

その向こう、窓越しにバルコニーとプールが見えた。


槇文彦の設計というのが、建築好きな俺としては、

心を揺さぶるモノがある。



確か、吉良家の敵の赤穂浪士の墓のある泉岳寺からも、そう遠くない。笑


因みに、新宿御苑の拙宅は現在、賃貸に出している。

まあ、吉良の家にタダで泊めてもらうのもなんなんで、

メシは俺が作った。


実は、イタリアンと中華にレパートリーがある。

コーヒーだけは、吉良謹製のスペシャリティーコーヒーだ。


吉良によれば、ブルーマウンテンなどのプレミアムコーヒーよりも

一段上のものらしい。


まあ、餅は餅屋、というわけだ。


同様にグラッフィック部分と文章は主に吉良が、

空条承太郎のスタープラチナ並みに、

緻密な作業が得意な俺は

模型がメインだ。


4日がかりで、やっとの思いでプレゼンを完成させると、

内容をチェック。

後は吉良に任せて、吉良のマンションを出て、

徒歩で2分の広尾駅から地下鉄に乗る。


秋葉で総武線に乗り換え、水道橋にある母校を訪ねる。

空手部の顧問の雨宮先生は、雨宮師匠の弟だ。

東京芸大の建築科出身で、一見、人当たりの良い爽やかな男だが、


人が見かけに寄らないのは、ご存知の通りだ。


俺は彼に憧れて、空手部に入部したくちだった。


雨宮先生に吉良謹製のコーヒーを差し入れして、俺も練習に加わる。


一応、俺も名古屋支部では師範代というスタンスなので、

後輩に教える事は自身の学びに繋がって行くのがよくわかるし、

俺自身も久々に雨宮先生とスローな動作での組手をするのは、良い調整となる。


練習を終えて、後輩達を連れて、久々に神保町にシーフードカレーを食べに行く。

ホタテの出汁が堪らない。

吉良も誘ってやれば良かったと思った。

とりあえず、二人分をお土産として追加注文する。


その後、合流した先生とのカラオケで、先生の「たそがれマイラブ」の後に


全くどこで覚えたのか。

クック・ニック&チャッキーの「可愛いひとよ」を熱唱する、

セナと真名美のデュエットを眺めつつ、


たまに先輩らしい事をしたと少々得意になっていると、


吉良から、コンペへの作品応募が終わったとのLINEがあった。

送られてきた写真は、モデルガンショップのショーケースだった。笑


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