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作者あとがき

本文

『ダークヒーロー志願』に

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。


本作は、もともと

池上遼一(原作・平井和正)版スパイダーマン、

そして1stルパン三世への強い愛情から書き始めた物語です。


そのオマージュとして、

主人公・萬尾亜門(まお・あもん)という名前を与えました。


スパイダーマンの小森ユウが

「蜘蛛=こもる」という語源から名付けられていることに倣い、

「萬」は万の旧字体でありながら、

象形的には“サソリ”を思わせる文字でもあります。

そこにサソリの象徴である「尾」を組み合わせ、萬尾としました。


また「亜門」という名には、

“種類・系統・門”といった意味合いを重ね、

“サソリ男”という存在を象徴させています。


余談ですが、江戸時代には

和算や測量の分野で活躍した萬尾時春という人物もいたようです。

偶然とはいえ、不思議な縁を感じています。


狂言回しであり、同時にライバルでもある

真白乾児ましろ・けんじは、

シン・パイカル、そしてルパン三世最大のライバル

白乾児をイメージしています。


味沢岳は、

映画『野生の証明』で高倉健さんが演じた味沢岳史、

さらに『狼の挽歌』『メカニック』などで

「男の証」という概念を焼き付けてくれた

チャールズ・ブロンソンへのオマージュです。


アギトが“死の世界”へ旅立つ描写には、

ヘミシンク瞑想におけるフォーカス世界――

死は消滅する事ではなく、同時に幾重にも存在する

異なる波長の世界へ移動するという概念を用いています。


物語の根底には、

「この世界は波長で出来ている」という思想があります。

換骨奪胎によるフラクタルボディ化、

登場人物たちのさまざまな超常能力も、

すべてこの考え方に基づいています。


全体の構成としては、

スピリチュアルなメッセージを内包したSFを、

“音楽で包み込む”ような作品を目指しました。


イメージしたのは、

アンドレイ・タルコフスキーの映画――

静かで、難解で、しかし確実に何かが残る世界です。

そして1stルパン3世や鈴木清順監督の「殺しの烙印」の脚本家、大和屋 竺の描く白昼の虚無的狂気。


ここまで読み進めてくださったあなたが、

この物語のどこかに

ほんの小さな“共鳴”を見つけてくれていたなら、

それ以上に嬉しいことはありません。


そして「ここまで読んだあなたは、

もうこの物語の“外側”に立っている。」


ありがとうございました。





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