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幸運全振りで異世界転生!職業遊び人で目指す異世界最強  作者: ひろち
遊び人と執事の対決
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遊び人とセバスチャンPTの闘い⑧

 俺が加齢臭地獄から華麗に脱出すると……丁度、武闘家ユンvsハイゴブリンキャトルの勝負が決するところだった。


「キッシュさんまでやられちゃいましたか!しょうがないですね、あの人臭かったですし!寧ろ有難うですよ!ここからは私の頑張りどころ、キャトルちゃんそろそろ一気に勝負決めさせてもらいますよ!」


 やっぱり臭かったのか、PTメンバーからもぼろくそに言わるキッシュ……可哀そうに……

 流石に同情するぞ。


「上等です、ピッケル様さえ、ご無事であれば何の憂いもありません、この身果てようとも貴方は私が倒します!」


 相変わらず、可愛い顔して暑苦しい……前世はどっかの騎士団長とかかね。



 「鉄砕拳」


 武闘家ユンの拳に凄まじいオーラがチャージされる。

 あかん、それはあかん奴や、見るからに必殺の一撃、逃げてキャトル!


 だが、一向に逃げる素振りの無いキャトル、短剣を握り締めスキルを発動させる。


「ダブルゴブリンスラッシュ!」


 キャトルさん受けて立つんですか……奥義には奥義を、武闘家と武闘派の意地の張り合いだ。


 ゴブリンに回避の一文字はない!だって二文字なんだもの……


 ってそこは、折角敏捷高いんだから、回避してからカウンターだろ?


 出された技はすべて受けきる。

 何これプロレスですか?


 キャトル、カッコイイな、俺も見習いたいところだが、痛いのは嫌だ……

 というか、捨て身の攻撃は何度もやらされています、今後はキャトルが代わりにしてくれるようだ。


 ユンの拳が振るわれ、まさに鉄をも砕くであろう一撃が放たれる。

 キャトルは、馬鹿正直にそれを真正面から受け止める。

 凄まじい衝撃が巻き起こり、キャトルは大ダメージを受け、口からは血が迸る。

 こりゃあ致命傷ですかね。


 俺だったら血糊を仕込んでおくところだが、漢キャトルに限ってそれはあるまい、内臓がやられたか?


 さらに、放たれた闘気の衝撃で身体の軽いキャトルが吹き飛び始める……この勢いじゃ星になりますね星に……前もなっていたような?

 二度あることは三度ある。


 これじゃ、しばらくキャトルとはサヨウナラだろう。


 星になりかけてるキャトル……だが、キャトルの捨て身の一撃も炸裂せんとす。

 ユンは渾身の一撃を放った直後で、わずかに硬直しており、回避はできない。


 ユンもキャトルもお互い相手の一撃を受けきる覚悟で放った奥義だ。


 なんて男らしい二人なんでしょう。


 一番決闘らしい決闘してるね。

 まさに正々堂々、男の戦い。


 あのーそのー……余計俺の戦いが卑怯に見えるからやめてくれませんか?……

 ただでさえ、賢者とエルフの視線が痛いんです……


 キャトルが放ったダブルゴブリンスラッシュもユンに炸裂した。

 ユンの両肩から血しぶきが舞う。


「まさか、奥義のこの技まで捨て身で攻撃を受けて、自らの攻撃を当てに来るとは!お見事だよ!でもあと一歩浅かったね!この勝負もらった!」


「………………貰ったのは私の方です!考えなしにあなたの奥義を食らうほど、私は武闘派じゃないですよ!!」


 いや武闘派です。


 吹き飛ばされながらキャトルが遺言を残す……

 忠実なるハイゴブリンよ、お前のことは忘れない。

 ちょうどお墓掘っておいたから!

 良かったら入ってく?しっかり弔うよ!

 ちょとキッシュ臭かったらごめんね。


 そうして、キャトルは星になった。

 安心して星になってくれ、お前の仇は、余裕があれば誰かが取る! 


 勝負あり、この勝負武闘家ユンの勝ちだ!


 と思った瞬間、武闘家ユンの体が…………石化し始めた。


 !?でかしたキャトル!


 キャトルが装備していた短剣の特殊効果が発動したのだ。


「メデューサの短剣+2」

 適正装備レベル30 レアリティ 15

 攻撃力50+(25)

 特殊効果「石化」


 1本30万Gした短剣がやっと仕事をした。

 ヒッグスが例に漏れず、錬成してるもんだから、やたら高かった……


 高いくせに、なかなか仕事しないから、ニート短剣さんかと思ってヒヤヒヤしていたが、石化が一度決まればこちらのものだ。


 今は回復役の賢者も魔道弓術士も縛られてる!


 「毎回捨て身で攻撃を当てに来るなと思たら……石化の特殊効果付きだったとは、キャトルちゃんやるね!決着はお預けかな、明日にでももう一度タイマンしよう!」


 毎回捨て身で攻撃するのは、毎回のことです。

 武闘派ゴブリンの辞書に回避や防御なんて言葉はない……

 今度辞書に大きな字で書かせておきます。


 すでに星になったキャトルに、元気にユンが声をかけ……無事石化完了。


 ユンvsキャトルの結果は「石」と「星」になり、相打ちってことで終わりだ。

 いや、寧ろ「石」vs「星」なら断然「星」の方が尊い!キャトルの勝ちだ!


 キャトルでかしたぞ、60万G出した甲斐があったってものよ!


 これで此方のPTは圧倒的優位!




 キャトルが星になったと同時に、剣聖セバスチャンvs竜人クリスティーナの戦いも決着が付く。


 竜人クリスティーナが横になっている。

 ついに、やられたかクリスティーナ……いま助けに行く!


「もう……動けません……もう起きてられないっ……」


 お前はよく頑張った!剣聖セバスチャンと、ほぼ互角の勝負をしていた!

 俺はお前の活躍を忘れない、相手の卑劣な奥の手にやられたか?

 俺とどっちが卑劣だった?セバスチャンだよな?頼むそう言ってくれ!おこずかい弾むよ。


 仕方ない、今は安らかに眠れ……


「お腹いっぱいすぎて、眠いのっーお昼寝するのっー」


 んっ?なんか言ったかい?全然聞こえなかった。

 眠いとか聞こえた気がしないでもないけどセバスチャンのスキルでも食らったか?


「眠いよぅ。ピッケルさんが、『腹が減っては戦はできぬだぞ』っていってたからっ……昨日からずっと食べていて……」


 食べていたから何なの?

 食べることはいいことだ。


 食べることが何か、卑劣なセバスチャンの奥の手と関係あるの?


「もう眠くてだめっー起きてられません、お昼寝させてくださいっお休みなさいzzzむにゃぁ……」


 おーい……クリスティーナ大丈夫かい?

 どんな特殊攻撃を受けたんだ……それだけでも教えてくれ。


 クリスティーナを見ると、お腹がはち切れんばかりに膨らんでいる。

 いつの間に妊娠したの?君見た目幼女だけど倫理的に大丈夫?


 眠いってなんだっけ? 

 お昼寝ってなんだっけ?

 …………逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ。………………逃げるのはやめて現実を見よう。


 寝たら死ぬぞ?


 結論:クリスティーナは俺の言葉に従い、食べ過ぎて眠くなって寝てしまった。


 いや馬鹿な、そんな現実あるか?それこそ夢だろ。

 白昼夢ってやつか?何か幻術にかかっているのか?


 顔を思いっきり叩く!

 「痛い!」

 馬鹿か、強くたたきすぎだぞ、一秒前の俺……


 どうやら……間違いない……これが現実だ……


 神聖な決闘中に寝るなんてありなの?

 相手が俺だったら殺されてるぞ?


 セバスチャンさんちょっと怒らずに待っててね、仲間が失礼しました。

 クリスティーナってのに神剣を突き刺してくるわ。


 俺はクリスティーナに駆け寄り、抱きかかえる。


 「大丈夫かクリスティーナ?眠っちまったなんて嘘だろう?本当に寝ちまったのか?お前があんな相手に眠らされるだなんて……俺は信じないぞ!寝るな寝るな寝るな。ねーるーな!」


 あまりの非現実的な光景に俺も錯乱状態だ。


 「むにゃむにゃ、戦う直前に食べたワイルドベアーおいしかったなーむにゃむにゃ。スースーzzz」


 応答がない、完全にただのお昼タイムのようだ。


 俺は覚悟を決めると……

 ドス!ドス!ドス!

 腹の底から湧き上がる怒りを込めて……みんなからは見えないように本気のグーパンチの三連打をくらわす。

 武闘家ユンもびっくりの本気パンチだ。


 「いてぇ。」


 つい叫んでしまった。

 硬い……竜人さん硬い、なんて防御力だ?

 なんて感心している場合ではない。


 クリスティーナに起きる様子はない……

 駄目だこいつ、完全に駄目な幼女だ。


 そんなだから間抜け魔族に捕まるんだぞ!

 今度お仕置きな!


 腹が膨れすぎて眠い、そんな馬鹿げた状態異常を回復する魔法はない。

 なんでもありの、ダナンの道具の中にも流石にない……あったら怖いわ!

 でも、今度開発しておいてね。


 どうしたら良い?このダメ幼女、俺は考える……何とかこの幼女を懲らしめる方法を!

 間違えた、眠ってしまった仲間を起す方法を!


 邪道だが、俺は一つだけクリスティーナを起す秘策を思いつく。


 奥の手というのすら生ぬるい、禁術中の禁術、一子相伝の禁術だ!

 さすがの俺もこの禁術を使うのは、躊躇われる…………あまりにも人道に反する気がする。


 だが、ここは戦場だ、戦場で寝てしまうなんて危ないったらしょうがないよな。

 流れ玉があたって、死んでしまうかもしれない!

 怒った遊び人にゴブリーヌを突き刺されるかもしれない!

 寝ぼけた竜人のドラゴンブレスで全員が消し屑になるかもしれない!

 とにかく寝てるのは、危ないんだ! 


 これもすべてはクリスティーナの為……


 クリスティーナが起きたあと、寝起きで不機嫌荒ぶる竜人化する危険性もあるが、クリスティーナが寝てしまうよりはましだろう。


 俺は覚悟を決める。


 みていろセバスチャン、これが遊び人の覚悟だ!

 この覚悟に免じて負けを認めてくれたっていいんだぜ……


 俺は、クリスティーナを優しく抱きかかえると…………


 「起きるんだクリスティーナ、朝だよ。」


 キッシュの加齢臭が充満し、地獄と化した落とし穴に幼女をそっと投げ入れた……心が痛い。


 どんな地獄よりも臭い地獄へ仲間を突き落とす俺の気持ちがわるか?

 分かるまい……


 何が起きるかちょっとわくわくしてたりします、ごめんなさい。


 俺は、身近でキッシュの匂いを嗅いできただけに、この行為が如何に非人道的で危険な行為なのかが身に染みてわかるんだ……匂いが染みついてなければいいが……


 加齢臭が鼻にしみるんだ、目がしょぼしょぼするんだ……とにかく臭いんだ。


 あんな穴に突き落とされるくらいなら、死んだ方がましだ!


「なんてことを……酷い……酷すぎる……」


 俺がクリスティーナを穴に落とすのを見ていた、エミリアとアルレシアが言う。

 ん?この穴は君たちを埋葬するために作るはずだた穴だよ?

 どうせなら一緒に入るかい?


 目で合図を送る。


「は・い・る?」


 全力で首を横に振り、恐怖で顔が引きつる二人……そりゃそうだ、俺も絶対嫌だ!


 でも、穴に落ちた仲間を助けずに行かずなにが「酷い」ですか!

 「酷い」のはお前たちだ!

 俺は酷くない……いや、さすがにちょっと酷いやもしれない……


「なんだ?空から女の子が!」 

「お前もピッケルの卑劣な手にやられた犠牲者か?、安心して落ちてこい、俺が受け止めてやる!」


 空から落ちてきた美少女に、目を奪われるキッシュ

 それは只の美少女じゃないぞ?

 眠れる核弾頭だ。


「むにゃあ、むにゃ?むにゃああああ!!むーにゃーあー??」


「なにこれ臭いでっす!息ができない息が……臭い……誰か助けて……」


 非人道的ではあるが、作戦成功だ!

 クリスティーナが起きた!

 キッシュの匂いが勝った!すごいぞキッシュ臭いぞキッシュ。


 さあ、起きたなら仕事をしてもらおうか?


「可哀そうに……おう、安心して落ちてこい!俺が受け止めてやる。」


 キッシュ優しいな、だが、ここは戦場なのよね。

 残念ですけど、かわいそうなのは、お前だ!


 その優しさが、その匂いが、キッシュの命を刈り取らんとする。

 さようならキッシュ、また逢う日まで。

 もう逢えないとおもうけど……


「臭すぎます……この匂い一刻も速く浄化しなきゃっ……命にかかわりますっ」


「ドラゴンブレス!ドラゴンブレス!ドラゴンブレス!」


 匂い地獄の穴から天高く炎が立ち上がる。

 綺麗……なんて綺麗なんだ……燃えてるのが臭いおっさんじゃければ、なお良し。


「うおおおおお、熱いぞ、うおおおおお、なんだお前は、うおおおお……うおっうおっ うお……お……ぉ……」


 キッシュの断末魔の声が響き渡り、やがて聞こえなくなった。

 死んでしまいましたかね?

 でもこれで世界を覆わんとする悪臭の元が絶たれたと思えば、尊い犠牲だよな。

 発生源はお前なんだ我慢して死んでいってくれ。


 さあ、世界を覆う悪臭は晴れた、ドラゴンクリスティーナよ、目覚めの時だ、その勢いで剣聖を倒しなさい!


「ふう、ドラゴンブレスで、匂いは完全になくなりましたね、目が冴えてしまいました!」


 おお、キッシュの尊い犠牲が、怠惰なドラゴンの目を完全に覚まさせた!

 奇跡だ!これぞ、奇跡!


 偉いぞキッシュ。どっかの聖者より聖者してる。

 お前を「匂いの聖者」に認定する。


 とにかく、お前のことは後で何とかするわ……

 さっき、ドラゴンブレスで空高く打ちあがったところまで確認してる、死んではいないだろ?

 あれだけの匂いを発する力を持ってるんだ。


「でも、なんか疲れちゃいました……ドラゴンブレス使い過ぎましぁ。もう少しねまーす。むにゃあzzzスースースー」


 一瞬で寝やがった。

 早いぞ早すぎるぞ!

 キッシュの尊い犠牲はなんだったんだ?


 だが、穴の底で眠るドラゴンを起す術はすぐには、思いつかない。

 クリスティーナのことは諦めようか?

 ごめんなキッシュ……お前が貯めてくれた匂いは無駄になった……そして世界に平和が訪れたとさ。


 ふう、一件落着!



 「ゴホン!」


 セバスチャンが俺のこと忘れてないかい?とアピールしてくる。


 すまんな、世界を覆いつくさんとする悪臭と戦っていたんだ……完全に忘れてた。

 いま、一瞬世界の危機だったんだぜ?

 キッシュが覚醒したらとんでもないことになる!キット……


 とにかく、もう逃げれそうにない、最後の決戦が始まらんとする。


 残った相手は執事のみ。


 こちらは、遊び人と勇者と聖者がいる。


 3対1だ!


 なんでだ?勝てる気がしないんだが?


 とにかくやっとこさ、いよいよである、長かった……茶番しすぎました……


 それもこれも、色々濃いメンバーを集めるセバスチャンお前が悪い。


 ついに最終決戦大ボス、セバスチャン戦が始まらんとす。 


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