遊び人とセバスチャンPTの闘い⑨
邪魔者はすべていなくなった、残るはセバスチャンのみ。
だが、最強の敵が残ってしまっている、作戦失敗だったかな……
いや、きっとこうなるだろうことは、なんとなく想定済みだ。
下手な奥の手で倒せるのは、所詮は雑魚のみ、真の強者と戦うならば、命をかけて正々堂々戦わなければならない。
頑張れカリン!負けるなカリン!ここからはお前が俺たちの盾であり、剣だ!
勇者してくれよ。
「いろいろ茶番がありましたが、数では圧倒的にこちらの優位です、流石のあなたでも勇者と賢者と遊び人を同時に相手取るのは厳しいでしょう。降参されてはいかがです?」
「はっはっは。何を馬鹿なことをいっているのですか?PTリーダーの貴方を集中的に懲らしめるまでです、実質1対1の戦いです。覚悟してくださいピッケル様。」
…………卑劣なり、卑劣なり、遊び人を集中していたぶるなんぞ卑劣なり卑劣なり
だが想定済みだぜセバスチャン!
対策の奥の手だって考えている!
つべこべ言っていると殺されかねない、早速奥の手発動だ!
アルレシア発案奥の手⑩くらい!
PTリーダーの交替だ。
感謝するぞ賢者!俺一人じゃこの奥の手は考えつかなかった。
「バッカスさん、此方はPTリーダーの交代を申請します!」
所詮俺は遊び人……正々堂々なんて無理なんだ、カリン頑張れ!
「ピッケル様それは悪手となりますよ?PTリーダーであれば、『参った』と言えば私の攻撃は止まりますが、PTリーダーですらないピッケル様に生かしておく価値があるとお考えですか?真っ先に命を落としてそれであなたは終わりです。」
前言撤回!
PTリーダー交代なんて認められるわけがあってはならない!
所詮は賢者の考えた奥の手、愚策よ!
それより、セバスチャン、遊び人を殺すとかダメ!絶対!
危ない……この執事は危ないぞ!平気で人を殺しにくる。
どこの魔族だ?
「えっと前言撤回で……リーダーは引き続き俺でお願いします。」
「おう。茶番も面白かったが、とっとと殺しあえ。今日の最終メインイベント楽しみにしてるぜ。」
バッカス……他人事の様に楽しみやがって、また嵌めて、セバスチャンと戦わせてやろうか?
「ピッケル!全力で守るわ!」
「私のMP続く限りピッケルさんを殺させはしません!」
「では、そろそろ、参りますよ?」
いやー来ないで!断ってもくるんでしょ。
「望むところ、貴方を倒して僕たちは……」
えっと色々ありすぎて、なんの為に倒すのか忘れたわ。
セバスチャンが魔族だからだっけ?
賢者にそそのかされたんだっけ?
とにかく、どうでもいい理由で戦ってるのだけは間違いない。
「兎に角倒させてもらいます。」
「カリン、シャル!最初の予定通り一気にいこう!」
「ピッケルがやられる前にセバスチャン倒すわ!」
「判りました、最初の作戦ですね。」
セバスチャン対策はこれでもかというほど考えてきてる。
中には卑怯な手があるかもしれないが、気にするな、生き残るためだ。
「マジックスクロール:ファイヤーストーム!」
「マジックスクロール:ファイヤーストーム!」
「マジックスクロール:ファイヤーストーム!」
これぞ初手にして最強の奥の手!
ふははは、我がマジックスクロールを受けてみるがよい!
今は賢者の軽減魔法も使えんぞ!
観念せいセバスチャン。
さらに追撃!
「物真似:サンダーレイン」
流石に賢者が俺を殺すために使ってきた、雷属性最上級魔法……すごい勢いでMPが吸い取られていく.
「物真似」で発動させている関係で使用MPが倍だからな。
この魔法MPを注げば注ぐほどに、威力を増すようだ、俺は迷わず全MPを捧げる。
これぞ、遊び人の戦い方よ!
正々堂々ってなにそれ?美味しいの?
「またそれですか!さらにサンダーレインまで使ってくるとは、さすがです。」
「これは、まともに食らうわけにはいきませんね。此方も本気で守りに入らせてもらいましょうか。」
「剣聖技:ソードバリア!」
セバスチャンが剣を中心にうずくり、剣にオーラを流し込む。
すると、セバスチャンを中心に半径2メートルほどのバリアが出来上がる。
どうやら、ファイヤーストームも、サンダーレインすらも無効化する最強の結界が張られてるようだ。
剣聖のくせに防御までできるとか……これだからチート野郎は嫌いなんだ!
でもそれくらい想定していない遊び人ではないですよ?
「ボール投げ」
俺は神剣ゴブリーヌをバリア目掛けて投げ込む!
「ガキン」っと聞きなれた音とともに、ゴブリーヌが弾き飛ばされる。
想定外!
硬いこのバリア硬すぎる。
魔法だけじゃなくて物理も弾くの?実質無敵状態じゃねーか?
さすがに、剣聖が動きを止めてすべての力を防御に回しただけのことはある。
だが、まだまだ、手はある!セバスチャンを倒すためにいくつ作戦を用意したと思っている?
「アイテムスクロール連打が効かないとは……これは想定外!と言いたいところですが、まだまだ俺のターンです。『クールタイムリセットポーション』」
いつぞやダナンが試供品としてくれた非売品超レアアイテムの最後の一本を使う。
アイテム、魔法、スキルすべてのクールタイムをリセットしてくれる最強チートポーションだ!
ダナン早くこいつを量産してくれ、高値で買い占めてやるぜ。
「シャル頼んだ!」
「はい、任せてください。」
「呪われた聖者の呪い!」
一日一度の最強の呪いが……無事発動される。
呪いのクールタイムもリセットされたようだ、勝った!
セバスチャンを覆っていた、バリアが消え去る……
さようなら……セバスチャン、「参った」といってもいいんだよ?
「ファイヤーストーム」の止め方は知らないけどな!
さらに、俺のターン!
これで決めさせてもらう!
俺を痛めつけると宣言した奴に、容赦するほど俺は甘くない!
知っていたかい?アイテムのクールタイムもリセットされたことを。
そして、俺がどれだけアイテムに金をつかったか。
豪邸建つくらい使っていますからね……
「マジックスクロール:ファイヤーストーム!」
「マジックスクロール:ファイヤーストーム!」
「マジックスクロール:ファイヤーストーム!」
まさかのファイヤーストーム六連発!高レベルの魔術師を6人同時に相手にしているようなものだ……
これでマジックスクロールは使いきった!たぶん世界中の「ファイヤーストーム」のスクロールが今消費されたはずだ。
俺のお金……錬成費用……遊ぶお金……すべてを勝利の為に使う。
これぞ俺の覚悟!
「最後の追い打ちです『竜の涙』」
俺のMPHPSPが一瞬で全開する。
これで最後だ、くたばれセバスチャン!
「物真似:サンダーレイン」
二発目の「サンダーレイン」だ。
MPが全快したとたん、MPが空になる……
燃費悪すぎです。
これで、合計6発の「ファイヤーストーム」と、2初の「サンダーレイン」がセバスチャン目掛けて発動されたことになる。
凄まじい炎の渦に、雷があちこちから降り注ぎ、その中を神剣ゴブリーヌが踊り狂っている。
美しい……これがセバスチャンの命の灯か、燃え尽きろ!
これ……魔王でも倒せるんじゃないでしょうか……
たかが執事相手に、ちょっとやり過ぎましたか?
「剣聖技:エアブレイド」
「剣聖技:ストームブレイド」
「剣聖技:ウィンドスラッシュ」
「剣聖技:アイスブレイド」
最後の悪あがきにセバスチャンが風を発生させる剣聖技を連打する。
スキル放出後は、炎の嵐に穴があくが、六発分のファイヤーストームがすぐに穴を塞ぐ。
執事の剣聖技ごときに打ち消される我がアイテムスクロールではない!
無駄無駄無駄!無駄なあがきはやめて心頭を滅却して死ねい!
あまりの業火にセバスチャンの姿は見えないが……スキルの連打が止んだ。
ついにやったか?
意外とあっけなかったなセバスチャン。
そして、ついにファイヤーストームの業火が終息せんとする。
どうなったセバスチャン?
「神道滅却すれば火もまた涼しですな。もうお仕舞ですか?」
………………
なんまいだーなんまいだー
あれを食らって生きているわけがない!
なんまいだーなんまいだーいいから成仏してくれ。
「というのは流石に強がりです、死ぬかと思いましたよ。」
「まさか……あれを喰らって生きているとは、さすがですね……」
徐々にセバスチャンがその姿を現す。
ファイヤーストームの範囲外まで非難していた俺からは、かなり距離があるが、なぜか光り輝いてます。
神々しく光り輝いてます、どっかで見たことのある輝きだ。
「いえそれほどでも、先ほどクリスティーナさんが落としてくれた『竜の涙』これがなければ危うかったでしょうね。三途の川とやらが見えかけましたが、今の私はMPSPHPすべて万全です。」
えっえっえ?
「竜の涙」だと……なぜお前が持っている?
むっむっむ?
クリスティーナが落としただと…………合点承知!
クリスティーナ今すぐ起きろ!起きてこの執事を倒すんだ。
お前のせいで俺たちのお金がすべて無駄になったようだぞ。
マジックスクロールだけでいくらしたと思ってるんだ?
お前が一生ゴブリンの村の守護者として俺に尽くしても払いきれない程の額だ。
それと執事さん……貴方が使ったアイテムは国宝物の超がつくレアアイテムです、俺の許可なく勝手に使うだなんて許されんぞ。
ファイヤーストームの業火が消し去り、魔王セバスチャンがその全容を表す。
そこには、鬼の形相をしたセバスチャンがいた。
そりゃ怒るよね、火あぶりの刑にされたんだ。
そこには………………衣服がすべて焼け落ち全裸のセバスチャンがいた……キャッ
なにこの変態執事!
神聖な決闘の場で裸になるだなんてどこの遊び人?
いや遊び人だってそんなことしません!
勝った!セバスチャンを裸にしたんだ!
これでお前はもう動けまい?
もうその状態になったらHPMPSP全快だろうと負けだろ……漢として戦える状態じゃないぞ?
素っ裸で剣を振るう剣聖!
嫌だそんな剣聖嫌だ!
潔く負けを認めてくれ。
「ピッケル様、このような屈辱を味わうのは初めてですよ。貴方を切り刻むのが楽しみで仕方ありません。コロス!今すぐコロス。」
その状態でまだ戦う気?動いちゃだめだ……動くなセバスチャン……男の……執事の……剣聖としての尊厳が……ナムサン。
鬼の形相のセバスチャンが恐ろしい殺気を出してくる。
だが、所詮は裸の執事、すっぽんぽんで殺気を出しても威厳がないぞ威厳が!
だが、どうやら初手は俺たちの完敗だったようだ。
大量のマジックスクロールを浪費し結果として残ったのは……
怒り狂い、復讐に燃える、全裸の剣聖……
勝てる気がしません……
セバスチャンごめんなさい。
それ以上近寄らないで。
あなたの大事な何かが見えてしまいます……
兎に角セバスチャン戦の第二幕が悲惨な状況で始まらんとしている……
誰かこの変態を止めてくれ。




