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幸運全振りで異世界転生!職業遊び人で目指す異世界最強  作者: ひろち
遊び人と執事の対決
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遊び人とセバスチャンPTの闘い⑦

 賢者アルレシアの卑劣なる奥の手が見事炸裂し、俺の秘伝の奥の手は不発に終わった……


 もう駄目だ……というにはまだ早い。


 現状では、セバスチャンと竜人のクリスティーナが、武闘家のユンとキャトルが、傭兵キッシュとカリンが戦っており、すべての戦いで押され気味だが、シャルの的確なヒーリングで戦線は維持されている。


 つまり、邪悪な賢者と小悪な弓使いが戦線離脱した今、圧倒的にこちらが優位!

 今やらないで何時やる?今でしょ!


「キャトルよく耐えた!今すぐ加勢に行く待ってろ。」


「助かりますご主人様!この人素早い上にすごい格闘技術です。気を付けてください。」


 俺は一目散に武闘家ユンに向けて駆け出し、ある程度の距離が詰まったところで一気に側方へ方向転換する。


 さらに、「逃げ足」をユン向けて発動して、後方への移動スピードを二倍にする。


 ユンの対角線上には、カリンとキッシュがいる。

 悪いなキャトル、お前はまだ頑張れる!なにせただのゴブリンじゃないハイゴブリンだ。

 無駄に武器に60万Gかけてないんだ、60万G分の仕事はしてもらうぞ。


 俺は無言で、取得したスキルをさらに発動させる。


 「忍び足」

 取得必要スキルポイント5

 使用SP5秒につき1SP

 移動に伴い発生する音をすべて無音化する。


 俺は音もなく、一気にキッシュの背後に到着する、完全に死角を取った!

 キッシュお前のことは良く知らないが死ねい!

 どうせろくでもない、強いおっさんに違いない。


「キッシュさん!後ろに遊び人が接近してます、気を付けて!」


 なんてこった、性悪なエルフのエミリアが告げ口する……

 やっぱり縛り付けるだけじゃだめだったんだ、完全に口を防いで置くべきだった。


 くそぅ、完全な奇襲が成功しかけたのに……


「大丈夫だ、俺が気づいてないわけないだろ?音がなくても邪気が駄々洩れだ。カウンターで仕留めるつもりだったんだがな。」


 危ない危ない……気が付かれてたの?

 危うくカウンター食らう所だった?エミリアさんありがとう。

 少し見直したよ。


 それにしても、殺気じゃなくて邪気なの……何それカッコいいんだけど。邪気眼とかスキルないかな?あれば弱くても当然取っちゃうよ。


「どのみち2対1ですよ。観念したほうが身のためです。」


「ピッケルと私の連携の前に敵はいないわ!」


「カリン前は、受け持つ、俺が引き付けるから中衛へ!」


「ガキの拙い連携ほど崩しやすいものはないぞ。かかってこい!」

 なにこのおっさん、一向に怯まないな、強い!


 だが、今の俺は、「逃げ足」により二倍速!

 俺の全速全力攻撃避けれるのか?

 無様に切り刻まれるがよい!それがおっさんの務めというものよ。


 

 俺が到着する寸前に、キッシュの足蹴りがカリンを襲う。

 カリンもガードするがゴブッっという音ととも、10メートルほど吹き飛ぶ。

 ダメージというより吹き飛ばすことに注力した蹴りだ。



「おう。これでしばらく1対1だな?楽しみにしてるぞ遊び人。どうせ、中衛にするって言っておいて、前衛で攻撃させるするつもりだったんだろ?まだまだ青いな。お前の心手に取るようにわかるぜ、俺も傭兵だ、卑劣な相手とは何人も戦ってきたからな。」


 完全に読まれてる……


 ならば作戦成功だ!


 カリンは、もともと中衛に下げるつもりだよ?吹っ飛ばしてくれてありがとう……本当だよ?

 前衛において、同士討ちになったらどうするんだ?


 いつまでも、俺を卑怯な遊び人と思っているなよ。


 俺は覚悟を決めて、神速の一撃を繰り出す、

 神速の!通常攻撃!!

 まずは様子見だ。


 速度に特化した俺の攻撃だが、キッシュもしっかりと剣を合わせて勢いを相殺してくる。

 さらに、俺の必殺の通常攻撃より力づよく、俺が逆に押し返される……


 俺が、キッシュに押され、キッシュの攻撃範囲外に出る瞬間、キッシュの蹴りが俺を襲う。

 カリンと同様、ダメージというより、吹き飛ばすことに注力した蹴りで、俺は後方へ吹き飛ぶ。


 なんて、足癖の悪いおっさんだ。神聖なる剣と剣の戦いで足を使うだなんて……

 卑怯だぞ!

 俺とカリンの距離がさらに開き、キッシュは猛然と俺へと向かってくる……迫りくるおっさん、怖い。

 カリンの中距離攻撃の範囲外だ。

 これは完全に相手のターンってやつだ。


 俺とおっさんの1対1の始まりだ!


「これで本当にタイマンですね、正々堂々といきましょう。」


 …………だなんて心の底から思って言うと思いました?


 この勝負卑劣に徹した方が勝つ!


「ああわかるぜ、正々堂々戦おう正々堂々な。」



 俺は奥の手を使う用意をしながらキッシュの到着を待つ。


 と、俺の射程に入る直前にキッシュが足蹴りを放つ。

 地面に向けて……


 ものすごい砂ぼこりが発生し、俺はキッシュを見失う。


 おいこら、おっさん!卑怯だぞ!

 正々堂々戦いやがれ。


 死角からのキッシュの攻撃……一撃必殺になりかねない。



 だが、甘い!じゃない臭い!!

 ぬぐい切れない加齢臭がプンプンするぜ?

 匂うぞキッシュ!風呂はいってこい。


 お前がいるのはそこだ!そこか?そこであってくれ?

 加齢臭目掛けてゴブリーヌを振りぬく。


 「ガキン」


 剣と剣がぶつかる音がする。


 あら、本当にそこにいたのか?

 あまりにもわかりやすく臭かったもんだから罠かとヒヤヒヤでした。

 何か嫌がらせ的なスキルをカモフラージュに使ったのかと……

 加齢臭を発生させるスキルだなんて素敵じゃないか?イラン。


「ほう。殺気に反応されたか?やるじゃないか遊び人」


 いえ……ただ、臭かっただけです……


 衝撃の真実を告げたいところだが、さすがに可哀そうだから内緒にしておこう。

 俺にだって慈悲の心はある。


 ほんとは、キッシュの心を折る奥の手に認定したから温存してるだけってのは内緒ね。

 俺のイメージが卑劣さんになりすぎてる。

 ここらでイメージ回復を。

 俺普段は体張って最前線で戦ってるのにな。おかしな話だぜ、


 こんな臭いおっさんとはまともに戦ってるだけ馬鹿らしい。消臭剤なしには勝てない。

 実際、普通に戦ってちゃ負ける。


 俺は相手の砂ぼこりを活用し身を隠しながら、奥の手の発動に入る。


 今度は俺のターンだ。


 「チャージスキル:落とし穴」


 PTリーダー変更云々の茶番劇の間、俺がただ茶番劇に興じていたと侮ってもらっちゃ困る。

 茶番劇おもしろかったけどね……

 スキルのクールタイムがあけるのを待つとともに、神剣ゴブリーヌにスキルをチャージさせておいたのだ。


 「落とし穴」はスキル発生に間があるため、達人相手には、無駄になる可能性も高いスキルだったが、俺はチャージスキルに「落とし穴」を迷わず選択していた。


 もちろん今のような状況を想定していた!わけではない。


 そろそろお墓が必要かなって思ったんです……

 卑劣な奥の手使い賢者アルレシアさんと、口うるさい邪悪なるエルフエミリアさんを埋葬するためのね!


 ありがとう二人!おかげで「落とし穴」役に立った。

 この恩はあとで仇で返します!


 とにかく、今は土ぼこりで視界がない!

 最高の落とし穴日和だぜ。

 文字通り墓穴を掘ったなキッシュ!


 だが、「落とし穴」1発で掘れる穴は最大直径5メートルだ。

 5メートルでは、完全に加齢臭を封印するには浅いだろ。

 キッシュお前、かなり強烈だぜ?


「うおおお?なんだこれ、地面がなくなった?土ぼこりで見えん!」


 土ぼこりで地面を確認できないキッシュ……


 これ以上臭いのは耐えられん!一気に消臭作業を終わらせんとする。


 「落とし穴」

 さらに5メートルの穴が開く、これで10メートル。


「うおおおお!スースーするぞ。」

 キッシュが叫んでいる。


 まだ臭い!

 とどめの消臭だ!


 「物真似:落とし穴」


 さらに5メートルの穴が開く、これで15メートル。

 流石に消臭完了か?


 だがなぜだ?鼻を衝く加齢臭がまだ漂っている!臭いぞ……


 どんだけ臭いんだキッシュ、もうかれこれ15メートルお前はおちてるんだぞ……


 何かがおかしい………………あれ?なんだか俺もスースーしますね。


 策士策に溺れる……落とし穴の範囲内に俺も一緒に入っていたようだ……てへ。

 だって見えなかったんだもん……そんなに使い込んでないスキルなんだもん。

 何より臭くてまともな思考ができてなかった!

 そうだすべてキッシュが悪い。


 だが、これは絶体絶命の状況だ。

 このままキッシュとともに、15メートル落ちた後は……

 直径5メートル深さ15メートルの穴の中に、徐々に満たされていくであろう加齢臭……

 その匂いは秒ごとに殺意を増していき、いずれ呼吸することすら体が拒否するだろう。


 つまるところ臭くて死ぬ。


 15メートルの落下だ、着地に失敗したら死ぬ。


 逃げ場のない穴場の中でキッシュに切り殺される。


 どのみち死ぬのか……一番楽な死に方はどーれだ?


 誰だ落とし穴なんて使ったのは?俺への仕打ちがひど過ぎる。



 まさに絶対絶命だ。

 これ俺か、俺が俺の墓穴を掘ったって奴なのか?


 とにかく、臭くて死ぬなんて絶対に嫌だ!

 もう少しまともな死に方させてください……


 俺は考える、この匂い地獄から逃げる策を!

 自分で落ちた穴から出る方法を……


 やはりこれしかない!


 「あやとり」


 俺は全速力でスパイダーキングの糸を地上に向けて射出し、木に結び付ける。



 手に大きな衝撃が走り俺の落下が止る!成功だ。


 サヨウナラキッシュ!次会うときには体洗っておいてね。


 足に大きな衝撃が走り俺の落下が始まる……

 おいコラ、キッシュ俺の足をつかむな!


 コンニチハキッシュ!身体洗ってないだろお前?匂うぞ。



「いいスキルもってるじゃねーか、流石にこれだけ落ちちゃ俺も登れないな。」


「褒めなくていいから離してください!あなたはここで終わりです。っというか糸が切れるぅ!」


「おう、その糸が切れた瞬間切り刻んでやろう。」


 蜘蛛の糸が切れかかる、俺の命もきれかかっている。またもや絶対絶命だ。


「ブチリ」


 終わった……色々と終わった。


 俺とキッシュはふわりと地獄の底に着地する。



「こんな狭いところで争っていても、むなしいですよね、休戦協力して上に上る手段を考えませんかああ?」


「男二人で穴の底ってのは最悪のシチュエーションだぜ、休戦といこうじゃないかああ!」


 二人同時に話し終える。

 外道を歩むもの同志!考えることは同じだね。


 二人同時に剣を振るう!


 やはり、お前もかキッシュ!


 卑怯だぞキッシュ!

 休戦じゃないのか?


 俺の攻撃は正当防衛だぞ?

 だって休戦しても、穴での滞在時間が長くなれば俺は臭くて死ぬんだもの。


 俺は剣がぶつかる前に、剣を交わしながら上方へ思い切りジャンプする。

 かかったな、キッシュ。


 糸は切れたんじゃない、切ったんだ。


 俺は再度「あやとり」でスパイダーキングの糸を射出するとともに、切れてぶら下がっている糸に結び付け一気に地上へ向かう。


 攻撃で、剣を握ったキッシュは俺の足を掴むのが一瞬遅くなる。


 大事なのは、剣を握ることじゃない!俺の足の方だぞキッシュ。


 キッシュが必死の形相で俺の足をつかもうとする……


 ギリギリ…………俺の足を…………掴み…………損ねた!


 サヨウナラキッシュ、地獄の底でこの戦いの行く末を見守ていてくれ。


「おい、まてピッケル、休戦だろ?休戦だよなあああ?」


 キッシュが鬼の形相で、俺に剣を投げつけてくる。

 いや狙ってるのは糸だ、糸が危ない、命の糸を守れ!


「ボール投げ」

 俺も必死の形相でゴブリーヌを投げつける!

 キッシュの剣を見ている余裕はない……投げることに意味がある!

 俺の幸運チートよ頼んだぞ!


 適当に投げたゴブリーヌだが、俺の幸運に導かれ…………

 無事にキッシュの武器を叩き落とす!


 この勝負貰った!


 さらにゴブリーヌには、スパイダーキングの糸が巻き付けられており、キッシュの武器を絡めとる。


「早着替え:神剣ゴブリーヌ」


 ゴブリーヌとともに、キッシュの謎の名剣をゲットする。

 これ後でトルネオに売ろう。

 この戦い、赤字なんだもの……


「キッシュさんサヨウナラ!また逢う日まで、次会うときは僕らのPTの用心棒になってくださいね。」


「今回は俺の負けか……俺も邪道な戦いには、自信があったんだがな、お前の卑劣さには、敵わんな。」 


 キッシュが無駄に俺の心に剣を投げてくる……

 いい加減卑怯だ卑劣だ言うのはやめなさい、勝つためにやっていることです、勝てば官軍なのです。


 なんとか地上にはい出ることに成功する。


 つまり、加齢臭退治に成功したのだ!

 やはり正義は勝つ!


 キッシュお前の敗因はただ一つ……加齢臭ですね。

 それさえなければ俺は死んでいたかもしれない。

 ありがとう加齢臭、二度と俺の前で匂うな!


 キッシュ大丈夫かな?自分の加齢臭が臭すぎて死んだりしないかな?


 なんて実に無駄な心配をしていると……


 セバスチャンvsクリスティーナ

 武闘家ユンvsハイゴブリンキャトル


 二つの勝負も決したようだ……


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