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幸運全振りで異世界転生!職業遊び人で目指す異世界最強  作者: ひろち
遊び人と執事の対決
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遊び人とセバスチャンPTの闘い⑤

 ついに悪魔セバスチャンが野に放たれた……

 膠着状態の今セバスチャンが来るってことは、俺たちPTが蹂躙されるってことだ。

 主に俺が痛めつけられるってことだ……畜生。


 これは、もう諦めて怪我する前に降参するしかないか?


 だが、此方には奥の手がある!

 バッカスゾンビ作戦だ、そこで待ってろバッカス、今生き返らせるから仕事しろ。


 そうして、バッカス目掛けて駆け始める。


 だが、俺が奥の手を使う前に……壁に埋まったバッカスの体が淡く光り輝く。

 「竜の涙」の効果だ……HPMPSP状態異常を完全回復するチートアイテムだ。

 そう状態異常まで回復してしまうのだ……

 

瀕死の重傷を負ったバッカスが無意識に勝手に使いやがったようだ。

 あとで、金は請求させ貰うぞ……


 俺が回復してあげて恩に着せて、戦線復帰させるつもりだったのに……自分で使いやがったな?

 バッカスゾンビ作戦が破綻しようとしている……だが、作戦通りでもある。


「ふう、二日酔いで、酷い悪夢をみたぜ?剣聖セバスチャンとタイマンするだなんてな。負けるに決まってるだろうに?」 


 それは、夢じゃない、現実を受け入れろ!


「おう、ピッケルじゃねーか。頑張れよ!約束通り立ち合いは請け負った。俺の悪夢を晴らすためにも、正々堂々セバスチャンをやっつけて見せろ。」


 それ……君の仕事!


 「竜の涙」の効果か……アルコールが完全に抜け、手の震えるアル中バッカスが、綺麗なバッカスさんにジョブチェンジしてしまっている。

アル中治ってよかったですね。(棒読み)

 さらに、一部記憶の欠損及び都合のいい改変が生じているようだ。

 仕方ないが、バッカスはもう使えない、酔ってないバッカスなんてただの料理人だ。


 バッカスにはいろいろ言いたいことがありすぎて、全てしゃべり終わる前にセバスチャンが攻めてくる、文句はこの戦いが終わってからだ!




 野に放たれた悪魔セバスチャンを改めてみる、執事服がところどころ破れている。

 さすが、酒乱のバッカス!伊達に10万G分の酒を飲まされてアル中にまで落ちていない、それなりに奮闘はしてくれたようだ。


 だが、まだだ、まだ、勝てる気がしない。


 俺が相手にするには五分ほど早い!


「セバスチャンさん……あなたが自由になってしまった今、俺たちに勝ち目はない!……想定外です……なんて言うと思いましたか?ここで奥の手使わせてもらいますよ!」


 俺は奥の手⑦を発動させる。


「クリスティーナいまだ!セバスチャンを頼む!」


「はい!ピッケルさんっ竜人の名に懸けてっゴブリンの守護竜として!肉祭りのために!ピッケルさんに今死なれては困ります、悪魔のPTを止めて見せます。」


 言うや否や、ゴブリンたちの中からゴブリンが一匹セバスチャン目掛けて猛然と駆け出す。

 なんてゴブリンだ!!いや竜人クリスティーナだ。

 凛とした強さと気品を兼ねそろえた、半端ない美少女である。


「えっバッカスさん入れて五人PTだったんじゃ……六人目だなんて許されるの?」


 エミリアさん、違います。


 バッカスはただ、酔っぱらって乱入してきたアル中のおっさんだよ?

 セバスチャンがワインを割ったのが悪い!

 あっワイン割ったのは俺だったかもしれん……


 俺は一度も、俺たちがバッカスを入れた五人PTだなんて言った覚えはないぞ。

 勘違いしていたなら、俺のせいじゃない。


 俺たちは、俺、カリン、シャル、キャトル、クリスティーナの五人PTだ!最初からな。

 力で劣る俺たちが四人で戦いを挑むだなんて馬鹿なの?そんな馬鹿なことをするはずがない。


 奥の手⑦

 セバスチャン奇襲の為、ゴブリンの中に隠れていた竜人クリスティーナの投入である。

 戦力の逐次投入など愚の骨頂ともいわれるが、セバスチャン暗殺用の奥の手だったのだ、ここで手札を切らされるのは不本意だが、致し方ない……



 猛然とセバスチャンに襲いかかる守護竜クリスティーナ。


 「たしかに、バッカスはただの乱入者ですね、バッカスの件と言い、これもピッケル様の悪だくみの一つですか……いいでしょう正々堂々受けて立つのが強者の務め!かかってきなさい!」


 偉いぞセバスチャン伊達に剣聖してないね!伊達に強者していないね。


 セバスチャンとクリスティーナの死闘が開始される、さすが竜人である。

 とりあえず、暫くは任せられそうだ。



 俺は、今度こそとどめを刺しに再度エミリア向けて駆け出す!


 「エミリア、このままじゃ不味いですね、あの遊び人が此方にたどり着いたら、何をされるか考えただけでも恐ろしいです。なんとしてもここで仕留めましょうMPの温存は後回しです。」


 「わかったわアルレシア、此方も本気でいきましょう!」


 えっ今まで本気じゃなかったの?遊び人と遊んでくれてたの?


 「召喚魔法:キングスライム!」

 「召喚魔法:メタルゴーレム!」


 エミリアとアルレシアが魔法を唱え、二体のモンスターが二人を守るようにこちらに向かってくる。


 「驚いた?SPが尽き、武器を壊された弓術士なんて何もできないと思ったのが貴方の敗因よ。私の本職は魔道弓術士よ!どう驚いた?」


 どんだけ、驚いて欲しいんだよ、はいすごい驚いてます。


 「そんな、エミリアが魔法まで使えるだなんて……勝てるわけがない。」


 めんどくさいから「なんていうと思いました?」は省略だ。

 遊んでる暇はない。

 こちらもスキル全開でいかせて貰うぞ?手加減はなしだ。

 SPが尽きる前に俺のHPが尽きては元も子もない。


 「神剣ゴブリーヌの加護を!」


 俺は真剣に神剣に祈りをささげる……おやじギャグじゃないぞ、お兄さんギャグだ。

 祈り終わった俺は、運に任せて、神剣ゴブリーヌをキングスライムへ投げつける。

 綺麗に神剣ゴブリーヌはキングスライムのコアに突き刺さり、一瞬で爆散する。


 ふふん。キングスライムとは、何度戦っていると思っているんだ?

 ダナンのクエストでキングスライムの弱点は完全に把握済みだ。


 エミリアとアルレシアが驚愕の表情を浮かべる……


 「まさか、キングスライムが一撃で屠られてしまうとは、さすがにこれは、まずい?……とでも言うと思いました?本命はメタルゴーレムですよ!剣の無くなった貴方など私の魔法の餌食です!」


 アルレシアがまた遊んでいるが、今はかまっている場合じゃない。

 知っていたかい?命がけの戦いの最中なんだ。


 さらに俺のターン!


 「早着替え:神剣ゴブリーヌ」


 投げつけられたゴブリーヌが俺の手に一瞬で戻る。


 「……剣が戻った」

 エミリアが絶句する。


 さらに俺のターン。


 「ボール投げ!」


 新しく取得した遊び人固有スキルを発動する。

 二倍の力で物を投げるというシンプルかつ強力無比な遊び人スキルだ!


 再度投げつけられるゴブリーヌ……ごめんよ我が愛剣よ。

 この戦い終わったら町一番の鍛冶師の所で刃を研いでもらおうね。

 あっそれもしかしたらトルネオか?


 もの凄いスピードでゴブリーヌはメタルゴーレムの胴体に突き刺さり、一撃でコアを破壊する。

 どうだ?みたかこれが遊び人の本気!

 まさか一撃とは……俺もびっくりだよ?


 メタルゴーレムが弱いのか?俺が強すぎるのか?当然後者であるべきだ。

 メタルゴーレムよ、お前は強かった!相手が悪すぎたのだ。


 「神聖なPT戦を邪魔するモンスターがいた気がしますが、一瞬でいなくなってしまいましたね?あんなモンスターで遊び人の足止めをしようだなんて、何という愚策、それでも賢者なのですか?」


 おらおら、ずっと俺のターンだストロングに煽りにいく。

 実はショートテレポートでちまちま逃げられ、戦いが長引くのが困るからだってのは内緒だよ。

 アルレシア俺は早期決着を望む!全力でこい。そして負けてくれ。


 「認められません、賢者の私が遊び人ごときに負けるだなんて……想定外です……とでも言と思いました?食らいなさい我が最強魔法!」


 「愛剣を二度も投げつけるなんて、武器を愛する心もないのね……所詮は低俗な人間ね。でもこれであなたの愛剣はなくなった、今がチャンス私も最強魔法で終わらせるわ。」


 いや、エミリアさん、君自分の体を弓で護ってぶっ壊してませんでした?

 いちいち突っ込むのが疲れます。


 二人が呪文の詠唱に入る。


 最強魔法ってなに?美味しいの?俺のターンのうちに終わらせなきゃまずいって奴だ。


 だが、甘いまだまだ、ずっと俺のターンのはずだ?そろそろ相手ターンだったりします?


 「あやとり!」

 再度あやとりマスターになった俺は、ゴブリーヌに巻き付けておいたスパイダーキングの糸を一気に手繰り寄せる。


 早着替えほどではないが、一瞬で俺の手元に武器が戻る!


 二人が驚愕の顔を浮かべるが、呪文詠唱中だ。

 驚きの声が上がらない……拍子抜けだぞ?

 「いうと思いましたか」とか言わせたかった!


 だが、どうやら俺の方が一歩遅いようだ……最強魔法の詠唱とやらの方が、俺がアルレシア達にたどり着くより速く発動する。


 「これで最後よ!!くたばりなさい人間!炎属性上級魔法『インフェルノ』」


 言葉遣いが悪者そのものだぞ、エミリアさん。

 紅蓮の炎が俺を中心に巻き起ころうとする……


 「私のMPをすべて注ぎ込んだこの魔法で蒸発してください。雷属性最強魔法『サンダーレイン』」


 俺の真上に雷雲が発生し、雷の矢が俺に降りかからんとする……


 これは、雰囲気で悟る、これはヤバい奴だ。さすがにオーバーキルじゃない?非人道的魔法では?なんとか条約で禁止されてるだろ?

 遊び人一人に二人かかりで卑怯だぞ。

 ヤメテくれませんか……これ喰らったら骨も魂も残りそうにない。


 「さすが、賢者にエルフですね、これは参りました……想定外です……とでも言うと思いました?」


 「シャル!いまだ頼む!」


 奥の手⑧の発動だ。


 シャル大丈夫かい?できるよね?無駄打ちとかしてないよね?

 雷雲やら紅蓮の炎やらがうるさいけど俺の声聞こえてるよね……

 俺は、シャルたちの戦い見てる余裕なかったけど、シャルはちゃんとこっちの戦いにも注視してくれてるよね?信じてるぞシャル。 


 「任せてくださいピッケルさん!『呪われた聖者』になった私の気持ち受け取ってください!」


 どんな気持ちだよそれ……嫌だよ……断る!

 いいから早くスキルを発動させるんだ、俺が死ぬまであと3秒くらいだぞ?


 「呪われた聖者の呪い!」


 「呪われた聖者」シャルの秘奥義が炸裂する。

 ただでさえ呪われた聖者が呪ってくるんだぞ?とんでもないスキルだ……恐ろしすぎる……即死効果があっても不思議ではない。


 シャルが発動した呪い、その効果は、敵が発動中のすべてのスキル、魔法を全て無効化する。

 一日一回しか使用できない最強最悪の呪い!

 いや、俺にとっては加護だ!いや、やっぱり呪いは呪いだ。


 俺の周りに発生し、今にも俺を殺そうとしていた、紅蓮の炎と雷雲が霧散していく。


 「やりましたよピッケルさん!あとでご褒美弾んでもらいますよ?」


 えっこの戦いの為にお金は、ほぼ尽きている、ご褒美なんて買えないよ。


 「さすがシャル、俺にとってはいつまでも最高の聖者だよ!本当にありがとう!二人を仕留めたらすぐそちらの加勢にいくからまっててくれ!」


 この言葉でご褒美ってことで許して呪われた聖者よ。

 ご褒美がないからって俺を呪わないでね……



 「そんなまさか……もう弓が壊れ、MPも尽きてしまったわ……」

 「そんな……すべてのMPを注ぎ込んだ魔法が消え去るなんて、そんなの反則だわ!」


 驚愕している暇があったら「参った」と言いなさい。

 MPが尽きた賢者と弓士など遊び人の敵ではない。


 これで最後だ、とどめの一撃だ!


 「あやとり!」

 とどめのスキルが「あやとり」ってのがちょっとカッコ悪いが殺すわけにもいかないだろう。


 俺は、スパイダーキングの糸で二人をグルグル巻きの刑にする。

 MPの尽きた二人にこの糸から逃げるすべは絶対にない。そう絶対にないのだ、これは前振りではない。

 絶対にないのだ!


 俺はゆっくりアルレシアの前にゆき、剣を首元にあてる。


 「勝負あったようですね。俺たちの完全勝利です、MPも付き拘束されたあなた方に勝ち目はありませんよ。さあ負けを認めてください。」


 スパイダーキングの糸にグルグル巻きにされたアルレシアとエミリアは屈辱にゆがんだ顔をしている……


 だが、そこは悪辣なる賢者と卑劣なるエルフである、何をしてくるかわかったものじゃない。

 今のうちに打ち首にしようか?うん、そうしよう、そうしよう、心の中で悪ピッケルさんが騒ぎだす。


 「さすがにこの状態じゃなにもできないわ。負けを……負けを……認めます………………なんて言うとお思いました?」


 まだ言うか…………なかなか強気な賢者である。だがこれで賢者を、俺の思い通りにいたぶる口実ができたようだな!ふふふ。ひひひ。


 この賢者に「参った」と言わせる手口など遊び人の俺なら考えなくても10通りは思いつく……妄想するだけでワクワクドキドキが止らない。

 だが、どの手も発動中にシャルとカリンに俺が殺されかねない、それにゴブリンの王としての尊厳が大いに傷つく、さあどうしたものか……やっぱりやっちゃう?すっぽーんとね。


 「奥の手発動です!」


 いやそれ俺の口癖!真似するなエセ賢者、奥の手ってのはな、大抵卑怯な技なんだ……やめてくれ。


 「今この時点をもってPTリーダーをセバスチャンさんに変更します!」


 アルレシアが高らかに宣言した。


 えっ…………アリなのかそれ?流石に卑怯すぎるぞ賢者。

 お前、まさか前世は遊び人だったとか?


 さすが賢者の奥の手である……卑怯にもほどがあります。


 さてどうなることか……勝負の行方は立会人バッカスにゆだねられることとなった。

 頼むまともな裁定を!


 【※読者の皆様へ】


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