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幸運全振りで異世界転生!職業遊び人で目指す異世界最強  作者: ひろち
遊び人と執事の対決
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遊び人はレッサードラゴンに苦戦する。

 カリンが戦線に復帰し前衛2中衛1後衛1の万全の態勢となりトカゲが狩りを継続する。


「みんなおそくなったわ。遅れた分すぐに取り返すから!」


 いや、程々にお願いします。仲間を含めたバトルロイヤルやってるんじゃないんだ。同士討ちしたらどうしてくれる?


 トカゲの後ろ側にまわったキャトルは、持ち前の敏捷を活かし、機敏に動き回りトカゲの尻尾による攻撃をかわしながらも、少しづつ攻撃を与えている。本当に少しづつだ。このペースじゃあ明日までかかるかな?先に帰ってるよ。

 トカゲも尻尾の方は意識二割といったところで、先ほど大ダメージを与えられた俺にかなりの注意を割いている。


 素早いだけのゴブリン・ファイヤーボールを避けれなかった勇者・体力満タンの仲間を回復する聖者・前足にそれなりのダメージを与えた遊び人。

 うん、おれ結構頑張ったな?トカゲの注意が俺に向かうのもしょうがない。俺でも俺を一番警戒する。

 状況は悪くない、火力の高い勇者ががら空きだぜ?


 カリンも遅れを取り戻そうと、スキルを発動させる。

 スキル「ブレイブスラッシュ」中衛からほとんど隙なく、通常攻撃の1.5倍の斬撃を飛ばすカリンお得意のスキルだ。クールタイムも短く、威力もある。中衛からこれだけ打ってるだけで、PTメンバーとして十分な有用性を示せる勇者様固有スキルだ。このスキルさえあれば俺も体を張らずにすむものをと……

 狙いも悪くない、俺が傷つけた右前足の完全使用不能を狙った追加攻撃だ。

 傷ついた所にさらに攻撃を仕掛ける!これぞ勇者容赦がない!非道なり。


 ただ、トカゲもだまってダメージを食らってはくれない。

 半分ちぎれかけた手をさらに、剣で傷口をグリグリされることを想像してみてほしい。それはただの拷問だ。人道上許されないし、トカゲさん的にも許しがたい攻撃だったようだ。

 ごめんカリン狙いは最悪だったようだ!


 レッサードラゴンは、必死に体を捻りカリンの攻撃を背中で受け流す、これはさすがのレッサードラゴンも本気の回避。ダメージは少なくても傷口への追加攻撃が相当嫌だったようだ。今までと速度が違う。

 カリンの斬撃は、レッサードラゴンの背中に突き刺さり鱗ごと肉を抉るが、致命傷にはほど遠い。


 副次的に、トカゲの必死の体の捻りは、必死の尻尾による攻撃となった……尻尾と戯れていたキャトルが危ない。

 キャトルも必死にトカゲの尻尾を回避しようとするが、トカゲの必死の回避の副産物必死の尻尾の攻撃対急激に攻撃速度が変わり驚きのキャトル。敏捷特化といえるキャトルでも回避できない致死性の尻尾攻撃を食らう。


「キャーご主人様ー助けてっグハッ」


 ごめん。俺の位置からは何もできないわ。


 レッサードラゴンの尻尾がキャトルに直撃し、バキバキゴキっと色々壊れた音がする。

 キャトル……お前のことは忘れない。ゴブリンの村の英雄として銅像を……

 なんてことを考える暇もなく、キャトルは空高く飛んでいく。たーまやー。

 ああ。これはほんとに不味い……一瞬の油断で死ぬる相手。

 特にキャトルは武器と防具が一番貧弱。というかキャトルの武器をそろえるために今トカゲと戦ってるんだ。保護者としての俺たちは悪くない。よね?

 自分の武器と防具の為だ命をかけるのは当たり前だ。たとえ幼女だとしてもだ。

 ここはそういう過酷な世界、過酷なPTなのだ、ごめんねキャトル。八割カリンが悪い。


 だが、うちのPTにはこういうときに頼りになるあいつがいる!

 ここで仕事をしなくていつするんだ?準備できてるよね?

 信頼してるぞシャル!!


 スキル「エクストラヒーリング」シャルの回復上位魔法がドンピシャのタイミングでキャトルに飛ぶ。

 もう少し遅ければ、尻尾に吹き飛ばされて空高く上昇中のキャトルは、魔法の効果範囲外になっていただろう。さすがシャル、呪われた聖者!ダメージを入れられる前に事前詠唱を開始し、詠唱時間を任意に伸ばしたり早くしたり、時にキャンセルし、タイミングを合わせて回復しているのだ。

攻 撃を受けて一秒後には、キャトルのバキバキゴキっと折れた骨やらが、めきめきと修復され、もとのキャトルに戻る。ゾンビキャトルの誕生である!


「キャトルちゃん大丈夫ですか?って声もう届いてませんね……安心して落ちてきてください。受け止める魔法はありませんが、絶対に回復させますから……」


 キャトルは体が軽い分よく飛ぶよく飛ぶ。そしてキャトルは見えなくなった。俺たち野球でもしてるんだったっけ?


「ちょとそこのトカゲなにしてくれてるのかしら?キャトルの仇は私がとるわ。」


 はい。お願いします。狙ったわけではないとしても、君のスキルのせいでキャトルは空高く舞う竜騎士になってるんだ、落とし前つけてくれ。


 必死の回避を行ったせいで隙のできたレッサードラゴンの左前足にスキル「ギガンティックスラッシュ」を発動させる。事前に二秒のチャージが必要だが、今回は問題なくチャージすることができた。通常攻撃の四倍の斬撃が一気にドラゴンの左前脚を切断する。

良かった俺には当たらなかった!でかしたぞカリン、キャトルの仇はまだ取れてないが、俄然我がPTが有利だ。

 これでドラゴンの両前足は使い物にならなくなった。だがドラゴンの前足自体そもそもメインウェポンじゃないとは思うんだけどね……

 図体の割に短いし。


 俺も追い打ちをかける。

 スキル「物真似:ブレイブスラッシュ」前衛の距離にいたが、ここはあえてキャトルの仇を取るために、トカゲの尻尾を中距離から攻撃する。

 だって、怒り狂ったレッサードラゴンの懐に入るなんて危ないじゃないか?それに懐にはカリンもいる。勇者の攻撃に巻き込まれたら大変だ。

 カリンも早く逃げるんだぞ。


 キャトルの連打が効いていたのか、ゴブリーヌから放たれるブレイブスラッシュの威力なのか、遊び人の力なのか、トカゲの尻尾きりに成功する!

 よし、これでほぼ勝敗は決まったようなものだ!


 かなりダメージをくらって、怒り狂うドラゴンさんの猛攻がカリンに襲い掛かる。

 だから、懐に入っちゃダメなんだ!逃げろカリン。

 残ったのは、狂暴な牙付きのドラゴンの頭、カリンの頭がちょうど口の中にはいるくらいの大きさだ。

 一撃目は、バックステップで華麗に回避。だが二撃目は回避できそうにない。


「カリン避けろよ!」

「ピッケルたすかるわ。」


 俺は思いっきりゴブリーヌを投げつける。

 愛しの神剣ゴブリーヌを投げるなんて許されざる蛮行ではあるが、仲間のピンチだしょうがない。

 使い慣れたゴブリーヌはトカゲの頭目掛けて、一直線に飛んでいき、右の眼に綺麗に突き刺さる。

「ぐぎゃあああ」とトカゲが断末魔の叫び声を上げる。


 が、まだトカゲのHPは残っているようだ。

 カリンは通常攻撃をトカゲの首に一撃入れていったん離脱。

 俺は退避しながら、装備をクロスボウに変える、こいつもくらっておけ。

 クロスボウから放たれた矢がレッサードラゴンの左目に突き刺さる。

 ふはははは、わがPTの戦力は圧倒的だ。


 両手を使用不能にされ、両眼を見えなくされ、尻尾も切られたトカゲにさすがにもう勝機はないだろう。

 なんて勘違いしてないだろうな?

 さすがにドラゴンの名前を持つトカゲだ、最後の悪あがきがさく裂する。

 俺が切り落とした尻尾が一瞬で再生する。やはりトカゲだ尻尾には再生能力があったようだ。

 これじゃ、せっかく切り落とした意味がないじゃないか?キャトルの命がけの攻撃とはいったい何だったのか?

 ドロップ品が尻尾一個増えたわけだ!でかしたキャトルさすがだ。


 両足を軸にものすごい勢いで回転をしながら、尻尾を振り回すドラゴン。

 えっと、隙が見当たりません。前衛としてできることはありません。

 カリンさんやっておしまいなさい!


 スキル「ブレイブスラッシュ」カリンの剣から斬撃が飛ぶ。

 狙いもくそもない回転するドラゴンの中心を目掛けて飛んでいく。

 狙ったわけでもないだろうが、トカゲの尻尾に斬撃は叩き落される。

 うーん。打つ手なし?帰ろうか?最初からずっとこれやられてたら俺たち帰ってたね。


 だが、俺たちには忘れたころに落ちてくる仲間がいる。

 空高く舞い上がっている竜騎士キャトルだ。


「ご主人様!今戻ります!このまま、ドラゴンに空からの一撃をおみまいしちゃいます」

「大丈夫か?こっちも手が出せない、とどめは任せた」


 キャトルはちょうどドラゴンの真上に打ち上げられそのまま真下に落下してくるが、ドラゴンはまったく気が付いていない。

 自分が打ち上げておいて忘れてしまうなんておっちょこちょいな奴だ。所詮はトカゲ。

 手に構えるはヒッグスナイフ。ちょっと弱いかな?任せろキャトル。

 スキル「早着替え:ゴブリンソード+20」ゴブリンソードがレッサードラゴンに追加ダメージを与えながら俺の手に戻ってくる。


戻って来るや否や再度ゴブリーヌを投げつける。今度はキャトルへ。

ちゃんと受け止めてよ???易々とキャトルを切り裂くだけの攻撃力がゴブリーヌにはある。


「キャトル!とどめはゴブリンソードを使え!」

「ご主人さまの愛剣神剣ゴブリーヌ様じゃないですか!光栄です。必ず倒してみせます!」


 見事、ゴブリンソードをキャッチするキャトル、ヒッグスナイフはゴミの様にドラゴンに投げつける。

 ナイスキャッチキャトル!


 そのままゴブリンソードを両手で持ちドラゴンの中心向け落下するキャトル。

 回転し続けるドラゴンとは正反対に呼吸を整え、一直線にドラゴンの体の中心部へ突っ込む。

 ゴブリンソードが突き刺さり、色々大切な臓器が次々に切り刻まれていき、やがてドラゴンの回転がとまり、その場に倒れこむ。


 勝負あり、ゴブリンがレッサーとはいえドラゴンに勝った瞬間であった。これ歴史に名が残るんじゃね?

 竜騎士キャトル誕生の瞬間でもある。


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