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幸運全振りで異世界転生!職業遊び人で目指す異世界最強  作者: ひろち
遊び人と執事の対決
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遊び人と勇者と執事と。

「セバスチャン!なんでここがわかったの!?何しに来たかしらないけども、お断りよ!!」


 おお。カリンの先制攻撃が飛ぶ、そうだ、きっと禄でもないことをしに来たに違いない!でも、話だけでもきいておかない?カウンターアタックで俺の首が飛んだりするかもしれないよ?なにせ相手は本当のセバスチャンだ。


「ピッケルさん、キャトルちゃん、セバスチャンさんは、カリンの家に仕える執事です。そしてとても強いです、何をしに来たにせよ、強硬手段に出られたらとてもマズイです。」


 小声でシャルが説明してくれる。やはり危ない執事らしい。


「お嬢様、ご主人様のご命令です。ご主人様が用意されたPTにお戻りください。」


「嫌よ!お父様の言いなりに勇者をやっても強くなれないと悟ったの。初めてピッケルとPTを組んだ時も、どう動いていいのかわからなくて本当にピッケルを殺しそうになったわ。今私はピッケルと一緒に少しづつ強くなっている実感があるの、ピッケルのPTを抜けるつもりはないわ!帰って頂戴!」


 あの、あまりピッケルピッケル言わないでくれませか?セバスチャンさんが殺気のようなものを当ててきてるんですけど??

 俺のせいでカリンが昔のPTに戻らないなんてことになったら……

 俺は、全力でカリンの味方をするしかない!俺たちは仲間だ!この三週間一緒に狩りをし冒険し命を助け合い、固い絆で結ばれてる。カリンが魔王打倒したいというなら行くし、シャルが悪の法王を倒したいといえば行こう。

 なぜなら俺は魔族を倒してしまったしがない遊び人……強い仲間に守られないとすぐ死んでしまうんだよ!!

 キャトルだけはわがまま言わないいい子だ。


「お嬢様……この一か月で見違えるように強くなられたご様子。レベルや剣術だけではなく、精神的にも大きくご成長されたご様子、セバスチャン嬉しくおもいますぞ。」


「ええ、私は変わったの。もう昔の様に守られた勇者をする気はないわ!勇者とは、弱きものたちを、そしてPTメンバーを守るためにいるものよ!」


 カリンの成長を目の当たりにして、心なしかセバスチャンが嬉し泣きしそうになっている。まるで、孫の成長を喜ぶおじいちゃんのようだ。年齢的にもそういう関係性だったのかもしれない。


 でも、カリンさん貴方たまに、仲間を後ろから殴りつけてるから、連携するとき気を付けようね?勇者だもんね。


「お嬢様のお気持ちお考え大変ご立派です。ですが……ご主人様のご命令なのです。反対されるのは、ご主人様も当然承知の上で私を派遣されております。最悪力づくでも、とのご命令です。どうかご支度ください……」


 でも力づくはマズイよ?それって誘拐ってやつだ!誰かこいつを止めるんだ。

 どっかにいないのか?セバスチャンより強い奴は?魔王とかか?そのレベル??


「セバスチャン聞いて!お父様はここにはいないわ。私を見つけられなかったことにして帰るっていうのはどうかしら?お願いセバスチャン!」


 カリンが上目遣いでお願いしている。いけいけその調子だおじいちゃんは孫のお願いは断れない仕様になっているんだ。


「残念ですが、それは無理です、PTの仲間になる予定の賢者が遠見の魔法でお嬢様がラクーンにいることを発見しているのです。そこまでわかっていて私が発見できなかったなどありえないこと。そもそもご主人様に嘘をつくわけにはいきません。」


 ピッケルPT万事休す。

 これは荒事発生危険性増大か?対処すべく警戒レベルを最大にする。


「あのすみません。初めましてPTリーダーのピッケルといいます。さっきから話を聞かせてもらっていますが、もうカリンも子供じゃないのは分かってますよね?セバスチャンさんは、ただの執事じゃない、カリンのことをよくわかっている理解者ですよね。カリンがどうしてお父様の用意されたPTに戻りたくないかもわかってらっしゃるんでしょう?カリンの為にどうか見逃してもらえませんか??」


 遊び人として厄介ごとには積極的に介入だ。

 PT解散の危機だからな。

 魔族に狙われているだろうピッケルが一人になったらまずいんだよ!セバスチャンその辺のことも考えてくれてるのかな?

 特にシャルに抜けられるとまずいんだ。貴重な回復役だぞ!カリンだけなら……っとダメダメ。


「ピッケル様あなたのお陰でしょうかな?お嬢様はずいぶん変わられました。ですが、これ以上お嬢様に近づくのはよして頂きたい。貴族には貴族の事情というものがございます。ましてお嬢様は勇者として、魔王と戦う運命を背負っておられるのです……あなたのPTがお嬢様にとって大切なものだとしても、私たちにはお嬢様の命が一番大切なのです。」


 俺の孫娘に手を出すなよ的な?ストレートな威圧ですね。ストレートパンチなら避けるまで。大丈夫だ、手は出してない。


「貴族の事情なんて俺には関係ないです。俺たちはPTを組んで死地を共にした仲間なんです。カリンが嫌といっているなら俺たちはカリンのしたいように協力するまでです。力づく?力じゃ何も解決しませんよ?」


 暴力反対!誘拐反対!お互い納得いくまで話会おうじゃないか?


「ほほう。小僧が!いっぱしの口を聞いてくれるな!表へ出ろ、よくも悪くもお嬢様が変わられた、そもそもの元凶は貴様にあるようだ。せめてもの情けだ、一瞬で終わらせてやる。感謝しろ。」


 おいセバスチャン!口調口調!!魔族より恐ろしいぞお前。人間に戻るんだ!

 酒場内にセバスチャンの殺気が充満する、威嚇の意味も込めてあえて殺気を放出しているようだ。

 殺気に機敏な一流の冒険者たちは、無駄な争いに巻き込まれないよう勘定をするため席を立つ。

 二流の冒険者はその場に固まり、三流の冒険者は殺気に気が付かない。


 そして超一流の冒険者は厄介ごとに目がないものだ。

 この酒場には超一流うのおっさんがいる。


「おーう。俺の店でそこまで殺気を出すたあいい度胸してくれてるじゃねーか。これじゃあ商売あがったりだ。」


 そこには店の店主バッカスがいた。いつもは酔いどれ風だが、今は纏っている雰囲気が凛としている。

 バッカスさん超イケメン!


「ほほう、これはこれは、酒乱のバッカスですか……こんな南の都市の場末の酒場にいるとは、貴方も奇遇ですね。」


「剣聖セバスチャンか……こんな場末の酒場で悪かったな。とにかく若いものの将来をおっさんやおじいさんが勝手にどうこうするのはどうなんだ?かっこ悪いぜ。とにかく楽しく酒でも飲もうぜ?」


 なんか二人とも二つ名がありますね。相当有名みたいですよ。特にカリンさんあなたのところの執事の二つ名がおかしなことになってますけど?


「私はこれでも執事としての誇りがあります。たとえお嬢様が反対されても、執事としての役目を果たすまででございます。」


「なあ、セバスチャンそう熱くなるなよ。酒でも飲め。ピッケルは、これでもなかなか見込みのある将来有望な遊び人だ。そしてラクーン最高の酒場黒羊亭の上客中の上客。さらにはゴブリンの王だ。どうだろう?あんたのお眼鏡に叶うかどうかPT戦で試してみるってのは?どうだ楽しそうだろ??」


 楽しそうかどうかで、PTの行く末を左右するな!さすが酒乱の二つ名のバッカスだ。

 PT戦だと?それは俺たちVSセバスチャン一人という解釈でよろしいか??


「バッカスさん、セバスチャンさんと戦ったらピッケルさん死んじゃいますよ!」


 シャル地味に怖いこといわないで……


「ふむ。確かにおもしろいでしょうな、直々にお仕置きするいい口実ともなりますしね。ですが面白い面白くないで動くのは酒乱や遊び人。私は真面目な執事でございます。」


「セバスチャン!一生のお願いだから、私たちにチャンスを頂戴!」


「お嬢様の一生のお願いは、これでちょうど百回目ですね。まさかの記念すべき百回目です。」


 おいカリン一生のお願い使いすぎだろ!セバスチャンさん可哀そうだぞ、そして一生のお願いは今日の為にとっておけよ!!

 いちいち数えるセバスチャンもセバスチャンだぞ!男なら過去のことは忘れて可愛いお嬢様の言うことを聞け。


「そっそうだったかしら、でもセバスチャンはいつも私の我儘をなんとか聞いてくれたわ!これで最後にするから、本当の最後の一生のお願いよ!!」


「最後の一生のお願いもすでに十回使われておられますよ。いつもお嬢様はそういって私を困らせるのです……」


 お嬢様の一生のお願いを聞かない執事なんて俺は執事としては認めんぞ!

 よく考えろ、ごついお父様より、かわいいお嬢様のお願いを聞くべきだろ。


「セバスチャン!私いつか強くなって魔王を倒して、お父様と貴方が待つ城で、貴方の入れてくれた紅茶を飲むのがとても楽しみなの。そのためにもピッケルと強くなりたいの!本当にお願いセバスチャン!」


 カリンの必殺技がさく裂した。これに耐えられるようならセバスチャンのカリンへの愛は偽りだ。

 もしくは、カリンの父親は規格外のバケモンなみに怖い奴ってことになる。


「……お嬢様!!!セバスチャン光栄でございます。今回は記念すべき百回目の一生のお願い!記念でございますからね……しょうがないでしょう……それに酒乱のバッカスの顔を立てる意味もございますし、先ほどの今の提案を受けましょう。ピッケル様のPTの方がお父上が用意されているPTより有用だと私が判断すれば、お父上にその旨を説明差し上げます。説得できる保証はできませんが、暫くの時間稼ぎにはなるでしょう。ピッケル様どうか期待を裏切らず強くあってくださいね。」


「おう。話がまとまってよかった!景気づけに一杯奢るぜ。PT戦だが、お互い準備があるだろうから、一週間後の正午に南の平原でやりあう。人数は最大五人まで。これでどうだ?」


「異論ございません。」


「わかりました、この一週間死ぬ気で頑張ります。」


 バッカスが気を利かせて一週間の猶予をくれる。さすがバッカスあと一年くらい引き延ばせません?お金は弾むよ!


 セバスチャンがニコリと笑う。やはり基本はカリンの味方だ。

 でもさっきの殺気は、本物だったよな。

 当日は絶対に俺目掛けて飛んでくるよな……勝てるイメージがわかないぞ?


 バッカスも上機嫌だ。


「おう。俺も当日は酒でも飲みながら見物にいくぜ。」


「セバスチャン!ありがとう。絶対にあなたに私たちのこと認めさせてみせるわ。」


 こうして何故か一週間後にどっかの誰かの謎のPTと戦い、セバスチャンに俺たちのPTの有用性を証明することとなった。

 セバスチャンがどんなPTを用意してくるかはまだ謎だが、俺たちより強いのは確実だろう。


 このクエストはクリア無理かもな?


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