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幸運全振りで異世界転生!職業遊び人で目指す異世界最強  作者: ひろち
遊び人とゴブリンの村
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遊び人は祭りを楽しみ過ぎる。

 祭りが始まり、飢えたゴブリンと飢えたドラゴンが一斉に肉を食べ始める。

 食べても食べてもどんどんバッカスが肉を焼き上げていく。

 焼く方と食べるほうの戦争だ。


「ご主人さまありがとです。今まで食べた中でも最高のお肉!世の中にはこんなおいしいものがあるんですね。私も世の中見て回りたいな。」


 最初に出会ったゴブリンちゃんが言う。


「ピッケルさん、このお肉焼き加減が絶妙ですっ肉はやっぱりレアにかぎりますっ」


クリスティーナは生か、まるこげしか食べたことなさそうだもんな……贅沢は敵だぞ。


 それから食べるかしゃべるかどちらかにしようね。

 お行儀わるいよ幼女諸君。

 でも喜んでくれて何より、流石バッカスだ、焼き加減一つにも妥協しない。

 さすが生粋のおっさん料理人!


 料理は肉料理だけではなく、バッカスの店の店員たちが総出で作ったメニューは多岐にわたる。

 まるでバイキングのようだ。


 俺も色々食べてみたがどれも最高にうまい。

 そして酒に合うのだ。


「シャル飲み過ぎに注意してね。このワインすごい美味しいけどアルコール度数がかなり高いよ。」


「はい。本当においしいです、でも今日はお祭りですよ?酔うのも祭りの醍醐味の一つですよ。」


 といいながら、俺にしなだれてくるシャル。地味に豊満な胸があたって、とても夢心地。


 そうか俺が酔わずに誰が酔うってんだ?聖者のシャルロットに教わるとは、俺は遊び人だぞ!ゴブリンの王だぞ、俺が自粛してしまっていては、ゴブリンたちも楽しめまい。

 一番高い酒もってこいバンバン!

 同じ遊び人ならあそばにゃソンソン。


 つづいて俺はとシャルは酒を飲みながらかがり火の方へ。

 カリンはお嬢様系の見た目とは裏腹に職業勇者の為か肉にくぎったけ、そういうところ可愛いよ。

 村長に依頼していたとおり、大規模なキャンプファイヤーができている。

 やはり見た目小学生くらいのゴブリンたちにはキャンプファイヤーがよく似合う。

 よしよし、さあ、踊れ、わーになって踊れ。


「村長色々計算外のこともあったけども、みんな楽しんでいるようでなによりだね。」


「はい、すべてはピッケル様のおかげです、最近は人間との関係もうまくいっておらず、困窮する毎日でしたから最高の気分転換ですよ。私も今日は飲みますよ!」


 村長は村長で魔王軍への参加の是非やらドラゴンの食糧確保やらでかなり疲労困憊のようだ。


 今日はゆっくり休め!

 だが、明日からは死ぬ気で働いてもらうぞ。

 この村はブラック企業を超えるブラックホール企業を目指す!

 俺をこの村公認の王にしたのは村長あなただ!責任はとってもらおう。


 実際酔いながらではあるが、村を歩いてみるといろいろと改善すべき点が多い。

 上水道、下水道の整備、村の塀と堀の整備、各種店舗の整備等々数えだすときりがない。

 俺が大魔法使いなら魔法でホホイノホイで作ってやりたいところだが、いかんせん俺は遊び人なんだ。

 地道にコツコツみんなでやってもらおう。


 少しづつ村が、町になり、町が都市になりやがてゴブリン帝国になるなんて素敵やん。


 俺にできるのは、一緒に遊んでやることぐらいだぜ。

 期待しないでね。


 そうこうしているうちにダナンが開いてくれている、輪投げ店に到着する。

 ゴブリンたちが楽しそうに輪投げをして遊んでいる。

 太っ腹なダナンは、金のないゴブリンのために無償もしくは物々交換で対応してあげている。

 マッドサイエンティストらしからぬ配慮。

 こういう配慮ができるところができるおっさんたる所以だ。


 というか、最初は安く中毒性のある薬をばらまき、中毒になったところで一気に値段を上げる的な、アコギで有名ダナン商会の商法かな?

 俺の村で不正は許さないよ。


「ダナン俺にも、輪投げやらせてくれよ!」


「おお。これはゴブリンの王ピッケル様ではないですか!!ご機嫌麗しゅう。私なんぞの店に王様がきてくれるなんて大変光栄ぜひ遊んでいってください。なかにはレアアイテムもありますぞ」


 ゴブリンの王だとかチャカしてくるが、ダナンも酔っぱらいながら楽しんでいるようでなによりだ。

 バッカスには、金を払ってるが、ダナンには一円も払っていない完全な無償営業だからな。

 ダナンは普通に生きてるだけで人に迷惑をかける体質があるようだから、こういったところで慈善事業に精を出し、悪行を償う必要があるのだ。


 悪いがレアアイテム全部もらっていくぜ!俺の幸運なめるなよ!!


 普段なら絶対そうしたが……俺も悪魔じゃない、ゴブリンちゃんの為に自重しよう。

 明かにレアアイテムにみえるアイテムが20メートルほど先に鎮座しているが、さすがにそれは狙わない。

 届くのかあれ?


 近くのアイテム目掛けて適当に投げる。幸運チート発動!なんやかんや我が転げまわり、すべての景品をゲットだぜ!

 なんてことにはならない。

 ならなくてよかった。少し心配してた。


 やはり攻撃するなり意識して狙わないと幸運による命中率上昇補正等はかからないようだ、チート幸運の発動には、少しでもいいから幸運を意識し行動する必要があるのだ。

 無意識に生きているだけでは、俺は不幸なままなのだ。

 幸運が起こることを意識して戦ったりってのは幸運が起こらなかった場合にかなりリスキーだが、それが遊び人の戦い!


 今度は少し狙いをすまして近くのアイテムを狙ってみる。

 見事一気に二つもゲット!


「ピッケル様すごーい!」


 ゴブリンちゃん達が感性をあげる。

 取れたアイテムはゴムボールのようだ。


「はい。どーぞこれで遊んでね。」


 ゴブリンちゃんに気前よくあげてしまう。

 だって、ゴムボールだぜ?俺が遊び始めたら夢中になって朝まで遊びかねない。

 ゴブリンちゃんは嬉しそうに、貰うと早速地面に力強く投げつけてみる。


「ばきゅーーーーーン」


 爆音ともに凄い反発力で空高く飛び上がり、二度とゴムボールは俺たちの目の前に現れることはなかった……これは宇宙までいったかもしれないね。

ダナン……お前何してんの??今のアイテムはなんぞ?いくらだ?全部売ってくれ!!

景品にも力入れすぎだろ……

あとで、露店が閉まる間際、俺の輪投げですべてのアイテムを回収することを誓う。

 酔ってつぶれてなければね。


 バッカスの酒と料理がおいしく、このペースじゃ祭りを乗り切れないぜ。それも一興なり。


 つづいて、冒険者ギルド副ギルドマスターたるラッシャーの余興へ。

 ちゃんとラッシャーも余興を考えてくれていた。

 柵で囲った中には、1匹のワイルドウルフと、五人のゴブリン。


 ルールは簡単回避能力試し、というか度胸試しというか命知らず試しだ、ワイルドウルフに少しでも触られたらその時点で負け。

 逆にワイルドウルフのしっぽに触れたら勝ちだ。

 だがゴブリンとワイルドウルフどっちが強いんだ??


「ぐはあああ。ピッケル様にお役に立つためにはワイルドウルフごときに負けるわけにはいかないのに……」


 といって吹き飛ばされていくゴブリンたち……明らかにゴブリンよりワイルドウルフの方が格上だからな。

 無謀ってもんだ。


 だが、怪我するや否や宿屋のマイケルが回復魔法を使い一瞬で、それこそ痛みを感じる間も無いほどのスピードで回復をかける。

 安全性にも配慮された、素晴らしいアトラクションだ。

 

俺も参加してみる。


 周りから大歓声だ。


「ピッケル様ーがんばれー」

「ピッケル様!!一生ついていきます。」


 むむ。あくまで余興それこそ、酔った勢いで参加しただけだ、かなり酔った状態の今の俺では勝算はどうだ??ゴブリンちゃんたちの目線がある以上、下手こけなくなってしまった。


 ちらりとマイケルをみる。とても嬉しそうだ。

 さあ怪我しろ!さあ怪我しろ!さあ怪我しろ! 

 怪我しても最低限の回復しかしてやらないぞ。

 マイケルお前も酔っているのはわかるが、顔に出過ぎ、死んで欲しいオーラ出し過ぎだ。

 でも楽しそうで何よりだなっ!


 マイケルには、あとで強いお仕置きが必要だと頭の中でメモメモ。


「ゴブリンの王様の登場だ!ワイルドウルフ一匹では、王に失礼だ、生ぬるい!みんなそうは思わないか?ピッケル様に失礼だろ?」


 おい。こらラッシャー。板前!

 なに無駄に煽っているんだ。

 ゴブリンちゃんたちも酒に酔っているのか……


「そうだそうだーピッケル様ならドラゴンだって温い温い!」

「ワイルドウルフごときデコピン一発でさー。」


 などなど、吠えまくってる。ゴブリンちゃん…………君達俺の強さ知らないよね。

 一緒に戦ったことないよね。

 お祭りじゃなければお仕置きだよ。


「オーケーみんな本日最大のイベントだ、ゴブリンの王ピッケル対ワイルドウルフ五頭だ!!」

 

「さあどっちにかける?」


「ワイルドウルフにかける奴は手を叩け」


 ラッシャーとマイケルが凄い勢いで手を叩く……楽しそうだ。

 お前ら……俺が酔っていて上機嫌で良かったね!


 「ピッケルにかける奴は手を叩け」 


 バチバチバチバチーーーーと凄い拍手だ。ゴブリンの忠誠はしかと受け取った。

 いつの間にか村中にアナウンスされていたようで、見物客もすごい。


 こうなっては逃げるわけにはいくまい、これは決闘ではない。遊びだ遊びだ。

 遊びですよねラッシャーさんマイケルさん?

 遊びならば遊び人である俺が負けるわけはない。


 俺は手に持つ、ワインをグイっと飲むと、遊び人スキル「ステータスアップダイス」を振る。

 酔て狙いが定まらんが、出た結果は、「敏捷3倍アップ効果時間5分」


 ふははは、遊び人が遊びで負けるわけにはいかないんだよ!今まで何度も検証してるが、ここまでチートなステータスアップは初めてだ。

 

何でここで出ちゃうんだよ!なんだ?俺の命の危機?魔族でも襲ってくるのか?

 次の戦いにとっておいてくれよー。


 レベル上昇とともに、かなり上がっている俺の敏捷が、さらに三倍にあがった。

 開始三秒で1匹目のしっぽをさわり、最後の方は観客にもわかるように、かっこいいポーズ何ぞ決めながら五匹全部のしっぽを触り終える。


「ピッケルさまー」

「早すぎて目で追えなかった―」

「さすがは我らが王!王に後れを取るわけにはいかんぞおおお。訓練は明日から~!ウィップ」


 大歓声が巻き起こる。ふふん。ラッシャーマイケル裏目にでたな。だがこれだけではお仕舞にできん。


「みんなここに冒険者ギルドの副ギルドマスターと、謎の聖者マイケルがいる、二人とも今後この町の最高顧問になる人間だ。この二人の強さもぜひ見てみたいだろ??」


いうや否や俺は最大速力でラッシャーを柵の中に投げ入れる。

ラッシャーには反応され交わされそうになるが、三倍速ピッケルの方が早かった。

マイケルは、スピードはそこまでなので余裕で柵の中に叩き込む。


ゴブリンちゃん達の応援が飛ぶ。


「ラッシャーさまーマイケルさまーがんばってー」


「ピッケルてめえーーーー!回復薬の俺がやられたらどうする気だっ俺たちの余興がおわっちまうだろー。」

 マイケルお前ならワイルドウルフ五匹の攻撃くらい屁でもあるまいよ。


「畜生。ピッケルにしてやられたが、祭りだ無礼講だしかたあるまい!このラッシャーの本気のスピード見せてやろう。俺より早くなれば世界でも有数の速さだぞ。」


 というと、三倍速ピッケルよりは少し遅いが神速でワイルドウルフたちのしっぽを触っていく。

 さすがラッシャーだぜ。

 魔族でも一匹まぜておくべきだったかな。

 簡単にクリアーしてしまった。

 ちっ心底残念だぜ。


 だが、俺より少しおそかったよねーラッシャーさん。

 今度いじり倒してやろう。

 とはいえ、ステータスアップダイスの効果のお陰だからな……

 俺もレベルはあがったがまだまだ町のおっさんにはかなわないようだ。早く強くならねば。


 その後マイケルも、スピードこそラッシャーに劣るが、俺の素のスピードよりは速くクリアーしやがった。

 禿げゴリマッチョにスピードでも負けてるとは……俺もまだまだよ!


 結局クリアーできたのは、俺とラッシャーとマイケル、そしてゴブリンが一人だけいたらしい。


 そうこうしているうちに夜も更け、いよいよ祭りもクライマックスだ。


 ダナン特性の花火が夜空に打ちあがる。


「ピッケルさまいよいよですね。がんばってください。」


 シャルはそっと俺の手を握り締める。


 ああ。行ってくるよシャル、祭りもいよいよクライマックスシリーズだ!

 その前に解毒作用のあるキュア頼めるかな?


 酔いが回ってもう吐きそう。さっき無駄にスピードあげすぎました……


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