遊び人とおっさんの祭りの準備
祭ーりだ祭ーりだ祭ーりだ にーくまーつーりーーー!!ドドンドン
祭りほど血と肉が騒ぐものはない、遊び人の性だ。
せっかく祭りをするからには、盛大なものとする必要がある!ゴブリンの王だからではない、遊び人である俺が企画する祭りなのだ!失敗の二文字はない!
祭りって準備や企画も楽しいよね。
余興やイベントを考えなきゃいけないが開始時刻まで半日しかないぜ。
「村長!ゴブリンはアルコールは飲むんですか??あと村には在庫は?」
「アルコールは大好きなんですが、在庫の方は……少ないです。」
「合点承知。肉は今までニートしてたドラゴンがミート狩りしてくるっていうんで、心配はいらないはずです、村長のほうで、肉を焼く準備と大きなかがり火の準備を、あとドラゴンのために食料を取りに行っていたゴブリンたちを祭りが始まるまでに村に戻るように伝達できますか?」
「焼き場と特大かがり火ですね。幸い木なら豊富です、すぐに準備させますね。狩りにでてるもの達への伝達も大丈夫です。」
オーケー最低限祭りの雰囲気をだすためのかがり火と肉は大丈夫だ。
あとはアルコールと余興だな。
アルコールの無い祭りなんて俺は認めないぞ。
「わかりましたじゃあ俺は足りないものを一度町に取りに戻ります。」
「シャル、カリンはついてきて!トルネオさんはゴブリンソードの買取を急いでください。手が空いたらゴブリンを手伝うか何か祭りの余興でも考えていてください!」
「はいな。まかせておいてください。、祭りの余興ならすでにいろいろ考えていますから!ふふふ。ピッケルさん、あなたは有りったけの金と幸運をもってきてください。」
さすが、できるおっさんだ、大抵おっさんは祭りが好きだからな。
そうだ、この際いつもお世話になっている使い捨てのおっさんたちにも声をかけるか。
たまには甘い汁でも吸わせないとな……二度とPTは組みたくないなんて気持ちもきっと祭りが忘れさせてくれるさ。
スクロール「転移魔法:ラクーンへ」
俺はアイテムボックスから魔法のスクロールを取り出し転移魔法で一気にラクーンへ戻る。
この魔法、一度行った場所ならどこでも飛んでいけるというとんでもない代物。
物流の大革命だぜ?
だが、転移魔法自体人間で使える人は勇者より少ない代物で、さらにスクロールの作成をしてくれる人間なんぞほぼいない。
つまりダナンの道具屋で仕入れた超高額アイテムだが、祭りの為には仕方がない。
景色がグニャリとと歪み、一瞬でラクーンへ移動する。
まずはアルコールの確保だ!バッカスの酒屋へ直行する。
「バッカスさん祭りです!準備を手伝ってくれませんか?」
「何っ祭りだと!どこでだ!アルコールは足りてるのか???」
「アルコールが圧倒的に足りてないんです。あとたぶん料理が肉料理に偏りそうなんです。1万Gで今日はバッカスの酒場貸し切り扱いで、祭りの手伝いにきてくれませんか?」
「1万Gだと、そいつは豪気だな。任せろ、今日は酒場は臨時休業だ!従業員総出で手伝ってやるぜ。秘蔵の酒も持っててやるぞ。」
さすがおっさんだ話が分かる。
これで料理方面の不安は消えた。
寧ろ祭りとは思えないクオリティーが確約された。
アルコールも完璧だ。
ふふふ。楽しみすぎるぜ。
つづいては、お世話になってるオッサンへの感謝のお誘いだ。
冒険者ギルドでラッシャーをとっ捕まえる。
「やめろー離せーキングスライムやら、魔族とは戦わんぞ!」
「違いますラッシャーさん!祭りです。祭り!ゴブリンの村で祭りなんです。日頃の感謝を込めて無料招待しますので是非参加してください。」
「祭りだと!わかったすぐに準備する。」
さすがはオッサンだ話がわかる。
祭りという単語を出すだけで、宿屋のマイケルと道具屋ダナンも無事に釣れた。
さらにダナンにいたっては、各種面白いアイテムを持参してくれるとのこと。
自分で作ったアイテム大好き人間だからな。
けが人が出なければいいのだが??
今度どっかに冒険に行く際は、祭りにいくといって強引につ入れていけそうなくらいみんな祭り好きだな。
だよなー祭りを一番楽しむのはどこの国でも子供でも女性でもなくおっさんだ。
一時間後バッカスの酒屋に全員が集合。これは凄いメンツだぞ?
おっさん臭いぞ?加齢臭か?シャル聖水かけておいてくれ。
だが、このメンバーなら魔王も倒せる気がするんだが気のせいか?。少なくてもそこらの魔族ごときには遅れは取るまい。
これは、完全なセキュリティーだぜ。
これだけのメンツを用心棒として雇おうとするとなるといくらかかることやら。
バッカスは大量の酒と食料を自分のアイテムボックスにいれてきてるとのこと。
さらに授業員総出10名も料理人を動員してくれている。
1万Gの力というより、祭りの力だ。
さあ、再度スクロールで転移しようっとすると。
道具屋ダナンのおっさんが!
「ここは私に任せてください。祭りの為です。転移スクロールの一つや二つ使えずに、どうやって道具屋やるっていうんです。」
えっえっえっダナン転移スクロールつかってくれるん?
こんな高額なスクロールを祭りの為に使ってくれるなんて……勇者よりレアキャラだぞ。
さすがおっさんだ……何が起きてももう驚きはしない。
「スキル:スクロール模写!転移スクロール」
「転移スクロール(模写)」使用」
ダナンの転移魔法で一挙にゴブリンの村へ再転移。
スクロールの模写だと?なにそれ実質無料やん……
いやだが、ダナンさん本当にあなた凄いです。
ぜひ我がPTに欲しいが勧誘は後だ。
とにかく今は急いで祭りの準備。
村長へ簡単に挨拶して、それぞれ持ち場にはいり祭りの準備だ!
ゴブリンたちも、すれ違い様「ご主人様ー王さまー」何ぞとと抱き着いてきたりするが、今はかまってられないんだ。
ごめんよ。これもすべては祭りのためだ。
俺が主催するからには、祭りは絶対に成功させる。なにせ遊び人の本業的なものだ失敗するわけにはいかないんだよ!
そしてなにより、ドラゴンによって苦労してきたゴブリンに笑顔を取り戻せ!
そうして、夕暮れが近づき、ドラゴンクリスティーナがもどってくる。
「ただいまですっ。お肉取れましたよ!中でも今回の目玉は……ワイルドビックカウのお肉ですかね。これ一頭でもかなりの量になりますがっジャジャーン三頭もいます。これは私一人じゃ食べきれないです。あとはワイルドピッグやワイルドチキンもたくさんとってきましたっ。ピッケルさんこれでどうでしょう?」
「うん。よくやった!これからもこの調子でゴブリンの村にお肉を調達してあげてくれ。そうすれば邪竜って評価もいづれなくなるさ。」
「はいっ。もう二度と邪竜だなんて呼ばせませんっ。」
「うん。もうすぐで君は邪竜じゃなくなるだろう。もう少しがんばれ、そうすれば、守護竜クリスティーナだ!とにかく今日は存分に肉祭りを楽しもう!」
クリスティーナが涙目になって喜ぶ。
よほど邪竜扱いされたのが悔しかったのだろう。
さて、さすがワイルドビックカウだ……デカい、普通の牛の五倍くらいはあるぞ。
どうするのこれ?ドラゴンなら丸かじりでいいだろうが。
「おお。こりゃどえらい獲物だな。俺に任せろ、腕を振るう甲斐があるな、すぐに解体してやる。」
バッカスが言うや否や、長包丁を一線する。すさまじい闘気を纏った包丁から闘気が飛び、牛さんが真っ二つに割れていく。
なにそれ?勇者固有のブレイブスラッシュより強そうなのは気のせい??
さらに連続して包丁をふるいあっというまにワイルドビックカウは解体されてしまった。
バッカスお前もか……
「腐ってもアルコール臭くても俺は料理人だぜ?解体できない獲物なんぞない。」
かっこよすぎです。あとでPTに誘おう。
こうして料理の準備は着々といすすむ。
マイケルはシャルとともに、狩りで傷ついたゴブリンたちに回復魔法をかけまわっている。
そうだ、怪我なんかしてたら祭りが楽しめないもんな。さすが聖者マイケルだな。
ダナンはダナンで、アイテムボックスからどんどん祭りっぽい提灯やらぼんぼりを出し祭りらしさをだしていく。
ダナン特性アイテムが景品の射的や輪投げなんかも用意している。
いよいよ祭りらしくなってきました。
お前何もんだよ?ドラえもんか何かですか?
トルネオはゴブリンソードをあらかた集め終え満足げな顔をしている。
ゴブリンソードを5Gで買い取り代わりに、必要なものにはヒッグスナイフを5Gで売っている。
おいおい。
それ俺もかっていい?ヒッグスナイフ5Gで売ってくれるなら、ヒッグスナイフ+20も目指しちゃうよ。
錬成……錬成……錬成……
っと話がそれた。
かくして祭りの準備は整った。
いざ尋常に楽しもう。




