遊び人は今後の予定を酔っぱらいながら話しあう。
ダナン=魔族=悪い奴という疑いも、金の力ですべて解決した。
ダナン悪くない。いい奴。お金払う人間いいやつ!!なんだぜ。
ここらで、黒焦げ魔族のドロップ品の確認だ。
ドロップゴールド 10万G
ドロップ品
黒焦げになった宝剣 黒焦げになった防具 黒焦げになった魔族の宝玉。
……どうやら、ファイヤーしすぎたようだ。
ドロップゴールドもすごい金額だが、ダナンの慰謝料に比べると見劣りする。
つーかダナンを倒すとどうなるのかちょっと試したくなるね……
ファイヤーしすぎたのは自業自得、逆にある意味レアドロップかな。
命がけで戦ったのに、割に合わんぞ。ファイヤーストームは封印だ。
レベルも俺が25、カリンは35 シャルが42まであがっている。
これで俺もレベル25になった、中級レベルっていったところだろうか?
まだまだ、最強には程遠い、魔王討伐にはどれくらいレベルが必要なんだろうか。
「ダナンさん、あなたの疑いは完全に晴れました。」
「まさか50万Gもポンとだせるだなんて、ある意味疑いは深まった気もしますけど……今回の件すべて計算したうえでのことなんじゃないかって。」
シャルロットさん、少しだまっていようか?
「俺はダナン(金)を信じるよ。」
俺の一言でダナンの件は一件落着、今後ともひいきにしてやろう。
ダナンの疑いも晴れたところで、もうここには用はない、早急に立ち去る。
ダナン変態疑惑がある今、シャルとカリンをダナンの近くに置いておくわけにはいかんのだ。
流石に疲れた。明日に備えて、英気を養おう。宴会だ!
レストラン『黒羊亭』
商業都市ラクーンには様々な店があり、ここより格式の高い美味しい料理を出す店もあるが、冒険者の俺たちが騒いで飲むにはもってこいの店。
冒険者ギルドが、受付嬢のせいで私語厳禁的になっているので、冒険者たちの憩いの場ともなっている店だ。
問題は例によって店主がおっさんだということだ……
「じゃあなんだかわからないけど、絡まれた魔族を倒したことを祝して乾杯」
俺がいうと二人もグラスを合わせてくる。
全員でこの店一番というワインを飲んでいる。
流石にダナンの50万Gは、おれたちの金銭感覚を麻痺させた。
値段票も見ずに、この店で一番いいワインを頼んでいる。
16歳で飲んでいいの?とか心配になるんだが、この世界基準では14歳で職業に目覚めたあたりから
飲酒を解禁するのが慣例らしいので、気にしない。
「ふう。美味しいわ。家で飲ませてもらっていたワインも美味しいけど、こうして冒険の後に仲間と飲むお酒は格別ね。誕生日に飲ませてもらった最高級品のワインよりこのワインの方が私好きよ。」
「本当においしいですね。大好きな仲間と飲むお酒ほどおいしいお酒はないですね。最近は修道院で禁欲生活でしたからね。今日は私のんじゃいますよ。」
シャルが俺を見つめながら微笑する。いちいち意味深なんだよ。ドキリとする。
二人とも町ですれ違ったら二度見したくなる、場合によっては道を戻ってまで顔をまじまじと見てしまうくらいの美女だが、いかんせん職業が……
職業差別はいけません。差別反対!とくに遊び人に対する差別には猛然と抗議する。
「さて、お金は十分にありますし、明日トルネオさんとゴブリンの村にいって、ゴブリンソードがたくさん手にできたらいよいよ錬成ですね。ピッケルさんがんばって。」
「そうね。さすがに私の家にも、+20なんて剣は一本もなかったわ。是非見てみたいわ。ピッケル錬成頑張ってね。それにピッケルが強くなるのも嬉しいわね。頼りになる男性って好きよ。」
「この前の狩りでまだ個人資金沢山ありますし、今回の狩りで得たダナンさんからの50万GはそのままPT資金にいれてしまっていいのではないですか?」
「そうね。それがいいわ!錬成にはお金がかかるものね、お金の心配してるピッケルなんて見たくないわ。」
「二人ともありがとう。がんばって錬成してPTにもっと貢献できるようにするよ!」
PT資金の件は本当にありがとう、本当に嫁にしようか?
だが、俺をやたら強くするのはやめてくれ、おっさん的に俺を使う計画とか立てません?
俺かなりがんばってるよ?黒焦げ魔族もゾンビアタックで一番ダメージ入れたのは俺だぞ?寧ろお前が強くなってくれカリン。
「早く錬成で+20を達成してもらって、ピッケルさんにはゴブリンソード以外にも美しいものがあることを知ってもらわないといけませんしね。」
シャル……
「そうね、でもゴブリンソード+20できたら、違う剣も+20目指しかねないよね。錬成って怖いわね。」
「さすがにそれはないかな。錬成の難しさは俺もよくわかってる、ゴブリンソードみたいに安価で一番手に入りやすい剣ですらこの難易度だからね。違う剣で+20目指すなんて魔王を倒すより難しそうだ。」
「錬成は第一として、譲らないとして!今後の方針をどうするかも決めておきたいな。まだ魔王を倒すほどのレベルもPTとしての連携もできてない。どうにか強くならないと。」
「あとは、PTメンバーの募集でしょうか?いまのままではピッケルさんの負担が大きすぎです。」
シャルが酔ったからか、前の闘いを思い出してか潤んだ瞳で見つめてくる、可愛い。ヤメテ。
「そうね。仲間は多い方がいいわね。私もピッケルのおかげで少しは勇者としての自信がついてきたし、ほかのPTメンバー探しましょう?」
「それには賛成。この前の魔族戦もダナンがいなければどうなっていたかわからないしね。いつも頼りになるおっさんがいてくれるとは限らない。」
マイケルにもラッシャーにも避けられてるのはなんでなんだ?
今後ダナンにも避けられる運命なのか?
「私自身もっとレベルを上げたいんですよね。ラクーンに来てからは魔族との戦い以外は、ほとんどレベルがあがっていなくて、もっと北にいって強い敵と戦いたいという気持ちもあります。またピッケルさん守ってもらえますしね。」
シャルの言っていることももっともだ、だがまだ俺とカリンには少し早いか?
レベル35くらいまではラクーンでもレベルが上がることはカリンで証明済みだ。
俺のレベルあげようよ?ちゃんと安全なところでさ。
もう「スライムの咆哮」とか使わないからさ……たぶん。
色々話しながら、今後の方針を決めていく。
1 錬成 これは必須だ!これをやらなきゃ男じゃない。
2 レベル上げ レベルが一番低い俺のレベルを中心に 大体30超えあたりで次の町に行くなり再度考える。
3 カリンと俺の連携 死なないためにはこれが一番
4 シャルのMP管理の練習 それなりによくなってる。
5 かわいいPTメンバーの募集 もしくは容赦なく肉壁にできるおっさんだ。
そんな感じでわいわい楽しい時間はあっという間に過ぎていく。
ワインもずいぶん飲んだ、肉も魚もたくさん食べた。本当にここは最高の酒場だ!
「お会計ですが、1万Gになります。」
ええ?むむ?いまなんと?
「お会計ですが、1万Gになります。」
ここは最高のボッタくりバーだ!俺とカリンとシャルは酔っぱらいながらもさすがに高すぎる値段に抗議する。
払える金額だが錬成のお金が無くなるのはいただけない!
「スライムの咆哮ってしってます?スライムを呼び出すことができるんですよね。」
「勇者PTのお金を減らそうとする魔族ね?ねえ貴方魔族なのね?」
カリンさん酔ってますね。俺も酔ってるー
「聖者の私が、こんなボッタくりバーに引っかかるなんて、こうなってしまっては……体で払わせてください。」
シャルさん!シャルさん!だめ絶対。
文句をつけてると、おっさん店主が出てくる。
名前をバッカスというらしい。
「おい。なにがボッタくりバーだって?おめーら喧嘩売ってんのか。」
見るからに強面の酒豪といった感じのおっさんだ、こんなおっさんがあんな上手い料理をつくってるなんて嘘だ。
となりの料理屋からすべてデリバリーしてるに違いない。
「いえいえ、でもさすがに1万Gは……」
日本円にしたら役一億円だぞ!
「お前らが飲んでいるワインな、ちゃんとメニュー表にも書いてあるよな。」
ごめんなさいメニュー表見ていません。一番高い酒もってこいバンバンやっちゃいました。
「それは竜王の城から、冒険者が命をかけて盗んできた超レアワインだぞ。それだけで1万Gだ、残りの料理代はこれでもまけてやってるんだ。感謝こそされ、ボッタくりバー扱いされるのは心外だな。」
メニュー表を見る。
確かにバッカスの言う通りの記載がある。
他に多種多様な超レアワインが乗っている……どんな酒場だここ。
不用意に一番高い酒もってこちバンバン!やったのは誰だ?
それは……俺だ!遊び人の性が出た。
一度でいいからやってみたかったんだよな。みんなゴメン。
でも約束だよね。ここのお金はPT資金からだすって。
もう観念しよう。遊び人ならとにかく勇者と聖者の名を貶めるわけにはいかない。
ダナンのツケとかきかないかな?むり?はい。払います……




