遊び人魔族と対峙する①
勇者(仮)マイケルと共に叫び声のする方に駆ける勇者の相方(嘘)の俺。
マイケルは、走りながら自分のアイテムボックスから、まず武器を取り出す。
マイケルの巨躯に、これ以外ないとばかりの大剣だ。
さぞかし名のある剣なのだろう。
それにしても、マイケル、西の森だからといってろくに装備もなく素手のみだったし、魔法的な何かで回復してくれてたから、魔道系ジョブか格闘系のジョブかとおもっていたが違うのね。
油断せずにちゃんとフル装備しておけよ……
続いて、マイケルは防具を取り出す、チェインメイルだ。
後ろからだと見づらいが、輝きが半端ねえ。なんかの拍子でちぎれたらぜひ拾って帰ろう。
なんかの拍子でマイケルが死んだら遺品整理はまかせろ……いやその時はたぶん俺も死ぬか。
チェインメイルの着装に手間取っているが何とか敵との会敵までにチェインメイルの装着が間に合う。
最後に盾を取り出しマイケルの装備は終わり。
盾はカイトシールドというのだろうか、騎士が使うような逆三角形のタイプだ。
マイケルお前に俺の「早着替え」のスキルがあればなああ!完全な状態で敵と会敵させてやれたのに、いくら初級狩場だからといって狩りをなめてるからこうなるんだぞ!覚えておくように!
たぶん足と腕、手、兜、アクセサリーやらやら、装備できなかった防具のほうが多いだろう。
そんなんで大丈夫かマイケル?
俺の運命はお前にかかってるんだぞ。
なんなら俺町に走ろうか?今なら二倍速ではしれますよ!
先ほどの叫び声から、時間にして30秒ほどだろうか、
現場を確認する。
場には、女性が二人!まずはやはりそこに目が行く。当然だ助けるべき同胞であり、今回の目的でもある。
重要情報である女性の外見を確認する。
片方は髪は金髪、長さは肩に少しかかる程度で、胸は大きめ、見るからに貴族といった服装をしており、活発で気の強そうな感じがみてとれる、実際ジャイアントオークに捕まれているが、暴れまわっている。
うん。美少女だ。合格だ、助けてやろう。
もう片方は、黒髪で丁度胸のあたりまでの長髪、如何にも僧侶といった感じの服で、胸の膨らみを隠そうとしているが隠しきれていない、かなりの大物だ。
杖をもっており、清楚ここに極まれるといった感じの美少女。この世界には美女しかいないのか?
なにやら呪文詠唱中だが、敵に包囲されている。
敵のほうは、ジャイアントオークとやらが4体おり、うち1体は金髪貴族を担いでいる。
さらに明らかに異質な存在が一体、もしくは一人。
こいつはきっと魔族とやらだ。
こいつも見た目でわかる強い!気配とかそんなんじゃない。
装備をみれば一目瞭然だ!剣はマイケルのものに引けを取らない大剣だが、なぜか燃えている魔剣というやつだろうか。
とっても高そう、とってもカッコいい。
ゆったりとした高級そうな白銀の服を着ているが、胸や肩、膝といったところは銀色のプレートでおおわれている。
残念ながら魔王ではないなぜならマントがないからだ。
マントをしてない魔王なんぞ認めない。
全体的に銀色すぎて、どーなのってファッションだが、明らかに今のマイケルより総額高そうだぞ!
このままじゃだめだ値段的に負けてる。マイケル追加装備を!!
それともここは引くしかないのか?
配置としては、僧侶系美女を囲むように三匹のジャイアントオークがおり、右に15メートルほど離れて金髪貴族風少女を担いだジャイアントオークがいる。
此方から一番奥、僧侶系美女から離れること20メートルの位置に銀色魔族といった配置だ。
「ピッケルまずいぞ、作戦変更だ、魔族がいやがる、俺があいつを抑えるから、おまえがなんとかして今捕まっている女を開放しろ、まだ戦えるはずだ。」
というと、アイテムをさらに投げてくるHPポーション×5 敵が強そうと見るやの追加物資、最初から下さいよ……案外せこいマイケルである。宿屋の店長ってそんなもんか?
だがHPポーションを俺にわたしてくるってことは……マイケルからの回復は期待するなよっていうことか?こらこらお前は俺の回復POT任務を放棄するな。
現在の手持ちを確認
薬草1 MPポーション×1 MP使用半減薬(非売品)×1 HPポーション×5
うーん MP使用半減薬を早く使いたい!非売品っていうからには期待してるぜ。
そうこう考えているうちに、スキル射程内に入る。
相手はまだ此方の動きに気が付いていない、先制の奇襲攻撃ってやつだ!
「ピッケル いまだ!『咆哮』をぶちかませ。」
オーケーマイケル
事前作戦なんてないが、俺も同じ考えだった。
意思の疎通ぴったしね。
俺たちいいパーティーになるんじゃね。お前が前衛で俺はかなり光栄……なんてな。
マイケルが耳をふさぐと同時に、
「咆哮おおおおおお!」
俺は物真似スキルで咆哮をぶち込む。
女の子の前で叫ぶなんて恥ずかしいよぅ……マイケルの馬鹿。
不意を突かれた敵は全員耳鳴りにさぞ苦しむとともに、地味にダメージを食らってるはずだ。
決まったぜ先制攻撃!だが、救助対象の二人もくらっていて、杖をもっている女の子の呪文の詠唱も止まってしまったことには、気が付かなかったことにしよう。
戦に犠牲はつきものだ。
そして、銀色魔族も含めて全員の視線が俺に集中する。
あれ?5VS1になってね。
マイケルにはめられた……
「貴様ら何者だ!」
お前こそ何者だよ!
銀色魔族が低いイケメンボイスで聞いてくるが答える義理はない。
「咆哮」によるダメージがほぼないっぽいのは仕方がない、だって相手は強い。
頼んだぞマイケル!
そーいえば俺らって何者なんだよ?
その答えは
しがない宿屋の店主と遊び人だ!
とにかく、いざ開戦である。正義は我らにあり!!
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