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魔法に傾倒した大魔法士、転生して王国最強の魔法士となる ~ 僕の大切に手を出したらね、絶対に許さないよ? ~  作者: SUN_RISE
第2章:新たなる戦乱の影

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2−32:鉄を集める手段


「ベーレント様は、リビングアーマーというレムレースをご存知でしょうか?」

「レムレース……ダンジョンに現れる敵のことであるな? リビングアーマーは鉄製の武具を必ず落とすため、探索者に人気があるレムレースだと報告で聞いたことがある」

「はい、その通りです。私としましては、リビングアーマーが落とした武具を集めて潰し、鋼鉄へ精錬できないかと考えております。また、稀に低ランクながらアーティファクト武具もドロップするようですので、併せて狙うこともできるでしょう」


 リビングアーマーとは、ダンジョン第16・17階層のボス部屋に現れるレムレースだ。モンスターとしては出現しない特殊な敵で、それゆえにランク付けはされていないのだけど……強さ判定をする専門の人が測定したところ、Dランク中〜上位程度の強さがあるという。ブロンズゴーレムでやや優勢、アイアンゴーレムなら圧倒できる程度の相手になる。

 そして、このリビングアーマーは探索者に大人気のレムレースだ。なぜなら鉄製武具を必ずドロップするからね。


 一般的な探索者にとって、武具の補修費用というのは結構な痛手になりがちだ。壊れてしまえばまた新しい物を買わなければならず、それが高く付くので補修費用をケチることはできないのだけど……先立つものには当然限りがあるので、毎回完璧な補修などやっていては大赤字になってしまう。だからこそ、前衛は武具を極力損耗させないよう戦う必要がある。

 リビングアーマーは、そんな一般的な探索者の悩みを解決してくれるレムレースになる。倒せば必ず武具を1つドロップし、運が良ければそれが2つ、3つになる。さらには稀にアーティファクト武具をドロップし、探索者の戦力を底上げしてくれるのだ。

 ドロップする武具の種類はランダムなので、鎧が欲しい時に剣をドロップしたりといったことは当然あるものの……要らなければ売ってしまえばいいし、補修用材料としても転用できる。アーティファクト武具が出れば戦力アップに繋がり、さらなるダンジョン奥地への探索も視野に入ってくるだろう。探索者たちに人気が出るのも頷けるね。


 ……"一般的な探索者"と言ったのは、一定の技量を持った地属性魔法士がパーティメンバーに居る場合は、その法則が当てはまらないからだ。多くの探索者が主武装とする鉄製武具が破損したなら、魔法でそのまま直してしまえばいい。それができる地属性魔法士は多い。

 上位探索者が主武装とするミスリル製武具はさすがに難しいけど、そういう探索者はミスリル製武具の修繕ができる地属性魔法士にアテがあることが多い。僕も普通にできるし、探せば意外とできる人は居るんじゃないかなぁ……多分。


 ちなみに、アーティファクト武具は壊れたら現在の技術では修繕不可能なので、主武装にするのは不安がある。切り札として持っている人は居ても、普段使いできるほどお金がある人は居ないんじゃないかな? 最上位探索者でも無理だと思う。


 僕は僕で、そもそもゴーレムに戦闘の全てを任せている。ゴーレムの装備は召喚し直せば新品になるので、装備の補修という概念そのものが存在しないのだ。そこが僕の最大の強みだと言えるね。


「……ただ、この"リビングアーマーは探索者に人気"という部分がネックとなります」

「ふむ、連戦ができないのだな?」

「はい、その通りです。私がどのようにダンジョン探索をしているか、ベーレント様は既にお聞きになっておられるかもしれませんが……」

「うむ、ルーカス卿より報告は受けている。エリオスがゴーレムを用い、安全にボス周回をこなしていることをな。経験値とドロップ品を短時間で大量に獲得できるゆえ、探索効率に優れた方法だと聞いている……まあ、他者には真似できぬ探索方法であるようだがな」


 ……父上から報告を受けている、か。もしかして、ベーレント様はボス20連勝特別ボーナスのこともご存知なのかな?

 よし、失礼にならない程度に少しカマをかけてみるとしよう。


「私のような身分の者が、ベーレント様にお願いをさせて頂くのは大変恐縮ではございますが……」

「いや、皆まで言わずとも分かる。1日だけでも、第16階層か第17階層のボス部屋を占有できないか探索者ギルドに掛け合ってみよう。彼らは王国から独立した組織ゆえ、確約はできぬがな」

「ありがとうございます、ベーレント様。もし連戦が叶った場合、特別な品が出た場合は全て報告させて頂きます」

「……うむ」


 僕の一言に、ベーレント様は一拍おいて頷いた……その行動が、雄弁に物語っている。ベーレント様が、ボス連勝ボーナスのことをご存知であることを。

 もし連勝ボーナスの存在を知らなければ、僕の言う"特別な品"はアーティファクト武具のことを指していると考えるはずだ。それなら『うむ、良き武具が出た場合は報告せよ』などと返してくるはず。その言葉が出なかった時点で、ベーレント様がボス連勝ボーナスの存在を知っている可能性は極めて高い。


 まあ、だからと言ってどうこうするつもりは無いけどね。保有魔法とダンジョン探索との相性的に、それを十二分に活用できるのは今のところ僕だけだ。探索者側が弱すぎれば命を落とし、強すぎればボス周回をする価値が薄れてしまうのだから……。


「ところで、だ。エリオスは第16階層と17階層、どちらのボス部屋を占有すべきだと考えている?」


 ベーレント様も、そのことに気付いたのだろう。話を進めるため、次の問いかけをしてきた。

 ……さて、こちらの意図をしっかりとお伝えしなければ。


「私は、第17階層の方を占有すべきだと考えております。

 その理由は主に2つ、1つは1度に出現するリビングアーマーの数です。第16階層では2体出現しますが、第17階層では3体出現します。私は大量のゴーレムを用いて同時攻撃が可能なため、出現数の多い方が収集効率は良くなります」

「うむ、確かにそうだな」


 アイアンゴーレムなら、今の僕は16体まで同時に制御することができる。リビングアーマー1体あたりアイアンゴーレム4体を割り当てて、護衛に4体を当てればまず負けることは無くなる。

 加えて、リビングアーマーの装備はロングソード・ラウンドシールドの組み合わせで固定されているらしい。弓や槍を持った個体は居ないので、こちらに飛び道具を射かけられる心配は無いそうだ。


「2つ目の理由は、リビングアーマーの強さです。リビングアーマーは人気の相手といえど、Dランク中〜上位という中途半端な強さのレムレースです。第21階層以降をメインに探索するような上位層は相手にしません。

 ……すると必然、リビングアーマーに挑戦するのは実力にやや不安のある者ばかりになります。2体は何とか相手にできても、3体相手では荷が重い、と考える者が大半でしょう。それならば、第17階層のボス部屋を占有しても不満は出にくいかと愚考いたします」


 実際に、リビングアーマーよりも質の良い装備を落とすレムレースがアルカディアスダンジョンの深層に居るらしい。そのレムレースはリビングアーマーより手強い相手だけど、上位の探索者であれば当然そちらを狙いにいくはずだ。

 ……加えて、リビングアーマーに"最も多くの探索者を葬ったレムレース"という悪名が付いていることも見逃せない。ドロップ品が魅力的で、かつ戦闘力の低い探索者でも何とかなりそうな強さなのがその理由らしいのだけど……結果として探索者の無謀行動を誘発し、多くの探索者がリビングアーマーに命を奪われている。

 当然、探索者ギルドもただ黙って見ているだけじゃない。ある程度のレベルになった探索者には、しきりに注意を呼び掛けているという……僕は、なぜか言われたことが無いけど。ゼルマとフランクは、第10階層に到達したぐらいのタイミングでかなり強めの口調で注意喚起されたそうだ。


 それでも、毎年一定数の探索者がリビングアーマーに無謀にも挑み……そして、命を落とすという。遥か東方では"命あっての物種"とも言われているし、身の丈を超えた無理はしないで欲しいものだ。


「ふむ、なるほどな。して、時期はどうする?」

「今すぐにでも、と言いたいところなのですが……私の到達階層は、まだ第10階層です。明日と明後日、2日ほどはルート確認とリビングアーマーとの戦い方を確認する時間を頂き、その次の日にて挑戦させて頂ければ幸いです」

「分かった、そのように連絡しよう。

 ……ああ、もう1つのDランク闇属性魔石についてだが、そちらは特に軍事上重要な品ではないのでな。こちらで可能な限り準備しよう」

「ありがとうございます。ご配慮頂いた件は、成果を示すことで返させて頂きます」

「うむ、頼んだぞ」


 ベーレント公爵様からの、直々のご依頼だ。王国のためにも、良い結果をご報告しなければ。



◇□◇□◇読者の皆様へ◇□◇□◇


 なろうに数多ある小説の中から、私の小説を読んで頂きまして誠にありがとうございます。


 読者の皆様へ、作者よりお願いがございます。


 皆様の率直な判定を頂きたいので、ページ下部より☆評価をお願いいたします。

 ☆1でも構いませんので、どうかよろしくお願いいたします。

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