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魔法に傾倒した大魔法士、転生して王国最強の魔法士となる ~ 僕の大切に手を出したらね、絶対に許さないよ? ~  作者: SUN_RISE
第2章:新たなる戦乱の影

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2−26:自律行動魔法


「エリオス様、魔石を頂いて参りました!」


 黒い拳大の石を2個ほど手にして、ティアナが研究室へと戻ってくる。見た目からして闇属性、かつ大きさからCランク相当の魔石なのはすぐに分かった。


「おっ、ありがとうティアナ。さすがだね、助かったよ」

「えへへ……ありがとうございます」


 その魔石を受け取りながら、彼女の頭を優しく撫でる。ティアナの表情がフニャリと緩んだのを見て、僕も頬を緩めた。

 ……こうして大人びていても、彼女はまだ11歳なのだ。本当はまだ両親にも甘えたい年頃なのに、こうして気丈に振る舞っているのを見ると……なおさら、僕がしっかりしなければならないと感じる次第だ。


 なお、僕が10歳だということは無視するものとする。前世の僕(ドグラス)と合わせたら実質80歳くらいなので、むしろ僕は人生経験が豊富なのだ。父上からも、年齢に見合わず大人びているとお墨付きを頂いてるからね……。


「ところで、自律行動魔法の方はどうなりましたか?」

「ああ、それならもう改良できたよ。これで味方に攻撃することは無いはずだ」

「早いですね、さすがエリオス様です!」


 もう少し手こずるかと思ったんだけど、発想の転換で思ったよりも簡単に実装できた。まだまだ完成度は低いけど、少なくともフレンドリーファイアを防ぐことはできるようになっている。

 ……その仕組みはこうだ。まずは僕の【魔眼】で、相手の魔力パターンを解析する。人やモンスターはそれぞれの個体ごとに異なる魔力パターンを持っており、同じパターンを持つ者は他にいないとされている。

 そうして解析した魔力パターンのうち、敵や味方として認識すべき魔力パターンをデータベース化して登録していく。加えて、敵として登録されたものと同じ魔力パターンを持つ相手にだけ攻撃を仕掛けるよう設定するのだ。自律行動魔法の中には近くにいる相手の魔力パターンを読み取る機能も付けてあり、常にデータベースとの照合を行わせて敵味方の判別を行うわけだ。

 ちなみに、攻撃してきた相手が未登録の場合はその魔力パターンを読み取り、自動的に敵として登録する機能も付与してある。フレンドリーファイアされても敵認定してしまうので、ここはまだ要改良の部分でもあるんだけどね……でもまあ、僕の今の実力ではこの辺りが限界かな。あとは運用する中で、細かく改良を施していこうと思っている。


 ところで、人や野生に出てくるモンスターはそれぞれに個体差があり、魔力パターンもそれぞれ微妙に異なるのだけど……ダンジョンに出てくるレムレースはとても面白いことに、種類ごとに全く同一の魔力パターンを持っていたりする。

 例えばホブゴブリン4体がボス部屋で出現した時は、4体とも全く同じ魔力パターンを持っているし……日を改めて測ってみても、まるで判を押したかのように同じ魔力パターンを観測できる。そこはバットやスモールボア、オークなどの他のレムレースも同じで、まるで同一個体を大量コピーしているかのような奇妙さがあった。

 だからこそ、この新魔法はレムレースが相手の場合に最も効率良く働く。人やモンスターの場合は個別に魔力パターンを覚えさせないといけないけど、レムレースは各種1体分だけ覚えさせればそれで事足りるからだ。


 ……あ、そうだ。レムレースで思い出したよ、そういえば忘れてたな。


「罠を避ける機能も付けておかないとね」

――ブォン


 ダンジョンの罠については、こちらも罠ごとに固有の魔力パターンを持っている。こちらは攻撃を仕掛けに行くのではなく、踏まないように設定しておかないとね。


「……エリオス様は、魔法開発の際に紙や触媒をお使いになられないのですね」

「こっちの方が早いからね」


 体内や空中に魔力で魔法陣を描き、細かく修正しながら検討する。魔力は余分に消費するけど、修正がすぐできるという長所がある。

 ……それに何より、魔法陣の現実的な大きさが分かりやすいからね。今回は魔石に魔法陣を刻むわけで、実はその大きさに制限がある。だからこそ、目で見て大きさが分かりやすいこの開発方法が最適なのだ。


 ちなみに、マジックツールもこうやって魔石に魔法陣を刻むことで、核となる部分を製作しているらしい。そういう意味では、僕もミスリルゴーレムというマジックツールを製作しているに等しいのかもしれないね……普通の魔法を組み合わせると、厳密にはマジックツールとは言えなくなるらしいけど。


「よし、それじゃあミスリルゴーレムの製作にとりかかろうか」

「はい、エリオス様♪」


 ミスリルは既に、それなりの量を用意して部屋の中に持ってきている。オリハルコン鉱石を精錬して得た超高純度ミスリル……ここに少しだけ混ぜ物をして、高純度まで落とすのだ。

 ……超高純度のまま使ってもいいんだけど、正直言って意味が無い。強度はほぼ変わらず、耐魔性も僅かな差しか無いのだ。むしろ整備性が悪化するので、メリットよりもデメリットが上回る状態となってしまう。

 王立魔法士学校の中にある街灯のように、戦闘用ではないマジックツールを作るのであれば超高純度にする意味はあるんだけどね。ミスリルゴーレムは過酷な使い方をするので、コストや整備性が何よりも重要になってくる。そのために高純度ミスリルへ質を落とし、ランニングコストや整備の手間を削減しているわけだ。


 ちなみに、導魔力線には銅を使用する。本当は金が導魔力線として最も適してるんだけど、やっぱりコストが高いんだよね……金額的な意味でも、生成に必要な魔力量的な意味でも。硬貨を溶かしたりするのは重罪だから、ペルナ金貨から金を得るわけにもいかないのだ。


「まずは魔石に魔法陣を刻み込むよ……"トランスファー・セルフアクティビティ"」

――ブゥン


 始めに、今しがた作ったばかりの魔法陣を魔石へ転写していく。

 ……あまり大量の魔力を一気に流してしまうと、魔石が割れてしまう。なのでここは、慎重にゆっくりと魔法陣を刻み込んでいく……。






「……よし、できた」


 たっぷり10分ほど時間をかけて、魔法陣を魔石に刻み込んだ。熟練者は1分ほどでサクッと済ませてしまうそうだけど、前世の僕(ドグラス)も本職ではなかった。ここは、魔石を壊さず転写できたのでよしとしておこう。


「次はミスリルゴーレム素体の作成だな。魔石を中に埋め込まないといけないから、魔法を少し調整して……と。

 よし、いくよ、"マニュファクチャー・ミスリルゴーレム"」

――グネグネグネ……


 魔法を唱えると、近くに置いた大量の超高純度ミスリルがまるでジェリーのようにグネグネと動き始める。液体のようにうごめくそれが、少しずつ足元から人の形を成していき……胴体部分を作るところで、一旦止める。


「よし、ここに魔石を入れて……と。"マニュファクチャー・ミスリルゴーレム"」

――グネグネグネ……


 ゴーレムのお腹辺りに、セルフアクティビティの魔法を仕込んだ魔石を入れる。そうしてから、またゴーレムの作成作業に戻った。




「……よし、完成だ。今の僕の全てを注ぎ込んで作り上げた、現時点で最強の戦闘用ゴーレム……これが、高純度ミスリルゴーレムだ」

――ガシャンッ!


 できたばかりのミスリルゴーレムが、両手を上げて喜びの舞いを踊る。よしよし、関節部分も問題なく動いているな。

 ミスリルゴーレムの身長は170センチくらいで、アイアンゴーレムよりも小さい。しかし、その実力はアイアンゴーレムを遥かに超え……およそレベル70の戦士に匹敵するだろう。自律行動魔法の完成度が低い関係で、戦闘技能はやや足りないんだけどね……。

 今後は、その辺りも課題になるかな? 熟練の騎士ほどではないにしろ、せめて僕レベルの剣技は振るえるようになって欲しいところだ。


「凄いです、本当にできちゃいましたね!」

「ありがとう、ティアナ。よし、それじゃあ早速ヨハネス教授に見せに行こうか」


 超高純度ミスリルを大量に貰うことを、ヨハネス教授に相談にいった。了承は貰ったけど、そのための条件として"できあがったゴーレムを私に見せること"と言われた。なので、その約束を早速果たしにいく。

 果たして、ヨハネス教授はどんな反応を返してくれるだろうか?



◇□◇□◇読者の皆様へ◇□◇□◇


 なろうに数多ある小説の中から、私の小説を読んで頂きまして誠にありがとうございます。


 読者の皆様へ、作者よりお願いがございます。


 皆様の率直な判定を頂きたいので、ページ下部より☆評価をお願いいたします。

 ☆1でも構いませんので、どうかよろしくお願いいたします。

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