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魔法に傾倒した大魔法士、転生して王国最強の魔法士となる ~ 僕の大切に手を出したらね、絶対に許さないよ? ~  作者: SUN_RISE
第2章:新たなる戦乱の影

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2−22:王国法の壁


「よし、ポーションを拾って外に出ようか。待ってる人たちも居るからね」


 滅多に無いことだけど、ボス挑戦を待っている人が居る場合は早めにボス部屋を出るのがマナーである。大怪我を負って動けない、とかであればさすがに話は別だけど……今の僕たちにかすり傷の1つもあろうはずがないので、さっさとボス部屋を出ることにした。


――ガチャッ!

――ガシャッ! ガシャッ! ガシャッ!

「……え?」

「次の方、ゴーレムを外に出していますので、すみませんが少々お待ちください」

「え、ええ、分かったわ……ねえ、君たち早すぎないかしら? オークってDランクの中では下位の存在だけど、タフさとパワーだけはDランク上位に入るレムレースよ?」


 先頭に居た女性探索者が話しかけてくる。僕たちのすぐ後ろで、オーク相手にどう立ち回るかをずっと打ち合わせていた5人パーティ……そのリーダーと思われる方だ。白いローブに身を包み、先に緑色の宝玉が付いた木製の杖を持っている。

 ……そして、この女性からは育ちの良さが垣間見えた。ふとした仕草にも気品が感じられるので、おそらくは貴族……それも、伯爵家以上の上位貴族にゆかりのある方だと思われる。ランドルフ殿といいこの方といい、今日はやけに身分の高い人と会うな……。


「あ、そうなんですね? でも、さすがに数の暴力には敵わなかったみたいです。ゴーレムで囲んで攻撃したら、わりと簡単に倒せましたから」

――ガシャガシャガシャッ!!

「………」


 ボス部屋の中から、傷1つ無いブロンズゴーレムの軍団を順番に外へ出していってるんだけど……とても時間がかかる。実際にオークと戦っていた時間よりも、ブロンズゴーレムの展開・退避に要した時間の方が長くなりそうな勢いだ。

 これは、要改善だね。即応性を重視するなら、ゴーレムは出したままにするのが1番なんだけど……ここまで移動時間がかかるなら、ゴーレムを素早く出し入れできるようにしておいた方が良さそうだ。魔法を唱えてから、実際にゴーレムを操作できるようになるまでの時間を頑張って短縮させてみようかな。

 今はブロンズゴーレム32体で30秒くらいかかっちゃうんだけど、これを5秒くらいまでは短縮したい。ひたすら訓練あるのみだね、頑張ろう。


「……そ、そうなのね。それほど強いのなら、もっと深い階層……例えば、第20階層を目指してみるのはどうかしら?」

「う〜ん、そうですね……今はそこまでしか行けませんし、早めに行っておくのもいいかもしれないですね」

「え?」

「僕、まだ10歳なんですよ。第21階層以降に挑戦できるのは、早くても5年後からですね。それまではお預けです」

「「「「!?!?」」」」


 その場に居る全員が、驚いた表情で僕を見た。子供だとは思っていたのだろうけど、それが10歳だったことにびっくりしたのかもしれない……僕も、自分のことじゃなければ絶対に嘘だと思うだろうし。だから、周りの人が考えていることは理解できる。


――ガシャッ!


 ……と、そうこうしているうちにブロンズゴーレムを部屋の外へ全部出し終えた。


「それでは、僕はここで失礼しますね。

 ……ゼルマ、転移装置はどっちだい?」

「ああ、転移装置はこっちっすよ。ゴーレムも転送はされると思うっすけど、念のため消しといた方がいいかもっすね」

「はは、ありがとう。転移装置の間に着いたら消そうかな」


 ゼルマに付いて、転移装置の所まで移動する。後ろからいくつもの視線を感じるけど、あえてスルーを決め込んだ。


 ……さて、これで僕のことは多くの探索者たちに知れ渡ったことだろう。こうして顔を売っておくことで、これからはより上位の実力を持つ探索者パーティや貴族率いる探索者パーティが接触してくるかもしれない。

 そのどちらも、縁を結ぶには良い相手だ。そういうパーティとの出会いがもっと増えてくれたら、僕としてもありがたいな。



 ◇



 ダンジョンを出た僕たちは、最初にアーティファクト屋のダンさんの所へ行くことにした。探索者ギルド本部へ寄ってから屋敷へ帰るのであれば、この順番で行くのが1番歩く距離が短くて済むわけだ。


「ええと、場所は……うん、ここだったね」

――コン、コン


 あばら家にしか見えない建物の扉をノックする。誰かに教えられていなければ、ここがアーティファクト屋だと分かる人はまず居ないだろう。僕は幸いにも、アルカディアスダンジョンの門番をしているパウルさんに紹介してもらったから、ダンさんと知り合うことができたわけだ。


「ん〜、なんやなんやこんな時間に……っておっ、久しぶりやなぁエリオス殿」

「どうも、ダンさん。今日はよろしくお願いしますね」

「よしきた、こっちやで」


 ダンさんの後に付いて、建物の奥へと移動する。

 ……そして、豪奢なつくりの応接室へとたどり着いた。建物の外観とは似ても似つかない、見るからに金のかかった調度品が並ぶ部屋だ。前回もここで取引したけど、果たして今回はどんな結果になるかな?


「エリオス殿はそこに座ってなぁ。ああ、お連れさんも適当にその辺の椅子を持ってきてええよ〜」

「では、お言葉に甘えまして……」


 ダンさんの指示通り、椅子に座る。ティアナ、ゼルマ、フランクも近くにあった椅子を持ってきて、僕の周りに座った。

 そうして、机を挟んで向かい側の椅子にダンさんが座る。


「この前のアンチポイズンバングルはありがとなぁ。おかげでウチも結構稼げたよ」

「それは良かったです。僕もマジックバッグⅠを有効活用しているので、お互いウィン・ウィンな取引ができたようですね」

「そうかい、そりゃ良かったわ〜。あ、人づてに聞いたが勲章を授与されたんだって? おめでとさん、10歳の身で受け取れるだなんて優秀なんやな〜」

「ありがとうございます」


 ますは軽く世間話から。すぐに本題へ入らないのは、余裕が無いと思われて足元を見られるのは嫌だから……という建前で決められた、アルカディア王国での商取引における暗黙のマナーだ。

 前回はこのやり取りが無かったけど、それは僕が良い取引相手だとダンさんに思われてなかったからだ。今回はちゃんとマナーに則って会話しているので、どうやら僕はダンさんに取引相手として認められたようだ。


「……そういえば、今日はなんのご用で?」


 こうして店主の方から話を振ってくれるのも、暗黙のマナーの1つだ。


「ダンさんの店に、スピードリングとマジックリングはありませんか?」

「スピードリングとマジックリングかい? う〜ん、どちらもランクⅠはあったと思うけどなぁ……」


 そう言いながら、ダンさんが筒状の何かを取り出して中を覗き込む。前回は即答だったけど、今回は確認が必要みたいだ。

 ……あの筒状の何か、多分マジックツールだね。見た感じ、地下の方に魔力の線みたいなものが繋がっていってるから……遠見のマジックツールってところかな?


「……おお、あったわ。在庫はどちらも2個ずつやね」

「2個ずつ……」

「相場通りでどうやろか?」


 スピードリングⅠは1個あたり60万ペルナ、マジックリングⅠは1個あたり80万ペルナだ。それぞれ2個ずつで280万ペルナになる。


「では、こちらと交換でいかがでしょうか?」


 僕が取り出したのは、アンチポイズンバングルが1個とパワーリングⅠが2個だ。合計300万ペルナになる。

 ……僕の方が少しお高めなのは、理由がある。


「少し多いなぁ……お釣りは20万ペルナでええか?」

「あ、お釣りは要りませんよ。その代わり、ダンさんにはお願いがあるんです」

「ほう、なんや?」


「ランクⅡのマジックバッグ、スピードリング、マジックリングがあれば取り置きしておいてほしいんです。20万ペルナはその手間賃とでも考えてもらえれば」

「なるほどな。よっしゃ任せとき、見かけたら確保しとくわ」

「ありがとうございます。言い値で買い取りますので、よろしくお願いしますね」


 今の僕の財力では、ランクⅡの品を押さえるのが精一杯だ。ランクⅢ以上の品は余裕で数千万ペルナを超えてくるので、今の僕には手出しできない。おそらくソリス男爵家の財力をもってしても厳しいだろう。

 それでも、戦闘力強化のためにいつかランクⅢ以上の品も買えるようにならないとね。



◇□◇□◇読者の皆様へ◇□◇□◇


 なろうに数多ある小説の中から、私の小説を読んで頂きまして誠にありがとうございます。


 読者の皆様へ、作者よりお願いがございます。


 皆様の率直な判定を頂きたいので、ページ下部より☆評価をお願いいたします。

 ☆1でも構いませんので、どうかよろしくお願いいたします。

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