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魔法に傾倒した大魔法士、転生して王国最強の魔法士となる ~ 僕の大切に手を出したらね、絶対に許さないよ? ~  作者: SUN_RISE
第2章:新たなる戦乱の影

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2−18:見えてきた法則


――ズシャッ!!

「ブギィィィィィィィッ!?」


 スモールボアの首元に、ブロンズゴーレムが剣を突き立てる。脚を負傷して、その場から動けないスモールボアに攻撃を避ける余裕は無く……断末魔の叫びを上げながら、ダンジョンへと還っていった。

 これで、スモールボア3体討伐完了だ。


――カラン……

「あ、指輪が出たね。これで20戦完了かな?」


 最後に倒したスモールボアから、指輪型アーティファクトがドロップした。それをそっと拾い上げる。

 ……これで20戦、計60体のスモールボアを倒したわけだね。ブロンズゴーレムが32体も居れば、スモールボア3体を相手にしても十分に余裕があった。むしろ部屋全体をカバーするようにブロンズゴーレムを配置できたので、スモールボア出現直後の硬直時間に攻撃を仕掛けることができ、思ったよりも早く倒すことができた。

 ブロンズゴーレムの同時制御可能数がもっと増えれば、更に時間短縮を狙えるかもしれない。これは、更なる訓練を積んでいかなければ。


「エリオス様、その指輪はどのような効果があるのでしょうか?」

「えーっと、ちょっと待ってね……あれ? パワーリングⅠじゃないぞコレは」


 早速ドロップした指輪を鑑定すると、どうもアップするのは腕力ではないみたいだ。少しだけ風の魔力を感じるので、これはもしかすると……。


「敏捷力を少しだけ上げる指輪型アーティファクト……スピードリングⅠってところかな?」


 確か、そんな名前のアーティファクトがあったはず。パワーリングⅠの相場50万ペルナに対して、スピードリングⅠの相場は確か80万ペルナ……アンチポイズンバングルに比べると安いけど、希少なアーティファクトであることには変わりない。

 ……そして、なによりも。


「僕には速さが足りない。速さは重要だ、敵より少しでも速ければ、万が一の時に逃げ切れる可能性はグッと上がる。それを補強してくれるのが、このアーティファクトだ」


 今より背が伸びていけば、もっと速くなれるかもしれないけど……そんなのを待ってはいられない。これは、手間暇かけてでも収集するに値する品だ。


「………」


 ただ、ここでスモールボアを狩り続けることが正解なのだろうか。

 これまでの実績から、ボス20連勝ボーナスには一定の傾向があることが分かった。同じ種類のレムレースがボスであれば、同じ系統のアーティファクトがボーナスドロップするし……1度に出てくる数が増えるほど、ボーナスドロップの種類も増えている。

 例えばホブゴブリンなら、2体の時の20連勝ボーナスはアンチポイズンバングルとアンチパライズバングルの2種類だけだったけど……3体の時はそこにアンチスリープバングルが加わり、4体では更にアンチブラインドバングルが加わった。ドロップするのは全て腕輪型アーティファクトであり、1度に出てくるホブゴブリンの数が増えるほど種類も豊富になっていったわけだ。

 それと同じ法則が適用されるなら、スモールボア4体を相手に20連勝した時はまた新しい指輪型アーティファクトがドロップするはず。ここまでパワーリングⅠ、スピードリングⅠときているので、次なるドロップ品は……。


「……マジックリングⅠ、あるいはスタミナリングⅠのどちらかかな?」


 他にもバリアリングⅠ・ラックリングⅠという指輪型アーティファクトがあるけど、こちらはだいぶマイナーなアーティファクトだ。可能性としては低いだろう。

 それを確認するためには、スモールボア4体と連戦をこなさなくてはならないけど……。


「ねえ、ゼルマ、フランク。スモールボア4体、僕らで勝てると思う?」

「いや、これで勝てなかったら誰も勝てないっすよ」

「……余裕だと思います。ただでさえ、ブロンズゴーレム1体で、スモールボア2体と互角に戦えるのに、強い方の数が8倍なのですから」

「なるほど……」


 ……人が亡くなる瞬間を、扉越しとはいえ近くで目の当たりにしてしまったからだろうか。少しばかり、思考が後ろ向きになってしまっていたみたいだ。

 思考が保守的になるのであればまだしも、後ろ向きになるのは非常によろしくない。勇気と無謀が似て非なるものであるのと同時に、慎重と臆病もまた似て非なるものだ。より慎重な方に探索方針を変えるとしても、その変更はちゃんと意味のあるものとしたいのだ。


 そして、今回の場合は方針を変えてはいけない。僕はそう判断した。


「……よし、予定通り第9階層のボス部屋まで行ってみよう。みんな、準備はいいかい?」

「私はいつでも準備万端です」

「いつでもいいっすよ〜」

「……いけます」


 頼もしい返事が3人から返ってきた。

 ……よし、勇気を出して進んでみよう。



 ◇



 第8階層、第9階層は特に何も起こらなかった。新しい種類のレムレースは出てこないし、今さらFランクのレムレースに遅れは取らないからね。

 そもそもレムレースと出くわしにくいルートを選んだから、ゴブリンアーミー6体・ゴブリンアーチャー4体としか戦っていない。戦利品もポーション1つだけで、大した物は得られなかった。


 ……ただし、次の第10階層からはEランクのレムレースが出現するようになる。ボスとして相対したホブゴブリンも普通に出現してくるようになるので、心の準備をしておかないとね。


「……あれ、珍しいっすね。また誰かボス部屋にいるみたいっす」

「えっ、また?」


 今日はやけにボスへ挑戦する人が多いな? この辺のボスはスモールボアばかりだから、あんまり旨味も無いと思うんだけど……まあ、人のことは言えないんだけどね。

 ゼルマにならい、僕も扉に耳を当てる。中から、探索者たちの声が聞こえてきた。


――よし、仕留めたぞ!

――残り1匹だ!

――油断するなよ!


 どうやら、今回は探索者側が優勢らしい。既に3体のスモールボアを仕留め、最後の1体が残るのみとなっているようだ。

 ……助けたくとも助けられない、あの何とも言えない無力感はできれば味わいたくないからね。そうならなくて、本当に良かったよ。



◇□◇□◇読者の皆様へ◇□◇□◇


 なろうに数多ある小説の中から、私の小説を読んで頂きまして誠にありがとうございます。


 読者の皆様へ、作者よりお願いがございます。


 皆様の率直な判定を頂きたいので、ページ下部より☆評価をお願いいたします。

 ☆1でも構いませんので、どうかよろしくお願いいたします。

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