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魔法に傾倒した大魔法士、転生して王国最強の魔法士となる ~ 僕の大切に手を出したらね、絶対に許さないよ? ~  作者: SUN_RISE
第2章:新たなる戦乱の影

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2−12:忙しい中でも息抜きは大事


 僕が王立魔法士学校へ入学してから、5日が経った。研究成果発表会に向けた準備は順調に進んでいて、今日は学校をお休みしてダンジョンへ行くことにした。ゼルマとフランクの都合も付いたし、今日は王国法で定められた休養日だったのでちょうど良かったよ。

 ……あまり根を詰めすぎても、効率が下がる一方だからね。前世の僕(ドグラス)やヨハネス教授みたいな人はともかく、僕はそこまで研究には入れ込めないし、適度な息抜きは必要だと思っている。


「その息抜きがダンジョン探索って、エリオス様ヤバいっすよ。順調に脳筋街道を邁進中(まいしんちゅう)っす」

「……でも、俺たちもあまり、人のことを言えない。ルーカス様も、『さすが私の息子だ』とおっしゃっていた。この方が、ソリス家らしいのでは?」

「ま、まあ、そりゃそうっすけど……」


 ゼルマとフランクもそうだけど、僕も休みの日は適度に体を動かしたい人間なんだよね。その方が頭も体もスッキリして、良い気分で過ごせるような気がするし。

 ずっと研究室で資料作りばかりだったから、今日くらいは思い切り体を動かしたい。それには、ダンジョン探索はうってつけなのだ。


「……でも、ティアナは無理しなくてもいいんだよ?」


 ただ、さすがにティアナがそこまで体力派じゃないのは知っている。学校では献身的に僕の手伝いや世話をしてくれてるし、休養日くらいは僕から離れてゆっくりしてくれてもいいんだけど……。


「何をおっしゃいますやら。私はエリオス様の専属メイド、たとえ地の果て水の果て、どこまでもエリオス様と共にあります」

「ふふ、そうか」


 ふんす、とティアナの鼻息が荒い。杖を握る手にも力が籠もっている。今日は珍しく、かなり気合が入っているようだ。

 ……ティアナにそう言ってもらえると嬉しいな。今ならダンジョンの第100階層でも、簡単に到達できそうな気がするよ。


「……ティアナの感情も重たいっすけど、それを軽く受け止めるエリオス様も相当重たいっすよ」

「そうかな?」


 レオノーラ先輩も言ってたなぁ、それ。ティアナとは行動を共にすることが当然になってるから、あまり深く考えたことが無いんだよね。やっぱり重たいのかな?


「う〜ん……」


 でもまあ、お互い重いと思ってないんだし、嫌じゃないんだから別にいいんじゃないかな。


「……まあ、考えてても仕方ないか。そろそろダンジョンに向かおう、みんな準備はできてるかな?」

「私はいつでもいけるっすよ」

「……俺も、準備完了です」


 ゼルマは長槍を両手で持ち、フランクは大剣を肩に担ぎながら言う。2人ともバリバリの前衛で、ブロンズゴーレム軍団を突破してきた強敵と戦う最後の砦だ。


「私も、いつでもいけます!」


 そして、ティアナの元気な声が響く。ティアナは光属性魔法士、回復を主とする治癒術士だ。基本は僕の後ろで待機し、ケガをした仲間を治療する役割を担っている。

 ただ、ダンジョンで回復魔法を行使してもらったことはこれまで1度も無いけどね。ブロンズゴーレムがレムレースを全て倒してしまうので、僕たちがケガを負うリスクは限りなく0に近いからだ。


 ……父上との訓練でズタボロになった後に、こっそりティアナに回復魔法をかけてもらったりはするけどね。いつも『エリオス様には申し訳ないのですが、回復魔法の良い練習になるので……』と言いながら使ってくれるのだけど、ボロボロになるのは僕の力量が足りないからなのでティアナは一切悪くない。むしろ傷を癒してくれているのに、文句など言えようはずもない。


 そういうわけで、ティアナの腕前は信頼しているんだけど……こういう絶好調の時は、逆に危険なこともある。遥か東方のことわざで『好事魔多し』とも言われてるし、ティアナが無理をしないよう僕がしっかり見ておかないとね。



 ◇



 アルカディアスダンジョン第1階層。上り階段から下り階段まで、直線通路があるだけの極めてシンプルな階層だ。

 普段はほとんど探索者もいないので、とても静かな階層なんだけど……今日に限っては、たくさんの探索者で溢れかえっていた。


「よし、今日は第30階層到達を目標にするぞ!」

「オークくらいは楽に倒せるようになりたいわね〜」

「スモールボア強すぎるよ〜、戦い方知っててもキツいって」

「そろそろ第50階層が見えてきたな……みんな、今日こそは到達しよう」


 僕たちのようなひよっこ探索者から、眼光鋭いベテラン探索者まで。老若男女様々な人たちが入り乱れ、それぞれの目標に向けてダンジョン探索を開始していく。


「こんなに人の多いアルカディアスダンジョンは、私も初めて見たっす」

「……あれ? ゼルマもフランクも、普段からよく来てるよね?」

「うっす、でも休養日は意識して避けてるっす。人が多いっすからね、トラブル防止っす」

「……その分、休養日はレムレースとあまり戦わずに潜れます。最深到達階層の更新を狙う探索者は、休養日をあえて狙っているようです」

「なるほどね」


 まあ、他人(ひと)他人(ひと)、僕たちは僕たちだ。僕たちは僕たちのペースで、じっくりと探索を進めていけばいい。

 ……ただ、ボス部屋周回ボーナスのことだけはバレないようにしないとね。まだこれは、一部の人たちだけの秘密にしておきたいのだから。


 とりあえず、僕たちも今日の探索方針を打ち合わせておくことにした。


「今日は、一気に第10階層を目指したいと思ってるんだ」

「おっ、遂にオークに挑戦っすか?」


 ゼルマが長槍を掲げて、意気揚々とそう言う。確かに、第10階層のボスはオーク……Eランクのホブゴブリンやスモールボアよりも手強い、Dランク下位の敵になる。スモールボアを総合力で上回り、優れたパワーとタフネスを誇る前衛型のレムレースだ。第10階層のボス部屋では、このオークが2体出現するそうだ。

 そして今の僕たちのレベルだと、スモールボアでは既に経験値としておいしくない。ここにいる4人ともレベル20を超えているので、本来はDランク下位のオーク辺りが適正な強さの相手になる。


 ……だけど、今日もスモールボア相手に戦うのは継続するつもりだ。同時に戦う数は増やすけどね。


「いや、オークは余裕があれば最後に1回だけ戦おうと思ってる。まずは第7階層のスモールボア3体を周回して、それで大丈夫そうなら第9階層のスモールボア4体を周回しつつ、ブロンズゴーレムも64体出して精度良く操る練習をしようと思ってる。まだ例の検証も済んでないし、オーク周回はやや時期尚早かな」

「やっぱり慎重っすね、エリオス様は。今の私たちのレベルなら、オーク2体なんて楽勝っすよ」

「……でも、リーダーとしては信頼できます。少なくとも、俺たちを死地に追いやるようなことは、不可抗力でない限りしないでしょうから」

「もちろんさ。探索者は冒険者じゃないんだから、無理は禁物だよ」


 僕だってまだ生きたいし、そりゃあ慎重にもなるさ。ティアナの故郷を取り戻すまでは、僕は絶対に死ねないのだから。


「オーク戦は周回しない。それでも第10階層を目指すのには、別の理由がある」

「転移装置でしょうか、エリオス様?」

「正解だ、ティアナ」

「えへへ……ありがとうございます!」


 さすが、ティアナはよく勉強してるなぁ。僕の役に立ちたいって、最近はダンジョン関連の書物をたくさん読んでくれてるみたいだし……自ら学ぼうとしてくれるティアナには、感謝しかないよ。


 ダンジョンは第1階層に加えて、第10階層、第20階層、第30階層……と10階層ごとに転移装置が存在する。そこまで1度でもたどり着き、第1階層まで戻ってこれば以後その階層まで転移することができるようになる。

 さすがに、毎回第1階層からスタートするのは時間の無駄だからね。そういう配慮がなされているわけだ。


「私とフランクはもう第10階層まで到達してるっすけど、エリオス様とティアナはまだっすね」

「……転移の可否は、個々人で判別されるみたいです。パーティで行動するなら、第10階層まで歩いて行くしかありません」

「まあ、それは仕方ないよね」


 仮に未到達階へ転移できたとしても、僕は絶対に使わないよ。

 ……なにせ、急に強いレムレースと戦っても勝てるわけがないからね。酷いケガを負うか、最悪は命を散らすようなことになりかねない。なので、この仕様はむしろありがたいと思っている。


 しっかりと自分の足でたどり着くことが、長い目で見ればむしろ1番の近道だったりするわけだ。


「ゼルマとフランクには申し訳ないけど、頑張って歩いて行こうか」

「了解です、エリオス様!」

「こらこら、ティアナは僕の後ろにいなきゃダメだよ」

「あっ、ごめんなさい……」


 パーティの回復役が前に出るなんて、普通に考えたらあり得ないからね。

 ……やっぱり、今日のティアナは少しテンションが高すぎるかな。これで、あまりに危険な行動が続くようなら……少し、彼女には束縛が必要になるかもしれないね。


「"マニュファクチャー・ブロンズゴーレム"!」

――ガガガガガッ!

――ゴドンッ!!


 ブロンズゴーレムを32体出して並べる。ここまで増えるとかなり負荷がかかるから、歩かせるだけでも相当良い訓練になるね。

 本当は64体フルで出したいけど、それだと通路がブロンズゴーレムで埋め尽くされてしまう。すぐに転移装置でワープする探索者が多いとはいえ、休養日で人が多いのだから一定の配慮は必要だ。


「「「「おぉぉぉ……」」」」

「こらこら、見世物じゃないぞ! さあ行くぞ、ブロンズゴーレム軍団!」

――ガチャガチャッ!


 周りの探索者から感嘆の声が漏れる中、ブロンズゴーレムに僕たちの周囲を守らせる。そして、そのまま下り階段へ向けて前進した。

 さて、なかなかキツいけどだいぶ負荷にも慣れてきたよ。このまま、すんなりと第10階層までたどり着けたらいいな……。



◇□◇□◇読者の皆様へ◇□◇□◇


 なろうに数多ある小説の中から、私の小説を読んで頂きまして誠にありがとうございます。


 読者の皆様へ、作者よりお願いがございます。


 皆様の率直な判定を頂きたいので、ページ下部より☆評価をお願いいたします。

 ☆1でも構いませんので、どうかよろしくお願いいたします。

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