第5話
傭兵ギルドの一室に、男が二人集まっていた。
「こりゃ酷いな」
上げられた報告書を読みながら呟く。
「1班は自滅、2班は戦闘意欲なし、3班は無鉄砲、また何かやらかしそうだな」
「早めに見切りがつけれて良かったと思いましょう。バリスタさんは何と言ってましたか?」
報告書をめくって次のページを見る。バリスタからの意見が書かれていた。
「1班は論外、2班は数回簡単な仕事で改善の兆しがあるか確認した上で、なければ退団させる。3班はバラバラに再構成し、必ず密偵系の技能者と組ませること、か」
思っていたよりは悪くないか。今回が当たりの班だったのか?
「2班は傭兵が戦う者と理解しているのでしょうか。警告はしておくべきですね。手配しましょう」
「3班はどうしようもないな。そこそこ腕は立つが纏まっていたらどうしようもない。口実を作ってばらすしかねぇか」
班割りを考えながら資料をめくる。
「同じ訓練を継続してやるか微妙なとこだなぁ。ちぃっとスパルタすぎるか」
「区分けはできましたが、訓練になったかは微妙な感じです。次は少し考えて別の訓練をするとしましょう」
人手不足が解消された訳じゃない。少しずつ使えるようにしていくしかない。
「あー、2班の連中もばらして3班とセットにして売り出すか。影響受けりゃ変わるかもしれねぇ」
「ああ、そうですね。やりましょう」
早速メモ書きから書類を作る。
考えてみると、同郷や同期をセットにしていたのも悪かったかもしれない。
人事が大変になるが、性格を元に班分けをやり直させよう。
良い人材なんてそうそう転がっていない。何事も使えない手札を組み合わせて、使えるように見せかけるしかないのだ。
報告書をめくると、バリスタから傭兵ギルドを引退したものたちのその後と連絡先が書かれた書類が出てきた。
「あの野郎。どうやって調べたんだ。これ」
自分の訓練では役に立たないと言っていたし、それを承知で願ったが、アフターフォローを忘れないヤツだっただろうか。
「おい、この書類から教官として復帰する気がないか適当に声をかけてくれ」
「判りました。手配します」
バリスタのヤツに借りができてしまった。どんな返済を迫られるのか考えると怖くなる。




