表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法陣の向こう〜モリーの物語〜  作者: サンガツワサコ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/17

魔女

王宮魔術師の噂は耳にした事がある。


魔法陣のグレイシア。


異端なる魔術を阻む魔法の魔法陣を開発した、伝説の魔法使いの弟子で、現在の筆頭魔術師。王兄の元婚約者として、今も離宮の研究室を利用している。パリス伯爵家出身だった筈だが、未だ独身でいて、王家がその才能を囲い込んでいるという噂もあった。


モリーはグレイシアの姿を忘れる事ができない。


魔力はもちろんのこと、その容姿も素晴らしく美しかった。他の魔術師たちが肩から掛けている黒いローブを、彼女は頭から被っていたが、そこから溢れる金の髪。青と緑が混ざった様な色のひとみに、白いだけでなく、香り立つ様ななめらかな肌。赤い魅惑的な唇。


あの時、王妃様が去ったあとに、ヨシュア様がグレイシア様に尋ねたのだ。


「貴女と話す時間を得るためには、どうすれば良いか」と


それを聞いたのか、将軍アルドレット様が、気遣ったようにモリーを呼んで手招いてくれた。


近くに寄ってそのお顔を見た時に、モリーはポッカリと口を開けて、ただ見惚れてしまう。


女神様、という言葉が脳裏に浮かぶ。


今までモリーが美しいと思っていたヨシュア様や王妃様はもちろん美しいのだけれど、グレイシアさまは、別次元の美貌と言えた。


困り果てたような表情をされていたグレイシアさまを連れて、アルドレット様は塔に入って行かれた。

残されたヨシュア様とモリーは、ただそれを見送った。


そして、ヨシュア様はおっしゃった。

「モリー。僕はこの衝動を抑えることはできないと思う」

「…はい」

「ならば、この衝動と真正面から向き合うしかないだろう」


ヨシュア様は、塔の方向を見たまま。きっとその目はグレイシアさまを見ているのだろう。


「ヨシュア様」

モリーが呼ぶと、ヨシュア様はようやくこちらを見てくれた。


「ご無事のお帰り、お喜び申し上げます」

震えた声で、モリーは言葉を絞り出した。


「うん、ありがとう」

ヨシュア様は微笑んで、モリーを抱きしめてくれた。

けれど、その日、魔力を分けてはくれなかった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ