幕間/貴族令息たち
「ヴィクター、お前ヤバいって!」
一部始終を見ていた同級のジークが、彼の腕を引いて令息達の輪の中に押し込める。
「何やってんだよお前!モリーはもう、王家に行くって決まってるのに!」
一つ年上のシドレーがヴィクターの頭を容赦なくを叩く。
「だって、気にならないすか?あの澄んだ魔力?あれがどう変わるかも気になるけど、ちょっとさ、どんな感じなのかなって」
「わかる!わかるけどさぁ。ヨシュア様、激オコだよ、あれ絶対」
ジークがヨシュアの方をチラ見する。
「いやでも、モリーに行くと思わなかったから、油断してたんだよ」
あー、と令息達が揃って項垂れる。
「それだよなぁ。どうりで親が動かなかったわけだよ」
「あ、お前も?」
「結構多いよ、モリーに関しては親が動かないパターン」
「親世代は把握済みだったって事?…言っておいてくれよ〜」
「魔力弱そうでも良いかって思ってたんだけどさぁ」
「でもあれ、長子だよ、侯爵家の」
「だからじゃねぇ?魔力量じゃなくて質に全振り」
「それな!」
「でも魔力関係なく良く無い?あの感じ」
「いいよー!わかってるよー!だから、余計にさ」
「何でヨシュアさま?!ってなるよなぁ。ヨシュア様ならもっとキラッキラなとこ行ってくれそうなのに」
「王族がみんなキラッキラだから、癒しが欲しかったんじゃね?」
あー。令息達が、また揃って嘆息する。
「モリーは癒しだよなぁ」




