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誕生
モリーはヨシュア様の子を授かった。
お腹の中に在る、不思議な魔力。
旧フェンスベリア領から戻ったヨシュア様はすぐに気がついて、モリーを抱きしめてくれた。
「私の子だ。モリー、ありがとう!」
口付けてくれる額から、魔力が注がれる。
モリーもヨシュア様の頬に口付けを返して、そこに魔力を添える。
子を得てから、ヨシュア様は変わられた。
エスコートする手が、モリーを見る目が、モリーを守る。
「イエン、お母様を守るんだよ」
まだ生まれたばかりの息子に、無茶なことを言う。
「ヨシュア様こそ。ご無事でお戻りください」
「モリーはいつまで私をヨシュア様と呼ぶの?」
穏やかに微笑んで、モリーに口付ける。
「…ヨシュア、行ってらっしゃいませ」
彼は満足気に頷いて、またフェンスベリア領に向かう。
早く落ち着いて、そばに居れるようになれば良い。
腕の中の小さな息子が、小さな寝息を立てている。




