第23話 1! 楽しい事へのカウントダウン!
ユノリアと別れ、街の外に出てすぐの事だ。
ブランさんの地獄のトレーニングから逃れるため。
俺は決死の逃亡大作戦を決行していた。
「……ブランさん。俺、新しい筋トレを思いついたんだけど、聞いてくれないか?」
「ほう! クロエくんから言ってくれるとは珍しい! いったいどんなトレーニングなんだ?」
「ちょっと準備するから目を閉じてしゃがんで、100万秒くらい数えといて」
「わかった」
→コマンド入力。B連打。逃走開始。
はーっはっはっは!
バカめ!
そうやって陽が沈むまで帰って来ない俺を待ち続けるがいい!!
「ところでクロエくん。こうして待つ間、新しい筋トレのヒントだけでも教えてくれないかな?(わくわく)」
「うわぁぁぁぁ!? 目を閉じてしゃがみながら、全力疾走してる俺に追走してきやがったぁぁぁぁぁ!?」
なんだその不気味な挙動!?
もしこれがゲームならチートを疑うぞ!?
「ああ……これか? 実は前々から考えていた『目を閉じてしゃがんで、100万秒くらい数えながらでもできる筋トレ』を試してみようと――」
「ピンポイントメタってレベルじゃねーぞ!?」
ていうか、こうまで楽しみにしてる様子を見ると流石に騙した事への罪悪感が……。
あとで体育の授業で習った、現代的な筋トレでも教えてやるか――?
「……あ! まずいクロエくん! 前! 前を――!」
「ほぎゃああああ!?」
「……ってな事があって、気づいたら倒れてたおっちゃんを発見したんだ」
俺は髪の毛に纏わりついた土や葉っぱや木の枝を自然落下させながら、傷だらけのシルヴァのおっちゃんに包帯を巻く。
トレーニングには怪我がつきものだと、ブランさんが備えてくれていたため、こうして応急処置くらいの役には立てた。
「ぐっ……」
「あっ! おい! その怪我で立つのは無理だって!」
包帯に血を滲ませながら立とうとするおっちゃんを、俺は慌てて制止する。
……ていうか、素人の俺から見ても生きてるのが不思議なくらいの大怪我だ。
元S級冒険者がここまで深手を負うって、相当ヤバい敵なんじゃ――。
「――まずいぞクロエくん、シルヴァ殿。さっき街を目視したら、明らかに様子が変わっていた」
シルヴァのおっちゃんを手当てする間、周囲の確認へ向かったブランさんが戻ってきた。
「街の様子が変わったって?」
「……恐らくだが、街を覆う魔物除けの結界に、何か手を加えられている」
「――! ……そうか。ファントムが何か細工を――」
シルヴァのおっちゃんの反応からすると、事態はかなり深刻のようだ。
今すぐにでも詳しい話を聞きたいが……。
「……そしてもう一つ問題が」
ブランさんが続けてひとつ指を立てると、……そのまま申し訳なさそうに自身の頬を掻いた。
「――見ての通り、巡回していた悪魔たちに見つかった」
「なるほどー。それでさっきから俺達、囲まれてるんだなー」
安らかな顔で俺も相槌を打つ。
……上空からものすごいガラの悪そうな悪魔たちにガンつけられて、正直、内心はちびる寸前です。
「フシュシュ……。ファントム様の命でシルヴァとか言う冒険者の生存確認に来たが……なにやら変なのが増えてるぜフシュシュ……」
「きゃははは! ねぇ、こいつらアタイがやっちゃっていーい? ていうかやっちゃうね? たのしみー!」
「滅滅滅滅滅滅滅——」
……随分と個性的な面々だ。
とくにきゃははは笑う女性悪魔さんが、すごくえっちな格好でいいと思う。
……って、今はそんな場合じゃないよな。
「シルヴァ殿はそこで休んでいてくれ。……という訳でクロエくん。申し訳ないが――」
「分かってるよ。行くぜブランさん」
「ああ。行こう、クロエくん」
とにかく話は、目の前の悪魔たちをぶっ飛ばした後だ。
俺は女神様のパンツを握りしめ、スキルを発動すべく、高らかに左手を掲げた。
「女性悪魔さんに【モンスターテイム】!! ――あ、失敗した」
「クロエくん!?」
ワンチャン、戦力補充ができるかもと思ったが、そう上手くいかないか。
気を取り直してブランさんに【モンスターテイム】を使い、彼女が悪魔たちをフルボッコ……瞬殺してゆく様を見守った。
「――それじゃあ、俺たちは街に戻れなくなったって事か?」
ダイジェストでブランさんにボコられた悪魔の一人を問い詰め、今の状況を説明させる。
すぐ横には俺たちを取り囲んでいた悪魔たちが頭から地面に突き刺さっており、最後に残った女性悪魔が、縛られた状態でガクブルと震えていた。
「け……結界の効果を反転させて、人間の出入を封じ、魔物が自由に行き来できるように変えたのよ……変えました。結界は街の教会で管理されている以上、ファントム様が乗っ取れば不可能じゃ……」
そいつは頭上にたんこぶを10段くらい重ねて、にこやかな笑みで拳を鳴らすブランさんを前にして涙目だ。
……その気持ちはすごく分かる。俺も頭にたんこぶを作ってるからな。
敵じゃなけりゃ、ブランさんを前にした時の怖さで是非とも語り合いたいくらいだ。
「……では質問を変えよう。ファントムの狙いは何だ?」
「仲間の数と配置は?」
問い詰める俺とブランさんに対し、女性悪魔は泣きながらも虚勢の張った笑みを浮かべて見せる。
「き……きゃはは。アタイがこれ以上口を割るとでも……」
「――クロエくん」
「了解」
ブランさんがスッ――と片手をあげる。
俺もスッ――と、女神様のパンツを巻き付けた拳を女性悪魔に向けて構えた。
「おパンツ・ナックル発射前〜! 3……、2……、1……」
「わぁぁぁぁぁ!? まって待って!! そんな屈辱的な変態行為で浄化されるなんてぜったい嫌ァァァァァァ!!!」
「……では、質問に答えてくれるな?(にっこり)」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん! 末端のアタイがそんなこと知ってるはずないのにぃぃぃぃ!!」
「……魔物使いだけじゃなく、デュラハンも良い性格してやがんな。……ある意味、ベストコンビか――」
樹に背を預けながら、シルヴァのおっちゃんがぼそりと呟いた。
「――結局、大した情報は得られなかったな」
……とりあえずその女性悪魔は縛りあげて頭から地面に突き刺しておいた。
下手人であるブランさんは、両手の土を払いながらこちらに歩み寄る。
怖いからそのサイコパスじみた笑みはやめて欲しい。
ちなみにさり気なく【モンスターテイム】も試してみたが、あっけなく失敗したのは内緒だ。
弱った状態でも抵抗力を抜けなかった辺り、あんなんでも俺よりは強いらしい。
――と言うか、ブランさんが強すぎて弱く見えただけかもしれないが。
「……しかし、シルヴァ殿の話を纏めると、エリク教祭父――この街の教会の責任者が、ファントムの正体だったとは。……超越級悪魔とは言え、教会の内部に悪魔が人間に化けて潜むなど、にわかには信じ難いが――」
「だが事実、奴はおれの娘――ユノリア=スカーレットを人質にとり、この通りおれは生きてるのが不思議なくらいの重症を負わされた。……元S級として、父親として、ふがいねぇ限りだ……」
今までのおちゃらけた口調はどこへやら。
シルヴァのおっちゃん……改め、シルヴァさんは、腹部で滲む傷口を抑えながらこれまでのいきさつを話してくれた。
……そう。
シルヴァさんは、ユノリアの実の父親だったと言う。
まったく似てなくてビックリしたが……。
だがブランさんは、それを聞いても動じる気配はなかった。
「やはりな。薄々、そうではないかと思っていた。特に、下着泥棒と戦っていた乱戦の最中、ユノリアへ及びそうな攻撃だけは、無理をしてでも全て捌いていただろう?」
「…………流石だねぇ。気づいてたんだ」
こんな所にも強者同士の読み合いがあったとは。
「……とにかくこれからどうするべきか。ファントムの言うゲームとやらが本当に“始まりの街スタール”での所業の再現だとしたら――」
ブランさんは、俺より大きな拳をゴキン――と、重金属のように握りしめる。
そして。
「――あんな事をもう二度と……起こさせはしない……」
彼女の首元の炎が、激昂するように激しく燃え上がる。
その鬼気迫る表情を見て、シルヴァさんは得心したように呟いた。
「……なあ魔物使い。やはり、彼女は本物の……」
「……ブランさんは、今も昔も、最強の女騎士って事だよ。俺達を守ってくれる……優しく、揺るぎない……究極の“力”だ」
シルヴァさんから、ファントムとの戦いの一部始終を聞いた。
“灰塵”という異名の通り、奴はどんな攻撃を受けようと、灰塵と化した肉体は瞬く間に復活したそうだ。
たとえそれが、悪魔の弱点である光属性の攻撃であろうとも――。
「……心配するなクロエくん。私の中で、奴の無敵性の正体について、いくつか仮説を立ててみた。まだ確たる答えは導き出せてはいないが……シルヴァ殿の情報を頼りに、戦いの中で解法してゆくつもりだ」
ブランさんは俺の肩をポンと叩き、力強い笑みを浮かべてみせる。
その眼光は――向こうにそびえ立つ、結界に覆われた城郭都市を鋭く見据えたままに。
「……頼りになるねぇ。……だが、奴が本当に無敵だとしたらどうする?」
シルヴァさんの問いに対し、ブランさんはグッと拳を握ってみせた。
「再生する度にぶちのめす。奴の心が折れるまで」
それどっちかと言うと悪役の台詞。
「……やっぱブランさんは脳筋だな」
「の、脳筋ではないぞクロエくん! 理論に基づいた力押しだと、何度言ったら――」
そのままガミガミと怒り始める彼女に背を向け――俺はシルヴァさんにニッ、と笑いかけた。
「なんか勝てそうだろ?」
「ふっ……確かにね」
シルヴァさんも、ぎこちなく笑みを浮かべる。
確かに敵は恐ろしい相手かもしれない。
けれども――ブランさんなら、負けるはずはない!
「――残る問題は……どうやって街に戻るかだ」
一拍おいて、シルヴァさんは現状最大の問題を切り出す。
さっき捕まえた女性悪魔の情報が本当なら、俺たちは反転した魔物除けの結界により阻まれてしまう。
そもそも街に戻れなければ、戦う事すらできないのだ。
「……それだけではあるまい。ファントムの言う“ゲーム”によって街の中で魔物が暴れても、街の人々は反転した結界のせいで逃げる事が出来なくなった。恐らくこちらが本命だろうが、いずれにせよあの結界を何とかせねば何事もままならないぞ――」
ブランさんは顎に手をやり、思案する。
「なあシルヴァさん。結界を解く方法はなんか無いのか? 俺もブランさんも、あの結界に関しては殆ど知らないんだ」
「おれに言われても、あれは街の教会で管理されてるもんだ。それをファントムが乗っ取っちまった以上、正攻法で解除するのは不可能に近い――」
……思った以上に厳しそうだな。
だったら結界を解除するんじゃなく、何らかの抜け穴を利用して侵入するしか無いって事か。
「――シルヴァ殿。確か以前、あの結界は実用化されて日が浅く、抜け穴も多いと言っていたな。何か、今の私たちでも可能な抜け道はないのだろうか?」
ブランさんも同じことを考えていたのか、いまだ傷口を抑えながら座り込むシルヴァさんを見やる。
シルヴァさんは樹に後頭部を預けて、苦しそうに息を吐きながら答える。
「……強引に通るなら、固有奥義のような強力な一撃を浴びせるのがいいだろう。……だが、決戦の前にそれだけの魔力を消費して大丈夫なのか?」
「……っ。駄目だシルヴァさん。俺の力量不足で、ブランさんは固有奥義クラスの攻撃を撃つとテイム状態をしばらく保てなくなるんだ」
「――だったら、強引に通るのはキツイ――か」
何か、他の方法……、
「――そうだ! ブランさんだけでも街に入れないか!? テイム状態じゃない時、ブランさんは正常な結界に弾かれただろ? 反転した今なら通れるんじゃ――」
「……入れはするだろうが、クロエくんがいなければ、私は攻撃に転じる事はできない。今の私たちの力量差では、離れた距離でテイム状態は保てないだろう。
……だが、このまま何もせず指をくわえて見ているよりはマシか……」
くそっ。この方法も最適とは言えない。
いくらブランさんと言えども、攻撃出来ないんじゃ、敵は倒せない。
中に入って結界を解除しようにも、攻撃手段がなければ袋叩きにされて終わりだ。
街の人は逃げ場がないし、他になにか方法は……。
……なにか……逃げ場……。
……逃げ場。
――待てよ?
「――なあブランさん。前に魔物除けの結界を初めて見た時、『魔物除けの結界……今の時代はそんな便利なものがあるんだな。私の時代ではいつ魔物に攻め込まれてもいいように地下からの脱出口が隠されていたが、今の時代は必要なさそうだ』って言ってたよな?」
「確かに言ったが、一言一句漏らさず真似できるクロエくんに軽く恐怖を覚えた」
だって台詞コピペして朗読したし。
――俺はシルヴァさんの方へかがんで、気になった事を問う。
「――なあ、シルヴァさん。魔物除けの結界って、半球形に街を覆ってるもんだと解釈してるけど、それって地下にまで影響はあるのか?
仮に、魔物除けの結界が実用化される前の時代の隠し通路があった場合、そこを通って街に侵入する事はできないかな」
「……そうか! 確かにあの城郭都市は、私の時代から存在していたものをそのまま利用している! であれば地下の脱出口も残っているハズ――」
俺とブランさんの視線がシルヴァさんへ集まる。
「……旧王国から今の国へ変わる際、新領主への引継ぎは、かなりの混乱があったと記録されている。隠し通路なんてもんも、都市の地図資料類がいくつか紛失した事で、存在が忘れられたんだろう。少なくともおれは知らなかった。
……そして魔物除けの結界は実用化されてからまだ日が浅く、抜け穴も多い。ひょっとしたら――」
――なんだか行けそうな気がして来たぞ!
「生前、当時の領主様には世話になってな。隠し通路の場所も、建築学に興味のあったマリィ――私の親友の付き添いで見取り図を見せてもらった。しっかり記憶しているとも」
ブランさんが力強く首肯し、俺たちの方針も固まった。
……さて、残るは――。
「シルヴァさん。ここにいると、また悪魔が襲ってくるかもしれない。こっちも危険かもしれないけど……俺たちと一緒に来るか?」
俺が尋ねると、シルヴァさんは自嘲気味に笑う。
「ふ……そうしたいのは山々なんだけどねぇ。――おじさん、見ての通り大怪我で腰抜かしちゃって、立てそうにないのよ~」
そのままおちゃらけた様子で笑って見せるが――途端に神妙な面持ちで、絞るように呟いた。
「……おれはここで死んだっていい。だから……頼む。娘を……ユノリア=スカーレットを……必ず救い出して欲しい……頼む……」
そのまま肩を震わせ、悔しそうに唇を噛みしめた。
シルヴァさんの無念は計り知れない。
己の無力さを痛いほど痛感し、心も折れてしまったのかもしれない。
……だけど。
「いや、たぶん俺とブランさんだけじゃ無理だ」
「……は?」
「あんまりうまく言えないんだけどさ。力だけじゃ人の心は救えないし、勇気を出したって、心がないと何も響かないっていうか、まずは心を取り戻さなきゃいけないっていうか――」
――ユノリアが敵に捕らわれたのだとしたら、父親である彼の助けは必要だと思う。
昨日今日友達になったばかりの俺じゃなく、父親の訴えがなければ、真の意味で心は救えない。
ユノリアは心の奥に、大きな罪の意識を抱えていると言っていた。
恐らく、ファントムはそこにも付け込んでいる。
そういうのを全部ひっくるめて救うには――俺だけじゃ無理かもしれない。
「――勇気って言うのはなんていうか、篝火みたいなもんだと思うんだ」
「どうした急に」
「火を点ける為には土台がいるし、一個点けて終わりじゃなくて、たくさん燃え広げなきゃ暗い所は照らせない。俺個人がいくら勇気を燃やそうと、土台や燃え広げてくれる存在がいなきゃ、暗闇を晴らすことはできないんだ」
「本当にどうした急に早口で」
うん。
いまなんかいい例え方が出来た気がする。
そして何より……。
「ユノリアを……助けたいんだろ? 自分の手で」
「…………」
「ほら。これなら一緒に行けるんじゃないか?」
俺はその場でしゃがみ込み――おんぶのポーズで、シルヴァさんに背を向ける。
「乗れよ。いまいちカッコつかないけど、俺がおんぶして連れていく。ブランさんは戦闘の為に手を開けなきゃいけないけど、俺はあんまり戦力にならないし」
「……ふ。どうしたのかな、魔物使いちゃん。おんぶは、おっぱいのデカい娘しかしない主義じゃなかったっけ?」
「俺の言う事をいちいち真に受けるとハゲるぞ」
「では、私はどれだけ頭髪があろうとも安心できないな」
ブランさんは冗談めかして息を吐くと、困ったような笑みを浮かべてシルヴァさんを見やる。
「どうするシルヴァ殿? 男の子の決意、年長者として無碍にはできないと思うが」
「あっやばい、ずっとしゃがんでると足がものすごく疲れる。はよのって」
「……クロエくん。さっそく私はハゲそうだ」
そんな感じで俺たちのやり取りを見たシルヴァさんは――、
「…………すまない。恩に着る」
「違うだろシルヴァのおっちゃん。前みたいに遠慮なく頼んでくれよ」
「――ふ。分かったよ。
……てな訳でクロエちゃ〜ん。おじさん、腰抜かしちゃって立てないから、おんぶして〜」
「了解」
勇気の重さを背中に抱え――。
俺は汗ばみながらも、高らかに大地を踏みしめた。
「……ありがとう」
「野郎のデレはいらねぇよ。そういうのは助けた後のユノリアに言わせてくれ」
「それとごめんねぇ。おじさんの雄っぱい小さくて」
「……やっぱ降ろしてもいい?」
本当に妙な事を言うのはやめて欲しいんだが。
「ふふ……」
「なんだよブランさん。ちょっと嬉しそうな顔して」
「……いや、すまない。クロエくんの良い所が見れてつい、な」
「……?」
ブランさんってBL趣味あんのかな。
「……クロエくんが何を考えてるか分からんが、恐らく違うからな」
「あ。クロエちゃん。おじさん顎かゆくなってきたから肩貸して」
「いだだだだ!? てめぇおっさんこの野郎! ほんとに降ろして引きずってくぞ!!」
やっぱりこのメンバーは、一癖も二癖もありそうだ。
一癖、二癖。一と二、か。
……そうだ。
俺もユノリアにならって、数字を数えてみよう。
――この絶望的な状況から俺たちが逆転する、楽しい事へのカウントダウンを。
要するに――、
「――よし。行こうぜブランさん、シルヴァのおっちゃん。地下の隠し通路経由で街に突入。“灰塵”のファントム共をぶっ飛ばして――ユノリアや街の人たちを救うぞ!」
「「ああ!」」
――明日を笑顔でいるために!!




