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Episode:華国・ロ連の侵攻?(未来パレード)

「おーぃ!大変だぞ!ニュース見たか?」と榊が息を切らして走ってきた。


「もう皆、とっくに知ってるわよ」と苛立つ神原が榊に食って掛かった、「それで今、博士が政府のお偉いさんと、テレビ会議中!」


「そっ、そうか、しっかしよ、華国が、九国と沖島は自国の領土だとか、あぁん、何言ってやがんだまったくよー」


心配そうに御神も会話に加わった「それよりも、ロ連が北道の主権は我が国のものと言って、近々奪還作戦を行うって、これって宣戦布告なんでしょうか」


「意味的にはあってはいるが、直接行動を起こしたわけでもねーし、面と向かって宣言した訳でもねーからな、まだ何とも言えねーな、政府の出方次第だぜ」


成神が冷静に状況を判断し「どっちの国も外洋に出るには、弐本が邪魔だったし、そこに来て、国連で弐本が北道と九国と沖島覗いて沈没とか言うから、好機と見て連携して動いているかも知れないな」


あせった表情で神原が「今、そんなことしてる余裕なんてないのに・・・どうしたら・・・」


「あんっ、どうしたもこうしたもねー、圧倒的な力の差ってもんを見せつけてやりゃいいんだ」


「それじゃあ、火に油注ぐようなもんじゃないの、この戦争オタク」


「あながちそうでもないよ、神原さん」


「なによ、アニメオタクまで」


「だーかーら言ったろっ!圧倒的な差をよー、こっちとらの兵器?いや科学技術ってよ、この銀河全体の知識だぜ、かなうわきゃねーだろが」


「でも、榊、作戦がいるね」


「おーよ、成神、俺の作戦聞くか!よーし教えてやろう」


「この脳筋、誰も聞きたいなんて、返事なんかしてないじゃん」


「まぁまぁ、神原さん、博士戻るまで時間があるから聞いてみようよ、一応、もと自衛官だしね、暇だし」


「ヤッパリ、軍事パレードと軍事演習だ、パレードはそうだな海に面した台場あたり、そーだ、東都と万葉をつなぐ大橋でいい、そう、あそこがいい、ちゃんと全国にいる弐本人に向けては表向きだが、注目を集めるようになっ、新装備お披露目の軍事パレードをやるって宣伝してよ」

榊は持っていたコーヒーを一口のみ続けた「最初は歩兵だ、3タイプを色別に100人づつだ、そこで成神よ、一人のモーションを全員同調できるかい」


「ああ、できるよ、簡単だ」


「なら、こうだ。100人身長とか敢えてそろえずに、だが、一糸乱れず行進するんだ、敬礼姿勢も完全一致だ!歩幅も、足上げも、腕も、背筋もピーンだ、完璧なシンクロ、まず、これで見てるやつぁたまげるぜ、練度ってやつを、背中のブレードも抜いて二三動作も入れる、これもシンクロ。続いてオニグモ戦車隊の登場だよ、それも、ただの登場じゃない、確かホバリングができたろう、5メートルくらいで、ホバリングしながら登場し、真ん中あたりで走行モード、驚くぜ、次に黒虎を数機、これもゆっくり飛んで、じっくり見せるんだ、そして急加速、最高速で離脱、他国はレーダーで追うのが大変だろうよ」


「それなら、レーダーに映らなくもできるし、見えなくもできるよ」


「なーに言ってやがる、見えなきゃパレードの意味がねぇや、そりゃ演習の時までお預けだ!白金も出すか?空から地上モードに変形するところも見せてやろう、そして最後は艦隊編成での観艦式だ、第一艦隊と第二艦隊でいいだろ、演習では、それぞれ北道と九国へ向かわせるだ、奴さんたちはデータ収集に躍起になんだろうな」


「じゃあ榊、演習はどうする」


「演習はよー、こう・・・・」榊の独演会は続いた。2時間ほどたって博士が戻ってきた。


「今は休憩じゃ、ざっと政府の要請じゃか。最先端技術を見せたいそうじゃ、パレードと演習じゃな」


「ほら、なっ、そんなとこだろうぜ!」


「なんじゃ榊くん・・・でのぅ、内容なんじゃが」


「博士、それならもう決めてるぜ!聞くかい?」


「ほほぅ、そりゃ手回しがよいのぅ、では、聞かせてもらえんかのぅ」と言い二人は会議室に入って行った。それから1時間30分、榊の2回目の独演会が、政府要人と博士の前で行われた。


それから3週間後、いよいよその時はやってきた、かねてから告知されていた軍事パレードの日である。国内の各所にパブリックビューイング施設が設けられ、テレビ中継はもちろん、SNSの全世界生配信や、ドローン中継、何十台ものカメラが大橋の約直線で5キロメートルに配置されている。数十年ぶりのことで弐本国じゅう大いに盛り上がりを見せていた。


そしてその時は来た、壇上に首相が立ち話し始めた。

『皆さんこんにちは、以前皆さんと弐本の近い将来について、共に立ち向かおうと誓った日から、本日、その成果の一端を弐本の皆さんに、全世界でご活躍されている弐本人の皆さんに、見て頂ける日が、こんなにも早くできたことを、私は弐本人の底力に感嘆するところでございます。また、昨今、我が国の領土を自国のものにしようと、力による現状変更を試みようとする勢力も出てきました。さぞ、国民の皆様もご心配であると思います。本日のパレードにより少しでも弐本国の未来に自信を持って頂くことを願って、ここに科学未来の粋を集めた未来パレードの開始を宣言いたします』

首相の宣言の後に続き、昼間でもきれいに見える大きな花火が、何発も何十発も打ちあがり、歓声と拍手、祝砲のなかパレードが始まった。

大音量の行進曲と共に、まず姿を見せたのは当初300人ほどを考えていた3種のセイバースーツを纏った陸・海・空に色分けされた隊員たちの行進だった。その数一万人程が仮面セイバースーツで、緑、紺、黒の集団で行進してきた、それは一糸乱れず進む光景で、誰もが感動する勇敢な姿に映った。世界中のテレビ、SNSなどのレポーターが同時に、驚嘆の声をあげ、感動で身震いするほどだった。


「行進かっけー」

「凄すぎてトリハダ」

「ロボットなのか、いや、背格好が微妙に違う!」

「背中のモノは刀なのか」


すると、首相の前で緑3500人が一定のグループで、敬礼をピタッピタッと決めていく姿がさらに歓声を強め、次に抜刀、右上段からの振り下ろし、中段からの小手打ち、刀おさめ、流れるような動きが、シンクロし、弐本刀のすさまじさも一層際立たせていた。


「おれも入隊したい」

「スゲー強そうで、他国はぜってーかなわんだろ、コレ!」

「これが弐本の武士道」

「これに勝てる気がしないね」


そして、10000人の緑、紺、黒の行進の後に続いたのは、ゆっくりとホバリングしながら進む8本足、スピーカーからは、T230型 鬼蜘蛛オニグモと紹介された、使用武器まで解説されたそれらの名称には、各国も驚きを隠せなかった。なぜなら、現在においては、各国が競って開発をするも現実のモノにはなっていないものだったからだ。首相の立つ中央部分手前700メートルあたりでオニグモは着地し走行を始めた。360°回転走行、各足を広げたり狭めたりしながら、砲塔の高低を変えながらの走行だった。それには、常識を超えた、そして斬新なデザインとその動きは、見ているものすべてに強烈なインパクトを与えるものだった。そして続く、ヒト搭乗型支援機AMD023(クロガネ)の並ぶ行進には、誰もが通常兵器での攻撃は無駄だと想像させるには十分だった。


弐本国民は歓喜した、他国は恐怖を覚えることとなったパレードは続く、既にクロガネの後ろをゆっくり飛ぶモノをみんなは認識していた。そこに「FZ型戦闘機黒虎です。Fとは未来、Zはゼロ、未来型零式戦闘機です」という紹介で、一段と盛り上がりを見せた。それは行進と同じ速度で ”見ろ” と言わんばかりだった、そして中央部を過ぎたころ、ゆっくり上昇し、いきなり目にもとまらぬ速度で飛び去った、その動きは人が言うUFOの速さ以上の加速だった。


「これで終わりか?」

「凄かったな。未来のゼロ戦か」

「最後どれくらい出てたんだ?データも取られたんだろうな」


すると、海上から無数の汽笛がなり、第一艦隊、第二艦隊の数十隻が海上を航行していった。

そして、その中のそれぞれ一隻づつ、計二隻の大型船から、何かが飛び立ち大橋に向かって来るのがわかった。

見えた場所から、手を振るもの、指をさすもの、飛び上がるものが大橋に向かってウェーブのように見えた。

第一艦隊からは、Zマジンガーとマジンダイザー、第二艦隊からは、ホルテスとジークンが雄姿を見せたのだ、誰もが知っているその姿は、まさに時代のヒーローだった、特にアニメを模してデザインされたこれらは、世界中でも放送当時は人気を博したものだった。この時は、全世界の人間が地球のヒーローとして拍手と歓喜の声を上げていた。


「よく考えたら、全部アニメのヒーローだよね」

「仮面セイバーもクロガネも、戦艦もロボットも見たデザインだよ」

「弐本のみんなは勇気が出るだろうね、うん、受け入れられるよ」

「守ってくれよ」


会場のアナウンスが伝える『これにて未来パレード、観艦式 ”目覚めよ弐本、平和のために” を終わります。この後、第一艦隊、第二艦隊は演習地点に向かいます』といい、東都湾と出ると、それぞれ北と南に舵をとり、数十分航行したのち姿を消した。この状況、つまりは各国が揃ってレーダーロストしたことは、更なる混乱を与えることとなった。


「どうじゃな榊くん、感想は?」


「おうよ、ちーと出るモンは違ったが、十分満足だよ、演習でも、ドギモ抜いたろうじゃねーか」


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