Episode:悪魔の運び屋(神原+御神システム)
「錬金術か、なかなか面白いところに目をつけるのぅ、して、何を思うて金を生成したんじゃ」
「はじめは元素記号でしたが、うまくいかなかった。金の延べ棒そのものをイメージしたらできました」
「なるほどの、では、それが本物の金の延べ棒か、成分分析からじゃなぁ、借りても良いかの」
「どうぞ、いくつでも作れるので」と成神は博士に延べ棒を渡した。それを見ていた榊と神原は、「ちぇっ」と舌打ちすると、お互いに「あんたがファイヤーとか言うから」「お前だってアイスなんとか、とか気取って言ってたじゃないか」と言い合いながら、視線は金の延べ棒にくぎ付けになっていた。
「想像で、ものが出来るとなると、お前さんの頭に中のモノを一気に作れはせんかのぅ」
「今度、試してみます博士」というのを聞いた神原が、小声で「なーんか出来ちゃいそうで怖いわ、私らの今までの苦労って何!」言うと、榊と御神がコクリと小さく頷いた。
御神が話題を変えようと話を始めた「そうそう、以前、成神さんが言っていた物質転送ってどうなったんですか」
「それなら、試作はできておる、ガルムの側近の彼の切り裂く能力がうまく使えそうなので、御神君と神原君のスキルも使ってのぅ、指定した範囲にあるものを移動させるシステムじゃよ」
榊が手をパチンと叩き「それってSFアニメで言うワープて言うものじゃねーのか」というと、御神が少しむきになって「これは神原さんと私のシステムです!ワープじゃありません!」と榊をにらみつけた。
「確かにそうじゃ、SFアニメじゃろうがワープにはきちんとした理論や技術があるが、これは、結果は同じになるが、原理や理論がない、わからない代物じゃからのぅ」
「いきなり爆弾を敵さんの頭の上に落とせんだから、そりゃ悪魔のシステムだな」
「さっすが脳筋ね、爆弾?発想が貧困ね、平和利用を考えなさいよ、私たちのスキルなんだから」と神原が言うと「そうですわ!発想がお下品ですわね」と目を細めて榊の顔を見ながら御神が続いた。
「でもさ、艦隊のすべてに付けるつもりだよ!」と楽しそうに成神が言うと、神原が成神に「わかってるわよ、でも、大概にしときなさいよ、まったく」と睨んで言った。
「わっ、私も何かお役に立つシステムをつく・・」と言い終わらないうちに、成神が「最初が康美さんのスキルを使った工場だったね、なんだっけ、時の部屋だっけ」と言いみんなに同意を求めた。康美もみんなが相槌を打つのを見て「そ、う、だった」とつぶやき安心した様子だった。
今度は神原が得意げな表情で話題を変えてきた「私たちのシステムの平和利用を思いついたわよ、この弐本を丸ごと移動させられればいいんじゃないの?ねぇ、いいアイデアでしょう!」
「何を言いやがる、そっちこそ発想がどうかしてるぜ、そんなこと地球も望んじゃいないだろうさ」
神原も発想に無理があることを承知で言った言葉が、榊に即ダメ出しされたのが悔しかったのか「何よ、ちょっと言ってみただけよ!」と、ぷいっと顔をそむけた。
そこにリザレッドが口をはさんだ「皆様、この国が沈むというメカニズムですが、地殻変動により大陸のプレートが引き込まれることで起こると推察されますが、いかがでしょうか?」
「簡単に言えばそうじゃな、で?それがどうしたのじゃ」
「我らの星でもそれが繰り返されていました、その都度引き込まれないように、プレートから切り離していたのです、それを繰り返していたため砂漠化してしまった。でも、一度だけなら地球へのダメージもほとんどないのではないでしょうか?あと何割かの沈没は避けられるのではないかと思いますが」
「なるほどのぅ、引き込まれるプレートを切るということか。これはシミュレーションが必要じゃな、して、その方法は?」
「我らが大陸プレート切断をいたしましょう、経験はあります。ただ!」
「ただ、なんじゃね」
「ただ、神原様に種を増やす許可を頂かないとなりません」
「弐本のためでしょ!許可よ、許可するわ」
「ははっ、ありがとうございます、では一万程増やさせていただきます」
「いっ、一万!嘘でしょ!ドゴーラは共食いだし、ガルムは毛でしょ、リザレッドは毛がないか」
「私たちは通常の出産でございます」と、リザレッドはひょうひょうと答えた。
「いったい、どんだけかかるのよ!」と少し顔を赤らめながら神原がリザレットに食ってかかった
「いえ、わたくしたちは一度の出産で、1000以上の卵を産みますので、さほど時間はかからないかと、それにある程度まではすぐに成長いたします」とリザレッドはまた、ひょうひょうと答えた。
「ふーん、それは良かったわね」と言い、神原は落ち着きを取り戻したようだった。
「では、博士殿、これからの進め方をご一緒に」
「そうじゃな、これも一大プロジェクトになるのぅ。では始めるかのぅ」と言い、周りの協力者に指示を出した。




