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Episode:弐本国いじめ(難民拒否と輸出規制)

「はじめまして、皆さん、私はネ申康美<ネモウ ヤスミ>、娘です。」


「そう、これはわしの娘じゃ、29歳独身じゃよ」


「もぅ、そんな情報いらないでしょう!」


「この子の力もまだ未知数じゃ、わかっていることは、皆は”天使の口づけ”と呼んでおる。ケガしたところにキスをすると、治癒能力が活性化し何十倍のスピードで完治に向かうというものじゃな。」


「つまりなんだ、この嬢ちゃんが、ツバをつければ、たちどころに怪我が治るんだな」


「おっ、お父様、私、あの人嫌いです。」


「わっはっはー、さっそく気に入った人が見つかったのぅ、康美」


「だーかーらー嫌いだってっ言ってんだろう、このもうろくジジィ!」


遠くから成神が手を振りながら走ってきた、「おーい、みんな目を覚ましたか!榊、早く抽出してくれ!」


「んったく、もう少し休ませろよ、人使いがあれーなー。」


そんな会話を遮るように博士が話し出した。「よーし、ここで知らせがある、良い知らせと悪い知らせじゃ、どちらから聞きたい?」


翔子は当然という顔をして「じゃぁ、悪い知らせから。」


「そうじゃな、私らは政府機関として活動しておる、して、これから弐本に起こること、結果どうなるかを伝えて、政府もようやく重い腰を上げたんじゃ。」


「なに、いい話じゃん。」


「話は最後まで聞きなさい、そこで弐本救済のためのプランを政府に上げた、一つはこの箱舟、君たちの言う避難船のことじゃ、もう一つは、各国への弐本人受け入れ、いわゆる難民受入じゃな、それを政府は国連に訴えたんじゃ。早くから弐本の天変地異を予測していた大国の常任理事国は予期していたのかはわからんが、口をそろえて拒否権を唱えたんじゃ。」


「なんてこと、同盟国のアメリアもですか?」と御神が疑うように問いかけた。


「そうじゃ、なので自力で何とかするしかないという事じゃ、資源の輸入もままならんという事じゃ。」


「なら、また他の星からもってくりゃいいじゃねーか。」と榊が軽口を言った。


「懲りないわね、あんた、私たち死にかけたんだよ、一人を除いて・・それに私の宇宙服、溶けちゃったし。」


「そして、いい話じゃ。君たちがたちがリュートの星から持ち帰ったものじゃが、誰かが適当に採取したなかに、いろんな元素があってのぅ、それを組み合わせると多くのアイテムが製造可能になるようじゃな。物質元素構成機の材料もあるぞぃ。」


「なんだ、そんなこと?」


「それだけじゃないんじゃ、ある微生物も捕獲していたんじゃよ。これはドゴーラというものらしい。食べたものと同じものを排出し、さらに分裂もするようじゃ。」


「だから?」という神原に、成神が割って入った。

「だから、取ってきた物質をどんどん地球で増やせるって訳だ、なぁ、すごいニュースだろ。」


「でもよー、分裂しすぎて困ったことにならないのか?」


「そこはじゃな・・・」と博士は成神に目配せをし「成神君の命令で、分裂を抑えることができるようじゃ。」


「へぇー、微生物にも脳みそあるんだ・・」と神原は驚いで見せた。


「そして、ジャジャーン、そこでできたのが、Teams第二のアイテム”転写版”だよ、書類では正式には・・・”スキルコマンダー液”というものだ。」と自慢げに成神が瓶に入った液体を見せた。


すかさず神原はツッコんだ、「液体なんだ、”版 ”ってどこ行っちゃったの?その辺はスルーなわけね。」


「この液体に向かって能力を使ってみて、コピーされるから、榊はとりあえず左手の力ね、神原は跳ぶ力、御神は見る力ね、さっ、どうぞ。」と瓶を3つ並べた。


「それを、このドゴーラで増殖して、いろんなものに塗布すれば完成だ。」


「そんなことできるんですか?」と不思議そうな表情で御神は瓶を眺めていた。


「もう、試したよ。僕のつながる力をね。さぁ、忙しくなるぞー、みんな!」


「あぁー、やっぱ試してんだ。」と神原は頷いていた。


「だけどやっぱり、材料の輸入に規制かけられたんじゃ、そりゃもう、弐本いじめじゃねーか。」と不満げに話す榊に成神は「さっきも言ったろ、ドゴーラで増やせるって。」


「違うって、そこじゃぁねーよ、言ってみりゃ大国そろって弐本叩きして、それに小国も付き合ってんだろ!、弐本は昔みてーに鎖国状態じゃねーのかって言ってんだ!」


「いいさ榊、どうせ弐本のほとんどが消えるんだ、その後のことを考えておけばさっ。」とサバサバした表情でそれでいて成神は前を向いている。


「だけどよー、国民の協力得るのも大変だろ、ごみを集めろとか、家を差し出せとか、労働力も。」


「そこはわしに考えがあるんじゃ、首相にも一役買ってもらう、演説と同時に私の思念に、成神君の命令をのせて送るんだ、強制にならないようにソフトタッチでな。」


「ソフトタッチが聞いて呆れラー、強制労働じゃねーか。」


「いいんじゃない、それで。」と珍しく神原が同意した。


「おい、おい、いいのかよ。」

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