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宝石令嬢と白蛇公爵  作者: 暁紅桜
II章:《宝石箱》
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11話

数日後、セレーネたちは王都に向かうために身支度を行なっていた。

通常であれば王都までの道のりは数日かかるが、セレーネの魔法を使用すれば一瞬。そのため、王都にあるソルネチア家には当日でも十分間に合う。

夜のパーティーの身支度も考え、早朝に移動の準備を行い、別荘につくなりすぐにパーティー準備が行われる。


「セレーネ、これで全部かしら」

「はい。ありがとうございます、奥様」


侍女とアニエスに手伝ってもらい準備を進めるセレーネ。

ユリウスも手伝うと言っていたが、アニエスに止められてしまった。

クスリと涙を浮かべてチラリと一瞬セレーネを見つめるが、すぐにアニエスに怒られてそのまま退散。


「………ねぇセレーネ」

「ん?はい、なんでしょうか?」

「貴女なら、【ファータ】の第三夫人を治すことはできる?」

「……はい。おそらく問題なく」


リュシュリシュの足にユリウスの呪い、ラベンダーの呪いを解いた実績があり、それらに比べればセレーネにとって第三夫人の体を治すことは簡単だ。

しかし、セレーネにとって治す時には必ず確認することがある。それは、本人の意思である。

何度か念を押しはするが、それでも本人が望まないのであればセレーネも治療をしない。ただ、セレーネが念を押すと自然と相手は本音を口にする。だから皆治療を受けている。


「もし、第三王女様と話す機会があれば、提案してほしいの」

「……わかりました。機会があれば、ご提案いたします」


◇ ◇ ◇


数時間後、準備が完了し屋敷の前に荷物をまとめておく。

見送りにアニエスとユリウス。数名の使用人たちが立ち会う。


「アニエス、ユリウス。屋敷のことは任せるぞ」

「はい、お任せください」

「レーネ」


ぎゅっとセレーネを抱き寄せて、ユリウスは寂しそうな表情を浮かべる。

強く抱きしめられ、セレーネの体を優しく撫でてあげる。


「浮気は許さない」

「すると思いますか?」

「思わない」

「ふふっ。ご安心ください。知り合いとしか関わりませんので。友人の少なさはごぞんでしょ」

「……悪いことだが、こういう時、君に友人がいなくて良かったと思ってしまう」

「ふふっ。そうですね」


ゆっくりと2人の顔が近づくが、全員が一斉に咳払いをしたことで、セレーネは一間があることに気づいて恥ずかしくなり、ユリウスは子供のように拗ねた表情をする。

呆れた顔を両親を苦笑をする使用人とルキウス。


「では行ってくる」

「行ってきます」

「行ってまいります」


魔法陣が発動し、セレーネたちの真下に魔法陣が展開され、3人は王都に移動した。


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