表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/80

8-4話 護衛イベント出発しました

「……では改めてよろしく頼む。ヨキ君」

「いえ、こちらがお願いしている事ですので」


結局、今回は全員で行くことになった。

ただし、日程の都合で、途中クローディアさんとミミは一時離脱する可能性はある。

今回の目的地は砂漠の国イルール。その先にあるとある採掘場跡だという事だった。

馬車で行って往復三週間。帰りはワープ移動で行うとしても、かなり時間がかかる距離だった。

始めは丁寧語で話していたが、そういう事は必要ない相手のようで、4日目にはすっかりタメ口になっていた。

馬車の中で休憩中、武具の整備を教わりながら、取り留めもなく話している。


「しかし、リーフの護衛って本当は必要ないだろ?」

「ないと言えばないな。今回行く場所もすでに何回か言っている廃坑だ。

しかし鉱石を探している間に魔物を相手にするのは面倒くさいのも事実だ」


臆面もなくそう言ってくるリーフに俺は苦笑する。


「そうだと思った。見た感じ、俺たちより強いだろ。リーフは」

「いや、それは違うかな。俺はあくまで鍛冶屋だ。必要な魔術を学んではいるが、冒険者のとは質が違うさ」

「質、ねぇ……」

「力が強いだけのアマチュアか、技術もしっかりしたプロかの違いと言ったらいいか」

「なるほどな、それはそうかもな」


まあ、俺たちがそういうプロかと言うと難しい所だが。

所詮遊びでやってることだしなぁ。

ま、NPCからはそう見えるという事か。

そんなことを考えていると、馬車の入り口から人影が差してくる。

そちらを向くと、白銀の長髪の女性が顔をのぞかせる。


「あらあら、難しい話をしていますのね」

「あ、バーゼスさん。そんなに難しい話はしてないですよ」


ヒョイッと馬車の中に顔を出したのはバーゼスさんだった。

御者がイルミに代わっているのを見ると、そろそろ交代の時間だと察する。


「そろそろ交代ですか?」

「ええ、そうですわね。よろしくお願いしますわね」

「分かりました。じゃあ、失礼しますね」


よっと小声で言って立ち上がり、バーゼスさんの横を通り過ぎる。

バーゼスさんはと言うと、入れ替わりで俺が座っていた場所に行くとストンと座った。

つまりはリーフさんの隣に来る。


俺はその様子を横目で見ながらその場を離れた。


「んー。なんだろうなぁ」

「どうした?」


マリオと俺で、外回り。

護衛と言ってもそうそう敵も出ない街道で、警戒心も薄く雑談していた。

俺はさっきまで見ていた光景を思い出しながら話している。


「いや、バーゼスさんに対してリーフさんどうにも緊張していないか?」

「あー、確かになぁ」


このパーティの中では、設定上リーフさんが一番年上だった。

イルミやクローディアさんにはそのそぶりがない事を考えると、若干不自然と言えば不自然と思える。

どうしてだろうなと思っていると、ミミも俺たちの会話に混ざる。


「それについては本人に聞いてきましたよ」

「早いな、おい」

「不和があっては行けないので疑問点は潰しておきます。この辺はちゃんとしますよ」

「すげーな……」

「人間関係には敏感にならないと、地雷踏む可能性もありますからね」

「難しいなー。それ。皆そういうの考えているのか……」

「人によっては地雷を踏み潰す人もいるので一概には言えません。私がそういうタイプってだけですね」


ミミは笑いながら、コホンと一つ咳払い。


「えっと、それで何ですが、リーフさんはクレア・バーゼスとかいう同姓同名の別人に魔術の師事をしていたそうですよ」

「……あー、なるほど。それじゃ仕方ないか」


あっさりそれで納得する俺たちに、逆にミミがあれっという表情になる。

青い髪が揺れ、やや大げさ気味に体全体で驚きを表した。


「へ? それで納得するんですか?」

「俺たちその人に会ったことあるからな。俺が魔術覚えたのもその人のおかげだし」

「えっと……そうなんですか?」

「ああ、余りにも似ているから、俺たちは魔女さんって言ってる」

「ほへー。そういう事もあるんですね」


目を丸くしていうミミに頷く。

この子もなんか初めて会った時と印象変わったなぁと思いつつ、言葉を続ける。


「まあ、自分の師匠にそっくりな人とかどうしても緊張するよな」

「間違いない。怖い先生とそっくりな人が近くにいたら、俺も緊張するし」

「それはそうですね。というか本物疑惑が頭から離れないですよ。それ」


皆で笑いながら言う。

しばらくして、今度はマリオはうーんと首を捻るとポツリとこぼした。


「しかし、あのリーフって奴、どうもバーゼスさんの旦那に似ているんだよなー」

「そうなのか?」


また似てるのか……なんなんだろうな。

本当に運営の中にバーゼスさんの関係者でもいるのだろうか。


「まあ、写真で見た感じだけどな。年齢は当然リーフさんの方が上だし、あくまで似てるってだけだが」

「バーゼスさんみたいにそっくりではないという事か」

「まあ、そういう事。妙な偶然ってあるものだな」


その日はそんな感じでまったりと過ごす。

このゲームの時間の過ごし方が、かなりリラックスしたものになっていた


特に何も起きらないままライグニットに到着し、同時に1週間が経ってしまった。

俺たちはログアウトして、一日は終わる。

同時に電話が鳴る。まあ、このタイミングだとミキだよな。

ルームでミミと遊びに行った事話したら、その後黙り込んだんだよな。

どうしようかと思っていたけど、あちらから電話がかかってきたのは助かる。

そんなわけで、明日の遊ぶ約束を取り付けて今日は寝る事になった。



そして、翌日、いつものように俺とミキはゲーセンに来ていた。

まあ、特段変わっていることはない。

違いがあるとすれば、ミキが細かいアクセサリーをつけている位か。

正直、それがあるとぐっと大人っぽくなって、ちょっとしたことなのになんとなくどきりとした。

と言っても、行動自体が変わるわけではないわけで、


「お、新台がある」

「やってく? シーズンが更新されて新要素が来たみたいよ」

「へー、やってくかー」


最大3人でパーティを組んで、対戦するゲームを見ながらもう少し進む。

何して遊ぼうかと相談していると、

ちょうどゲームが終わったのかマツルが正面からやってきてた。

かなりご機嫌な様子で、鼻歌でも歌いだしそうな感じだった。


「よう。マツル。どうだった?」


すると、マツルは親指を上げ、言ってくる。


「おう。ついにトップ取ったぞ。しかも最後、プロと一騎打ちで勝った」

「すげえな! おめでとう」

「そうだ。それなりに投げ銭が入ったからどっか喰いに行くか?」

「勿論奢りね」


あっさり決まると、近所のレストランへ。

いつものように雑談していると、少し真面目な顔をしてマツルが言う。


「なあ、ここ二、三日変なチャットが来るんだが」

「ミルシアシードで?」

「いや、別枠」


なんだろうなと思っていると、


「『この後会えますか?』『今、どこにいますか?』とか」

「うわっ……怖っ。返信はしてないよな」

「当然。流石にできないぞ」


何かのスパムメールかと思っていると、ミキも同じことを思っていたのか口を挟んでくる。


「まあ、悪質なスパムメールよね、それ」

「ただなぁ。最後に来たのが『マリオ様、見つけました! これからそちらに行きます』だったんだよな」

「まあ、名前は違うんだし、スパムだろ。……あれ?」

「気づいたか。これ、ミルシアシードのPC名だろ」


まさかとは思うがミルシアシード経由じゃなくてマツルにたどり着いた奴がいるのか?

怖いな、それ。本当だったらストーカーだぞ。


「……ストーカーでもついたか。あんまりひどかったら運営と警察だな」

「運営には報告してあるよ。他社分はどうにもできないけど、ミルシアシード内の情報洗ってみるってさ」

「それなら、後は待ちかな? しかし怖いよね。ストーカー。最近私の方にも結構変なの来てるみたいだし、ショウの方で全部止めてくれてるから害はないけど」


やっぱりイルミの方にも来ているかー。まあこっちは当然な気もする。

俺の方には来てないんだろうな。ミリンも特に何もいってないし。


「ま、お互い気をつけような」

「一人何もないから気楽だな」

「いざとなったら守ってよね」


最後はいつものような緩い空気で終わった。

しかし、ストーカーか。実害ないといいけどな。

最近忙しめのため、次回以降遅れる可能性があります。申し訳ありません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ