7-3話 相手のパーティと話しました
目的の場所はここレストアの街から馬車で3日程にある巨大な崖。その底だった。
そこから時々、狂暴な魔物が這い出してきて旅人を襲っているらしい。
被害は報告を受けているだけで二桁越え。
全滅していたらそもそも情報が入らないため実際の被害は相当だと考えられた。
被害範囲に街道も入っているため、レストアの街から南のミッシェルの街まで行く道が非常に危険と言う状況になっていた。
ミッシェルの街のはこの地域の貿易の要衝。危険でも街道自体を使わないという選択肢もなかった。
そのため広く冒険者に依頼を掛けており、複数受けることが前提になっていた。
「あたしたちが依頼を受けてから調べたのはこんな所。質問ある?」
そういうのは、外はねショートの緑の髪。背が割と高く多分170cm位。
そして伊達メガネをしている少女。カナエだった。
彼女たちの中で、いわゆる知恵担当なのだろう。
説明は彼女が担当していた。
彼女の話に手を挙げたのはイルミだった。
イルミを向きカナエは頷く。
「はい、イルミさん。なんでしょうか?」
「怪物の外観とか弱点っぽいのとかわかりますか?」
「うーん。失敗したプレイヤーの話だと、ぱっとみ巨大な角を持った牛……かな。弱点は当然不明ね」
「牛……ミノタウロス?」
「そっちになると2足歩行になるわね。4足歩行だったみたいだから……ちょっと違うわね」
「そっか……動物系の魔物は体力と攻撃力が高めなことが多いのよね。ありがとうございます」
そういった、イルミは少し考えているのか黙る。
一方次に手を挙げたのはバーゼスさんだった。
「はい、バーゼスさん。どうでしょうか」
「その地域は元々魔物は多いのでしょうか」
「それは間違いないわね。そいつが出るまで割とプレイヤー間では狩場だったから」
「なるほどですわ。今はそんな事になっていたのですわね。しかし、魔物が出てからプレイヤーが減っているとなると、魔物が多くなっている可能性はありますわね」
「そういう分析もありですね。そうすると回復アイテムは多めに持っていく必要がありますね」
バーゼスさんとカナエの話を聞きながら、方針は彼女らに任せればいいかと思う。
とりあえず俺の方は細かいことを聞こうとシルビアの方に話しかけた。
「そういえばそっちのチーム。馬車は持ってますか?」
「んーと、持ってないです! 高いので!」
「そっか……距離を考えると借りる必要がありますね」
どうしようかと考えていると、長い青髪をサイドテールにした少女。
釣り目がちな目が印象的。確かミミさんがこちらに気づいたのか言ってくる。
「一応資金は足りるから借りられるよ。君たちはどうなの?」
「パーティで持ってる。4頭立ての馬車があるから」
「うわー! 馬車所有のプレイヤーは初めて見る! すごいすごい!」
シルビアが興奮気味に話すのを尻目にミミの方は腕を組みながら頷く。
「クローディアが言ってたけど、結構やり込んでるのね。君たち」
「まあ、そうですね。一応始めの方から遊んでますから」
「そーゆーことか。この案件受けるとき、ゲームの方の運営が君たちを紹介したのがわかるね」
「へ? 運営が?」
てっきりクローディアさんと同じパーティだからと思っていたのだが。
なんで運営が絡むんだ? 意味が分からなくて疑問符を浮かべていると、ミミが続けて言ってくる。
「始め、企画立てたときはクローディアのみが合流するつもりだったんだけどね。
ゲーム運営から君たちを同行させた方がいいって話になったのよ」
「はー。なるほど」
「まあ運営が言う前にクローディアが君たちと一緒に行きたいって言ってたのもあるんだけどね。
配信上大丈夫かなと思ってた所、ゲーム運営から提案されたってわけ」
「それは嬉しいですねー」
俺たちはエンジョイ勢とは言え、一番始めにこのゲームで遊び始めたからな。
それなりにこのゲームの知識はある。でもクローディアさんと運営からもフォローされるとは思わなかったな。
「まあ期待に応えられるように頑張るよ」
「お願いね。ま、負けても配信的には美味しい状態にするから気負わずにね」
この人は結構真面目だな。シルビアさんがムードの纏め役ならミミさんは参謀タイプなのかな。
ミミとの会話の間、金髪の片口までウェーブが掛かった髪の少女、アズサ
黒髪の少女、サツキはクローディアさんと話しているようだった。
ま、まだ話さなくてもいいか。
そう思いながら周りを見ているとマリオがいない。
どこにもいないように見える。と思っていたら、近くの建物から出てくる。
いっしょにシルビアがいる。なんだろうと思っていると、マリオから声が掛かった。
「おーい。とりあえず馬車借りて来たぞ。撮影考えると時間ギリギリになるからさっさと出発だ」
「おー! 今回のタイムキーパーは君か! あたしたちすぐ脱線するからありがたい!」
ミミが笑いながらそう言って、馬車に向かう。
それに続くように他の4人も移動を始めた。
うーん。これ、結構ちゃんとキャリーしないといけないか?
「……不安だなー」
「大丈夫だって。私の方でコントロールはするから」
「頼みますよ。俺たち素人なんだから」
俺の呟きにクローディアさんが苦笑しながら反応する。
俺も軽口を叩きながら移動の準備を始めた。さて、久しぶりの大きなクエストだな。




