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4-4話 いつものルームに入りました

いつものルームに入ると、ミリンが気づいたのかすぐさま寄ってくる。

俺も片手を挙げてそれに応えると、ミリンはいつものように聞いてきた。


『おかえりなのじゃ。今日はすぐにログインするのかのう?』

「あ、ミキがまだだからな。ちょっと待ちだ」

『そうかそうか』


なにやら嬉しそうに話すミリン。多分何か言いたいことがあるなと察する。

……こういう時は聞いてあげた方がいいんだろうな。


「何かいいことがあったか?」

『そうなのじゃ! プレイヤーも順調に増えているし、今度、企業系のVとコラボすることが決まったのじゃ!』

「へぇー。そりゃいい事だな」


企業Vとコラボともなれば、広告効果もそれなりに大きい。

さらに人を集めるには有効に思える。

そう思っていたのだが、当にミリンは少しだけ声のトーンを落とした。


『じゃが、コラボに当たり新しい機能を作らなくてはならなくて、運営は今デスマーチ真っ最中なのじゃ』

心配するように言うミリンをよそに、俺は言うと、新機能の方がが気になってくる。


「なあミリン、新機能ってどんなのだ?」

『ゲーム内アバターは本人の容姿をベースにしておるじゃろ?』

「そうだな」

『企業Vの多くは元から中の人とは異なる人物像を使用しておるのでな。そこに対応する必要ができたのじゃ』

「確かに中の人がゲームのアバターとしてでるのは問題だよな」


確かに、急に中の人が出てきたらびっくりするし、今まで使っている絵と全然違ってるのは問題だろう。

このゲームだと、今はそこに対応できてなかったよな。


「そうなると、アバターを弄る機能を作るのか?」

俺の質問にミリンはうーむと唸り始める。

ご丁寧に、視線が下に向いている感じ、言うか悩んでいるらしかった。


「あ、まだ企業秘密とかだったら言わなくていいぞ」

『……カリタだから言ってもいい事にするのじゃ。こちら側にとっては半分協力者的な存在じゃからなぁ』

「いや。俺、ただのプレイヤーだけどな」


単純に1番始めにこのゲームにアクセスしただけだぞ。運営からお金貰っているわけでもないし。

ゲームだって楽しいから遊んでいるだけだし。

そんな俺の考えは、ミリンには届かないらしい。

今度は目を輝かせながら話し始める。


『今回追加予定なのは特殊メイク機能なのじゃ』

「特殊メイク?」

『今のアバター作成方法は結構システムの根幹にあって、そうそう変更できない部分なのじゃ。

だからアバターに被せる形で外見を別人にする……要はゲーム中では決して落ちない化粧みたいなものじゃな。

そう言う形で、アバターの外見設定を変えることにしたのじゃ』

「あー。なるほど。化粧か」


そう言われると、しっくりくるな。


「そうなると、結局はバ美肉や獣人設定みたいなことは難しそうだな」

『外見上は可能なのじゃが、性別変更は不可じゃし、NPCに魔物認定されそうなのは、今はごめんなさいをしておるのじゃ』

「まあ、ゲームシステム上は仕方ない部分か」

『ゲーム内の情勢が変われば、また使用可能な外見は増えるはずじゃがな』

「なるほどな」


ゲームの進展に伴って、使用可能なキャラクターや種族が増えるのか。

なんとなくそんなことを思いつつ、ミリンの言葉を聞いていく。


『今は、企業Vに試験運用してもらいつつ、バグの洗い出しじゃな。……とはいえまだまだ一般には出さない機能じゃから気にすることはないのじゃ』

「ふんふん。そのうち、企業Vもゲーム内を歩くことになるのかー。……ん? 試験運用ってもうやってるVがいるのか?」

『そこはVRMMO好きのVにやってもらっているのじゃ。ま、やってるとは公表はしていないから、わからないとは思うのじゃがなー』


知らずにちょっとした有名人と一緒にPTを組むこともあるのか?

こうなると、少しだけ期待したいな。

ま、運営に迷惑になるだろうし、積極的には探さないけどな。

ともかく、今後もプレイヤーが増えそうで一安心だった。その気持ちをそのままミリンに伝えることにする。


「プレイヤーがさらに増えるといいな」

『私もそう思うのじゃ』


ミリンは満面の笑みで笑い、俺もつられて笑ってしまう。。

かなりプレイヤーも増えているようだし、これなら急にゲーム停止にはならないだろう。今後は俺が無理に配信しなくてもよさそうだ。

今の所は配信を続けるけど、将来はどうしようかな。

と、ミリンに聞こうと思っていたことがあったの忘れてたな。


「……あ、そうだ。ミリン、一つ聞きたいことがあるんだが」

『なんじゃ?』


機嫌良さそうに聞き返すミリンに、俺は昨日、DDFで妙に調子が良かったことを話す。

まさかとは思うが、このゲームが関係しているかもと思ったからだった。


そのミリンはと言うと、話を聞き終わった後も首を捻る。


『うーむ。そのような効果はないはずじゃがのう』

「やっぱりそうだよなぁ」

『手術等で寝たきりになった時等用に、筋力が落ちるのを防ぐための技術は使われておるのじゃが……』

「そんな技術があるのか?」

『うちの運営が開発したものじゃな。詳しいことはわからないのじゃが、ダイブ型のVRを長時間行っても大丈夫にするために開発したものらしいのじゃ。

それが医療用に転用できるという事で、先にそちらでは使われ始めているのじゃ』

「あ、なるほど」

『だからと言って、体が鍛えられるような効果まではなかったはずなのじゃ』

「まあ、そうだよなぁ」


気のせいか……気のせいだよな……

なんでもゲームのおかげにするのも間違っているか。

そう、納得していると、ふとミリンの表情に気が付いた。

なんというか、ムカつくニヤニヤ笑いになっていた。


「どうした?」

『大方、美少女二人に良い所見せたかったのじゃろ?』

「グッ……。ま、まあ、そうかもしれん」


確かにそうかもしれないな。いや、きっとその通りだ。


『友達増えてよかったのう』

「まったくだな」


そこまで話してようやくミキの準備が整ったことの案内が出た。

ミリンとの雑談はここまでのようだった。


『そろったようじゃな』

「おう、じゃ、行ってくる」

『いってらっしゃいなのじゃ』


そうしてミリンに見送られ、再びゲームの中に入ることになった。

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