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3-11話 追放少女の今後を相談しました

「次で7日目か……」

『どうしたのじゃ?』


そろそろ現実時間で1時間になる。俺の呟きをミリンに聞かれたようだった。

近寄ってきたミリンはこちらに問い返してくる。

俺も何ともなしにミリンに応える。


「いや、街に到着できなそうだなと思ってな。続きはリアル明日か」

『ちゃんと続きからになるから大丈夫なのじゃ。心配する必要はないのじゃ』

「それはわかってはいるんだけどなー」


護衛が俺一人だからどうしても気になるんだよな……

気にしても仕方はないのはわかってはいるが。

……いや、それもあるけどそれだけじゃないか。


「あー。のめり込んでるな。俺」


多分時間制限がなければずっと遊んでそうだった。

しかし、ミリンの方は別の感想を持ったようで。


『それもあるのじゃろうが、お主、基本的に区切りがいいところまで遊びたいタイプじゃろ?』

「……そういえばそうか。よく分かったな」

『まあの。お主を見ていればわかるのじゃ。そしてお主見たいなタイプがMMOを遊ぶと際限がなくなるのじゃ』

「…………」


あ、まあそうなんだけどね。他のゲームでもつい終わるまで一気にやってしまうんだよな……


『だからこそ、ゲームは1日1時間なんて法律が決まってしまうことになるのじゃ』

「そうなんだろうなぁ」


自制が効かない人間が多いから、妙な法律が成立してしまうんだよな。

おかげでMMOは一気に衰退した。……そこを技術で何とかしてしまうあたり人間って面白いよなとも思う。


俺は納得の頷きの後、いつものようにアイテムの整理をする。

ミリンの方はと言うと、配信用の動画構成を考えていた。あ、なんかすっごい悩んでる。

ここ数日分は、移動ばっかりで撮れ高少ないから苦労しそうだよな。

そんなことを思いながら、久しく見ていなかったステータス画面を確認した。



HP 140→300  MP 10  SP14→26

力20→60 素早さ13→30 体力18→35 知力10 


剣技能4→近接攻撃2 遠距離攻撃0→1

投擲0→2 盾技能1→3 採取1→2 狩猟0→1 乗馬0→1

かばう1→3 自己犠牲1→4


「うわ……なんか色々増えてる。と言うか変化している?」

なんか抽象的な技能名になったな。と言う訳で、いつものようにミリンに聞く。

そのミリンはいくつか参照したようで、その後こちらに向き直る。


『お主、山賊戦で色々な武器を一気に使ったじゃろ?』

「あ、そういえばな……」

『あまりスキル名が増え過ぎると混乱するし、ある程度増えたら近いスキルは統合されるようになっておるのじゃ』

「それで、こんなスキル名になったのか」

『まあ、内部データでは別々に管理されておるからの。実際は何でも使えるわけではないのじゃ』

「……それ、わかり難くなっただけじゃ」

『かもしれんのう。ま、いままでとそんなに使用感は変わらないのじゃ』


便利なんだか不便なんだかわからんな。不便だったら要望出すか。


そんな話をしていると、ルームにいつものようにイルミとバーゼスさんが入ってくる。

俺はミリンにお礼を言って、二人を向かい入れる。当然配信がオフになっていることを念のために確認。

そのまま恒例になった二人との雑談に入る。


「いやー。大変! 結構魔物が強くてねー」


バーゼスさんが身振り手振りを交え、嘆くように話すのにイルミが頷く。


「本当にね。素早い敵が多くて狙うのに苦労するのよ。

それに前衛がいないからその分も負担が全部私にくるのよね」


若干半眼気味にこちらを見るイルミ。

どうやらディアナを助けることにしたのは納得はしているが、一緒に遊ぶ時間は減っているわけで……それはそれという事らしい。


「いや、本当にすまん。もう少し待ってくれ」

「仕方ないわね。今度なんか奢ってね」

「了解」


後、数日の我慢なので、何とか対応して貰おう。

……あ、バーゼスさんが笑っているな。今の会話のどこがおもしろかったんだろう。

バーゼスさんはひとしきり笑うとこちらを新ためて見る。


「あ、でもヨキ君と一緒にいる悪役令嬢……ディアナさんだっけ? レストアに着いたらどうするの?」

「それなんだよな。話を聞く限り、彼女には伝手なさそうなんだよ」


バーゼスさんが話題を振ってくれて助かる。丁度こちらからも話そうと思っていた所だった。

俺はそれに乗っかりながら話を続ける。


「やっぱりわがままお嬢様だったのは確からしい。この状況だと助けてくれる人はいないようだ。

まあ、今は心を完全に折られきっているようで、大人しくなっているけどな」

「なるほどね。……でも下手にほったらかすと、続編でパワーアップした悪役になるパターンね」


イルミの言葉に俺も頷く。それは避けた方がいいよな。彼女がさらに不幸になりかねない。


「そうなると、居場所の提供が必要になるのだが……いまいち思いつかない」

「そうよね。まだこの世界に来て二週間だものね。私たちにだって伝手はないわね」


バーゼスさんも頷き、俺も相槌を打つ。しかし、イルミは眉根を寄せて黙ったまま。


「イルミ、どうした?」

「いや……『蒼い稲妻亭』の受付として再就職させたらどうかなって」

「……へ? いいのか? それ」

「これからまだ冒険者は増えるしね。リルム一人じゃそのうちパンクするわよ」

「腐ってもお嬢様、知識も教養もある、人の扱い方も……まあ知っているか。容姿だって悪くない」


意外といい選択肢かもな……


「まあ、本人のやる気とリルムが受け入れてくれるか。つまり信用が最大の問題か」

「そればかりはやってみないとね」


ともかく方向性は決まったか。

駄目だったらまた別の手を考えるだけか。


「ディアナさんの件も方向性は決まったね。……で、さらに話が変わるのだけど」


そう言ってバーゼスさんはぽんと手を叩いた。


「イルミと話してたんだけど、私たちの住む場所、意外と近そうなのよね」

「バーゼスさんと俺たちの住む場所が? あ、そうなんですか」


リアルの話をするあたりイルミとバーゼスさん、結構仲良くなっているな、と思っていると


「で、明日休みじゃない。一緒にオフで遊ぼうと思って」

「土曜日ですもんね。へー。いいんじゃないんですか」


オフで遊ぶなんてイルミも思い切ったなぁ

まあ、バーゼスさん、悪い人じゃないしいいかもな。俺以外にゲーマー仲間ができるのはイルミにとってはありがたいか。

そう思い、とりあえず相槌を打つ。

しかし、俺の反応にバーゼスさんは不満気にこちらを見つめた。

なんとなく圧を感じ、こちらから聞くことにする。


「……どうしたんですか?」

「当然ヨキ君も一緒よ?」

「……へ?」


平然と言うバーゼスさんの言葉に俺が面食らってしまう。

いいのか? 女子会だろ。俺が行ってもいいのか?


「思いつかなかった顔ね……当然でしょ。一緒にゲームで遊んでいるんだし」

「そーゆーこと。と言う訳で予定、空いているわよね?」


イルミも立て続けに言ってくる。あ、二人であらかじめ決めていたことらしいなこれ。

絶対抵抗不可な奴だ……まあ抵抗する気もないが。


「残念ながら当然空いている。わかったよ」

「よし! じゃ、簡単に計画決めよっか」


全開の笑顔で話し始めるバーゼスさんに合わせ、俺も話に参加する。

イルミ……じゃないミキ以外との女性と一緒に遊ぶのか。


俺も楽しみ半分不安半分で明日の話をする。

……いやー明日、早く来ないかな。


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