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関東の縄文  作者: 熊さん
第三章:関東の連帯
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千葉の被害

千葉の被害



リーダーは、必死になっていた。

水田が、稲穂がお辞儀している。

水田が湖のようになっている。


微高地が見えてきた。小屋が潰れている。

これ巫女がいるんじゃないか。

潰れて大丈夫か?


しばらく荒れた小屋を見ていたら、その先に潰れてない小屋があった。


中に人がいる?


「すみません。ケヤキの民のものですが、海の巫女様はいらっしゃいますか?」


「巫女は私だが、お主は?ケヤキの民?おお知ってるぞ、その昔、先代が会ってるな。」


「はい、私もケヤキの民のリーダーで、先代からの話は承ってます。いま、北川辺の大巫女様が、見てこいとおっしゃったので来ました。嵐があったんですね。大丈夫ですか?」


朝、起きた時に、北川辺の大巫女の事を考えていた。巫女は、


「なんと、北川辺の大巫女様が、気が付かれたのか?」


巫女は驚いていた。


「何という事か。ありがたい。舟は軽微な損害で済んだが、水田は、多分だめだ。海の水がかかっている。」


巫女は悲しい顔になった。


祈りに対する無力感というか、集落の役に立たなかった無力感だ。


リーダーは、何か言葉ないか探ったが分からなかった。


「リーダー、申し訳ないが明日まで居てもらって、明日、舟で送るから、水を持ってきてくれないかな?水が足らなくなると思うんだけだ。どうだろうか?」


リーダーは喜んだ。力になれるならやろうと決心した。


海の巫女は、巫女として力強いなと思った。


リーダーは倒れた小屋の修理を手伝い、その日は泊まらせてもらった。


翌朝、海の巫女は中型船の漕ぎ手を用意してくれて、北川辺に向かうことになった。


「海の御子様、では行ってきます。」


「大巫女様によろしくお伝えください。侍女を代理として送ります。」


侍女を連れてリーダーは舟に乗った。

漕ぎ手が何人かいて、前進した。


大海原に中型船が出た。

波に揺れる感覚が新鮮だった。

潮風に吹かれ、舟が進む度に、期待が膨らむ。


海に入ると潮の香りが広がる。


丸木舟を留めた場所にたどり着き、河口へと方向を変えた。

河口に入ると、変な揺れがあったが、構わず進むと流れが落ち着いてきた。


嵐の被害は、海岸沿いだけのようだ、所々に水田が広がり、小屋が見えた。


風が爽やかになり、塩臭さがなくなっている。


舟で上流に向かう事で、ゆっくりと土地の姿が見えた。


いくつかの微高地を越えると、権現堂の小屋が見えてきた。


水田が見えて、先の反対側に微高地がまたあり、小屋が見えてきた。

北川辺の集落だ。


舟が来たことが分かったらしく、岸辺に男たちが立っていた。


リーダーは先頭に立ち、手を振って、降り立った。


網の親父がいた。


「ケヤキの民のリーダーです。大巫女様の言いつけで、海の巫女様の使いを連れてまいりました。」


網の親父は、直ぐに納得してくれ、大巫女の小屋に使いの侍女を連れて行ってくれた。


リーダーも付いていった。


侍女とリーダーが大巫女の前に立った。


「大巫女様、千葉に行き、海の巫女の使いを連れてきました。大巫女様の予言通り、嵐が来ておりました。被害は舟に軽微なものがあったらしいですが、高波で水田が、海の水を浴びて壊滅したらしいです。海の巫女様が、感謝されて、水を分けてほしいとの話で、使いの者とともにもどりました。」


リーダーが話すと、頭を下げた。

大巫女が受けて返事を返した。


「リーダー、ご苦労さまでした。わかりました。使いのものとやら、海の巫女様は何とおっしゃった?」


侍女が大巫女様に膝まつき、会釈して話した。


「大巫女様、海の巫女は、嵐の後、大巫女様の事を考えたそうです。そうしたらリーダーが来られてたいそう感激されていました。嵐の後で、水が不足するかもしれないので、大巫女様の慈悲にすがり、水を所望したいと申しておりました。何卒、ご慈悲を賜りますよう。お願い申し上げます。」


大巫女は、ゆっくりと頷き、自分の侍女に耳打ちして、侍女が動き出した。


その後はしばらく待てと仰せで、リーダーの千葉への道行などを聞いて笑いが広がっていた。


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