秋の恋 ep41
文化祭の日の屋上。
周りには誰もいないし、大きな声を出そうがほとんど聞こえないと思う。
屋上の柵に二人で並んでもたれかかるように立ったとき、汐音は話し出した。
汐音「先輩って…甘いものが好きなんですよね?」
秋「そうだよ。」
汐音「今度二人で食べに行きません⁉パフェとか!」
秋「いいね~秋の味覚もあるだろうしね。」
汐音「あと…先輩。敬語外してもいいですか?」
秋「うん。別に好きにしなよ。」
汐音「ありがとう。」
秋「…」
汐音「…」
私と汐音の間には、何とも言えないような気まずい空気が流れていた。
そこで私は汐音の口から聞きたいことがあったので、話してみた。
秋「汐音。汐音の好きな人ってどんな人なの?」
汐音「私の好きな人⁉えぇっと…その…」
秋「いいずらかったら言わなくってもいいからね。」
汐音「言うよ!あの人は…誰にでも優しくて、身長は私と5㎝差ぐらいで…かっこよくって…みんなを導いていけそうな人かな。」
秋「いいじゃん!」
汐音「秋先輩は好きな人いないの?」
秋「私はね~自分からあまり好きだと思ったことはないね。」
汐音「そっか…」
秋「汐音にだけ言わせてごめんね?私もいたらよかったんだけど…」
汐音「大丈夫だよ!」
そうして私たちは、ひたすらに邪魔されない二人だけの時間を過ごした。
しばらく喋っているうちに、終わりの時間が近くなっていた。
秋「もうそろそろ戻ろっか。」
汐音「はい。」
そして私たちは一度別れ、教室のほうへ戻っていった。
佐藤T「みんなお疲れさま。そして楽しかったか?」
井上「めっちゃ楽しかった!」
陵「な。」
井上「お前結局一人で回ったのか?」
陵「市川たちと回ったよ。」
井上「あの3人組に入れたのか…やっぱ俺って嫌われてんのかな…」
陵「大丈夫だって!あいつらが一部の奴を苦手意識してるだけだから。」
井上「結局俺は苦手ってことかよ…悲し。」
陵「まあまあ元気出せってコーラ奢ってやるからよ。」
井上「マジかよ!お前最高だな。」
陵「お前ちょろすぎだろ…」
皆が口々に思い出を話していた時、先生が止めた。
佐藤T思い出トークはあとにしてくれ…それじゃあ挨拶するぞ。さようなら。」
秋「ありがとうございました。」
そして私は靴箱のほうへと向かった。
そこには、
汐音「先輩!帰りましょ!」
秋「そうだね。」
汐音がいた。
帰り道、私は意を決して汐音に話をした。
秋「汐音。言いたいことがあるんだ。」
汐音「何?」
秋「汐音のことが好きだよ。」
汐音「えっ⁉…えっ⁉」
汐音は恥ずかしかったのか、顔を赤らめて、顔を一部隠していた。
かくいう私も、恥ずかしさから体が熱くなっていた。
秋「その…返事は…どうかな…?」
汐音「私でいいなら…お願いします。」
秋・汐音「…」
とても気まずかった。多分汐音との間で一番気まずかった。
少し歩いた後、汐音が口を開いた。
汐音「リボンのこと知ってたんですか…?」
秋「リボンね…渡されたときは知らなかったよ。」
汐音「じゃあなんで告白してきたの⁉」
秋「その時に陵に教えてもらったっていうのもあるけど…一番の理由は…」
汐音「なんなの?」
秋「好きだから。かな。」
汐音「これ以上恥ずかしくさせないで!」
秋「ごめんってば…」
汐音「秋先輩の彼女…ってことでいいんだよね?」
秋「せっかくならさ…秋って呼んでくれない?」
汐音「分かった。秋。」
秋「そっちの方がなんかしっくりくるや。」
その時、分かれ道のところまで来てしまった。
汐音「また明日ね。」
秋「明日は振替休日だから明後日だよ。」
汐音「ほんとだ!危ない…それじゃあまたあさってね!」
そう言って彼女とわかれるのだった。




