謎のユーザーX(1)
前話のあとがきで「これから村上や三山らの嫌がらせが、ヒートアップします。」??と書きましたがその前に物語の伏線としてこの話を…。
「なあ?今って何ポイント差くらいついてんだ?」
「えー…ちょっと待てよ、46。あ、48だわ」
「いい調子だね」
あの数学での件から2週間ほどたった今日、
日曜日だから街にでも行こうと計画していた村上と関本、上田らはあいにくの雨で計画を変更せざるを得なくなった。そのため彼らは村上の家で、例の件についての作戦会議を行う事にした。
例の件というのはこの前、三山ら率いる吹部軍団と村上、関本、上田たちのチームMSUの対立で始まった事だ。
関口に嫌がらせをすると、それに応じてポイントを特別に作ったサイトの表にそれがが入る。
そのポイントは嫌がらせの内容をメールで伝えられた松下が採点する。
「三山らあれだけかよ」
ふぅ、と自分の学習机のイスに座っている村上がそう言ってため息をつく。
「まさか、やる気無くしたとかそんな事ねぇよな?」
関本がパソコンの画面をみながら、あぐらをかいて座っている。
「いや、そんな事はないと思うよ。ほら、画面の右下をみてごらん」
上田がそこを指差す。
「あー、なるほど」
「うん、これだけほぼ毎日ログインされているんだからそうだろうね」
峯が家の執事に作らせた例のサイトは、ログインすると自動的に記録され、画面の右下で確認出来るようになっている。
関本が見ると、ほぼ毎日のように吹部の三山や峯がログインした形跡があった。
「なあ、村上?じゃあ何でこいつら何もしてこないんだろな?」
「そんなもん、知るかよ!おれはテレパシー使いじゃないんだから」
「確かにそうだな」
そう言って、ハハッと笑った。
「お茶でもいれようか?」
村上が気を利かせて二人に尋ねた。
「いや、別にいいよ。わさわざサンキュ」
「僕も遠慮をしておくよ」
「そうか、なら自分の分だけでいーや」
そう言って村上は部屋をでた。
しばらく使っていた関本から半ば強引に奪ったパソコンのログイン復歴を眺めていた上田の視界に見慣れない文字が入ってきた。
「これなんだろう?」
「ん?どうかした?」
関本がパソコンの画面を関本の横から覗き込む。
「ねえ、このサイトに登録しているのって僕らと松下と三山と峯と松下だけだよね?」
「あー、それなら…」
その時ちょうど村上が部屋に戻ってきた。
「なぁ?村上?このサイトに登録してるのって俺らと、他に三山と峯と松下だけだよな?」
「え?あぁ、そうじゃねえの?」
村上は部屋に戻った途端に訊かれたので少し驚いた表情をみせる。
「それがどうかしたのか?」
「いや、こいつが…」
関本は上田をチョンチョンという感じで指差す。
「ちょっとこれを見てよ」
上田がパソコンを持って2人が見える位置におく。村上が床に腰をおろす。
「これ、誰か分からないんだけど。」
そう言って、クリックボタンをおす。
その画面には「Xmjdg858.com」という名前のユーザーが表示されていた。トップ画像も設定されていない。
「何者だ?こいつ」
村上が首をかしげる。
どうやら今までの復歴をさかのぼって見てみても、このユーザーは誰にも当てはまらなかった。
「このXmj… あー、もうXでいいや。このXって吹部の誰かじゃねえの?」
「あー、確かに。あり得るかもしんねぇな」
村上はそう言って手元の携帯をとり、何かを打ち込む。そして、その何秒後かに送信音が鳴る。それが鳴り終わると同時にまた別の音が流れる。どうやら着信音のようだ。
「ちがうってよ」
そう言って村上はまた、携帯に何かを打ち込み始めた。
「はやっ!!送ってからソッコーで返ってきてんじゃねえか!!!よほど暇なんだろうな。雨だし」
話が一話でまとまらなかったので、続きを次話で…




