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をぐらのさうし 巻之弐十六  作者: 小椋夏己
2026年  6月

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ミミズ天使

 SNSで流れて来た記事にちょっと興味深いものがありました。


「ミミズは侵略的外来種」


 ちょっと考えたこともなかったもので、かなりびっくりしました。


 ある研究でそのようなことを発表されたらしいんですが、簡単に言うと、


「北米ではミミズがいなかったのにミミズが入ってきて生態系が変わってきた、動植物の様相が変化するかも」


 ということです。


 てっきりミミズって世界のどこにもでもいるんだと思ってたんですが違うようです。


 私の感覚ではミミズって土をふかふかにしてくれるいい生き物なんですが、北米ではずっとミミズがいなかったので、ミミズに分解されなかった植物のおかげで土がふかふかになっているとか。そこにミミズが入ってきて日本でやってるように土をふかふかにし始めたことで、これまでのふかふかの恩恵を受けていた動植物に影響が出ている可能性があるらしい。びっくりですよ。


 うちは自家植えではないもので、大きな花壇とかプランター、植木鉢でミミズを見つけたら私は大喜びしています。というか、釣具屋さんでミミズ買ってこようかと真剣に考えてたぐらい、ミミズ様を尊敬している。ミミズ様は世界中でそうやって敬われているとばかり思ってたのに、インベーダー扱いされるとは思ったこともなかったです。そして北米の豊かな自然がミミズなしで作られてきたものだというのも驚きです。


「ミミズ天使」

 

 というフレドリック・ブランの短編小説があります。


 どういう小説家と言いますと、ある朝釣りに行こうとした男がミミズを掘っていたら、頭に天使の輪っかがついて羽が生えて空に飛んでいくんです。もちろんびっくりしますが、その理由が分かって修正して落ち着きます。


 その理由、まああまり読む人もいないのでネタバレしてもいいですかね。それは天の輪転機の故障です。フレドリック・ブラウンが作品を発表していた当時は印刷を輪転機という機械でやっていて、その誤植でミミズ「アングルウォーム」だったかと思いますが、それのどこかが欠けたか何かで「エンジェルウォーム」つまり天使の虫となって空に飛んでいったということです。翻訳でミミズを入れても「アースウォーム」としか出ないので、多分そうだったかなと思いますが、間違えてはいないはず。


 話は戻りますが、私の中ではそのぐらいミミズって人間がありがたがる虫というか生き物なんだという意識があったので、本当にびっくりしました。


 日本では益虫であったとしても、北アメリカでは害虫でしか無い。日本でも外来種のせいで古来種が減っているということはありますが、まさかミミズがねえ。


 そういやイタリアで外来種のカニが増えすぎてタコを大量に投入したというニュースがあり、


「日本人を投入してくれ」


 なんてのがネタになってました、日本人だったらそのカニ全部食べつくすぞと。


 ミミズは食べ尽くさないけど、土をよくするのに日本に連れてきたら、なんてのもまた簡単に言えないんでしょうね、そのミミズが日本ではまた外来種になる可能性もあるし。本当に難しい問題です。

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