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をぐらのさうし 巻之弐十六  作者: 小椋夏己
2026年 5月

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ポーム・ダムール

 少しばかりショックなニュースが入ってきました。


「有名な元町のチョコレート屋「一番舘」さんが閉店する」


 びっくりしました。しかもその最終日がこれを書いている今日、5月31日って急過ぎる!


 よく行ってたチョコレート屋さんです。私が元町ぶらぶらするようになった頃にはもうあったので、いつからか調べたら今年で55年だそうで、その頃にはもう結構知られるお店になってたわけです。


 行ってたのはやっぱりバレンタイン前ですが、他にもオフ会の時に他県から来た人を連れて行ったりもしました。お約束は春節祭に行ってその日に行くというパターンが多かったかな。生活が変わってあまり元町に行かなくなった頃でも、そうやって最低でも一年に一回とか行ってたと思います。父親に生チョコレートを買ったりしてました。


 ここのお店で有名なのが、りんごのチョコレートの、


「ポーム・ダムール」


 です。フランス語でポムは「りんご」、ダムールは「愛の」なので「愛のりんご」のチョコレートです。百貨店とかでも売っていたので、壱番館さんに行かなくてもそこで買うこともできました。親戚や友人に送ったこともあったなあ。


 妹に知らせたら、


「えー」


 とびっくりして、説明を読んで、


「でも喫茶はあるんやな。まだよかったよ」


 と言ってました。


 チョコレート屋さんの下に喫茶店もやってらっしゃるんです。でも私は喫茶の方は行ったことなかったなあ。


 どうしてなくなるのかなと妹や他の人と話をしてたんですが、チョコレートの原料のカカオが希少になって高くなってきたことや、以前はこのお店ぐらいでしか買えなかった海外の珍しいチョコが、今ではあっちこっちで売られるようになったことなどじゃないかと思います。


 りんごのチョコも作らなくなるのか、それだけはよそでも売るのかは分かりませんが、


「せめて何ヶ月か前に言ってくれたら行くのに」


 と勝手なことを思ったものの、それだけ私も行かなくなってたんですから、とやかく言うことはできません。この間元町行った時も行かなかったよなあ、そういや。


 惜しいですが、閉店してしまうのはどうしようもできません。今度は一度喫茶に行ってみようと思います。もしかしたらそこの一部でりんごのチョコを売り続けてくれるかも知れない。生チョコレートの「石だたみ」も。

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