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をぐらのさうし 巻之弐十六  作者: 小椋夏己
2026年 5月

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手放すメソッド

 テレビやネットでお片付けや断捨離なんてことをやってると、ついつい見てしまいます。


 真剣にお片付けしたいんですよ。何しろ自分ちだけじゃなく、実家もやらないといけない。少しでもやっておきたい、快適に暮らしたい。そうは思うけど、どっちの家も物が本当に多くて、考えただけでめまいがしそうです。

 

 それで何かヒントがないかなと思ってみるわけですが、大抵やってることは同じです。ちょっと方法が違うぐらい。


「いらない物を捨てましょう」


 いや、分かってるんだってばそれは。ものすごーくよく分かってる。いやってほど分かってる。それでも捨てられない、手放せないから困ってるんじゃないですか。


 昨日見た人は1000着あった服を数十着まで減らしたその方法を伝授するという人でした。他にも「自分はこんな風に減らした」と何人かの人が「捨て方」を教えるんですが、どの方も教えてくれるのは、


「捨てるテクニック」

 

 だけ。


 全部出して残す物、処分する物、保留に分けましょう。

 頭で考えずに直感で判断しましょう。

 その場から動かず一箇所を終わらせましょう。

 全部出さずにその部分と決めた狭いエリアを完璧にやりましょう。

 とりあえず箱に詰めていいから空間を作りましょう。


 本当に色んなやり方があります。他にも有名なのはときめくやつだけ残そうってのもありますね。


 だけどそれって、まず前提に、


「捨てられる」


 というのがあるんですよ。私みたいに物に思い出だのなんだのを感じる人は、まず分ける段階で、


「これはあの時こうしたやつだから」

 

 とか、


「これは母がこうしてくれたやつだから」

 

 とか、


「父が使ってたやつだったなあ」


 とか、そういうのが入るともうだめです。全部残したくなる。


 おまけに両親がそろってそういう人だったもので、なんでもかんでも残してるもので、


「親が大事にしてたなあ」

 

 と、自分が直接関係ないものにまで、愛着というか愛情というか、そういう感情を持ちがちです。


 テレビやなんかで指導している人は、


「捨てる技術や方法」


 を、ほぼ感情なしに教えてはくれるけど、その、


「捨てるのがかわいそう」


 とか、


「不要と思うのが申し訳ない」


 みたいに思う、


「感情」


 をどうこうしてくれることはほぼないです。


「こうして捨てましょう」


 だけなんですよね。


 頭では分かってます。捨てないといけないなあとか、他の人から見たらゴミというか、本人すらゴミみたいに思ってるのに捨てられないのだということ。その上で心が捨てられないのは一体どうしたらいいんだねといつも思って見てしまいます。


 そう言いつつも、これまでの人生でいきなり、


「捨てよう」


 と思ってそりゃもうたくさんの本やゲームやその他を捨てた経験もありますので、何かでエンジンがかかればできると思うんです。後はそれと体力と時間ですが。


 そのエンジンのかけかたを教えてくれる人いないですかねえ。


 メソッドじゃなくエモーションで捨てる方法を教えてくれる人を紹介してくれるテレビやネット記事、あればいいんですが。あまりそういうのは見当たらないので、とりあえず坐禅でも組みにお寺にでも行った方がいいのかも知れない。諸行無常。

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