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【完結】POD Enemy  作者: D-delta
エピソード3 疲れと生存

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第九十七話 闇夜

やっと更新出来た……。

今回は合流回、またちょっと間延びするけどここは丁寧にやりたい。

 暗い夜の中に轟く砲撃音。超重戦車型『PODE』の放った第二射だ。

 第一射で既に木っ端微塵となった生存者たちの家に再び着弾。凄まじい着弾音を街中に響き渡らせる。着弾した場所には超重戦車型『PODE』の攻撃力を表すように土煙が高く立ち昇り、地面が大きく抉られる。

 もはや生存者たちの家は見る影もなく、家のあった場所はただのクレーターと化していた。

 まさに凄まじい威力である。超重戦車型『PODE』側は生存者たちと戦車型『PODE』のいた場所を吹き飛ばしたことから死亡確認などせず、敵となる者を殲滅出来たと判断して攻撃を第二射で止めた。それだけ超重戦車型『PODE』の火力に自信があるのだ。


 一方で生存者たちは超重戦車型『PODE』の攻撃から逃げ切り、森の中で二組に分かれてしまっていた。

 今はアイーラと美保に合流しようと、レイテットと雛が動いている。


「攻撃が止まったね」

「そうだな。敵は俺たちを殲滅出来たと思っているんだろう」


 二度も戦車型『PODE』の砲撃で吹き飛ばされた雛にレイテットが支えるようにして寄り添い、話しながら暗い森の中を進む。


「レイテット、アイーラと美保さんは見えるか?」

「うーん……暗くてよく見えない」


 暗く、視界の悪い闇夜の森。レイテットと雛は懐中電灯などを一切持っておらず、夜の暗さは視界を狭めてしまう。一向にアイーラと美保の姿は見えない。


「このまま合流出来なくては意味がない。声を上げて呼んでみるか」

「うん、分かった!」


 二人共危険は承知であった。アイーラと美保に合流せねば二人は安心出来ないのだ。

 そうして雛とレイテットは「アイーラ! 美保さん!」と交互に呼びかけた。しばらく呼びかけ続けていると、森の中に一つの光が現れる。


「雛君、あれ!」


 その現れた光を見つけたレイテットは指を差して、雛に光の場所を教えた。教えられてすぐに、雛はレイテットの指差す方を見つめ、一つの光を見つける。


「たぶんあの光だ、行ってみよう」

「うん!」


 呼びかける内に森の中に現れた一つの光。それをアイーラと美保が持つ懐中電灯の光だと確信した雛は、レイテットと共に光へ近付く。


「アイーラ! 美保さん!」


 安心し、合流を喜ぶ声を光の方へ向かって上げた。

 そうしてレイテットの声に反応するように光が動き、二人が光りに近付く頃にはアイーラと懐中電灯を持つ美保が見えてきていた。


「あ、レイテットちゃん。無事で良かった」


 懐中電灯を持ったまま美保は、合流出来たレイテットに向かって疲れのある乾いた笑みを見せる。その様子を見ながらアイーラは「雛君は?」と疑問を抱いた。が、すぐさまその疑問に「ここだ」と雛は答えてアイーラと美保の視界に入った。


「とりあえずは合流出来たな。アイーラ、美保さん、怪我は?」


 合流出来てすぐの怪我の確認。

 アイーラは「怪我なっしんぐ」と、美保も「大丈夫よ。怪我はないわ」と怪我をしていないことを告げた。


「みんな無事で良かった……」


 全員怪我がないことに、ふと緊張が抜けて安心した表情をする雛。その表情を見逃さないアイーラは「あ、雛君が珍しい顔してる」と大げさに告げた。もちろんレイテットはすぐに雛の表情を見る。

 その一方で美保はただ雛たちを見つめていた。


「……そんなに見ないでくれ」


 レイテットとアイーラに揃って表情を見られている状況。二人の熱心な目線が集まってしまい、雛は次第に恥ずかしくなってしまう。


「あ、顔赤くなってる」

「意外と可愛いね」


 レイテットの言う通りに雛の頬はほんのり赤く染まり、アイーラの言う通りに幼さの残る美系の顔は少年のように可愛げのあるものになっていた。

 初めて全員に見せた羞恥のある表情。雛はその表情を見られたくないが故にひたすら顔を逸らす。


「ふふふ……可愛い」


 普段見せない雛の仕草に、レイテットは意地悪い表情で告げる。

 そんなレイテットと雛の様子を視界に映すアイーラは「あ、これはそういう雰囲気だわ」と察してしまう。

 その性に乱れそうな雰囲気の中で、美保の口が開く。


「雛君、これからどうするの?」


 レイテットと雛が今にも性に乱れそうな雰囲気。それを崩すように美保が尋ねる。その目もその声もまさに疲れを見せており、雛の答えを急がせる。

 そうして雛はすぐに羞恥する心から真面目な状態に切り替えた。


「今この状態で寝床を探しに行くのは危険です。まずはここで一晩過ごして、朝方になってから新しい生活拠点を探しましょう。幸い夜の間で森の中は敵の目が効きにくいですから夜は越せるはずです」


 雛は今出来ること、そしてこれからのことを告げる。


「一晩だけ土の上で寝れば良いのね? 分かったわ……」


 具体的に雛が答えたところで、美保の疲れが取れることはない。もはや疲れから病んでいると言っても過言ではない。

 雛たちは疲れと病みをここまで表に出てしまっている美保のことをとても心配していた。


「とりあえず今は休もう。次の戦闘を経て、生き残るためにも」


 時刻は午後の七時。暗く、深くなり行く夜。

 生存者たちは視界の悪い闇夜の森で休息を取り始める。家がなくとも生き残るためには休息が必要なのだから。


次回、生きるためには……

美保に亀裂が走る。

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